BCバイクレース参戦記 Vol.8 『DAY 6 , 7』
DAY6 SQUAMISH
2017年7月12日
BCバイクレース、6日目。
今日の行程は距離53km、獲得標高1680m。
朝、テントから出ると目の前にスコーミッシュのかっこいい岩壁の山々が広がっている。今日も楽しみだー!
スコーミッシュのトレイル。
有名なHalf Nelsonを始めとして、乗り手の技量に関わらず、MTBという乗り物の可能性を最大限に引き出してくれる、登りも下りも完璧に造り込まれたトレイル。
この素晴らしいトレイルが全てオープントレイル(無料!)で、地元の人が普段ガンガン走っているトレイルだなんて。。
カナダにMTB乗りに行った〜という人の話を聞くと、ウィスラーのバイクパークとその周辺トレイル...という人がほとんど。
もしも普段はゲレンデダウンヒルよりトレイルライドの方が好きかな〜という方なら、ぜひスコーミッシュのトレイルを体感してみて欲しい!
DAY 7 WHISTLER
2017年7月13日
BCバイクレース、7日目。
今日の行程は距離33km、獲得標高1569m。
ついについに最終日!
今日でレースが終わってしまうと思うと、始まる前からとてもさみしかった。。
例年、このウィスラーステージではバイクパークがレースに組み込まれているが、今回はパーク内はなしで全て周辺トレイル。
でもそこはやはりウィスラー。
しっかりテクニカルな下りが次々と!
これまでのステージで養った感覚を総動員して、最後まで気を引き締めつつ、
最後の一日を惜しみつつ走った。
そしてゴール!
まずは7日間、怪我なく、ノートラブルで完走できて本当に良かった〜と安堵。。
ウィスラービレッジ内のホテルにチェックインし、久々にバスタブでお湯に浸かり、ベッドに寝っ転がった時に込み上げてくる充実感。。
カナダのトレイルを、そしてキャンプも含めたレース生活を、存分に楽しめた。
いろんな不安を乗り越える事ができて、自分に自信がつき、思い切って出場して良かったと思った。
レースを終えて...
その日の夜19:30から、アフターパーティーが行われるという事で、ビレッジ内の会場へ。
何も考えず普通にTシャツとジーパンで行ったが、あれ?場所違う?!という位に小綺麗な人々が!
でもなんとなく見覚えのある人がいるし、、。
男性はジャケットを着ていてみんなダンディーだし、女性はエレガントなドレス姿で、ヘアメイクもちゃんとしている人もいて、とても華やかな雰囲気。
ついさっきまでレーサージャージやTシャツ+短パン姿しか見ていなかったので、一瞬誰だっけ?となる位。
これは完全に予想外!
パーティーではユーモアを交えて上手に編集されたビデオ(とてもレース期間中に作ったとは思えない完成度!)を観ながら、みんなで過ごした7日間を振り返る。
特にスタッフ代表の方々を一人ずつ映し出す動画が印象的だった。
ほぼ毎日変わるレース会場、キャンプサイトの準備に撤収。
自分の気付かない所でもこんなにたくさんの人が、選手が快適にレース期間を過ごせるように協力してくれていたとは。。
さらにスタッフの方々もそれを楽しんで、レースを盛り上げてくれている姿に胸が熱くなった。
レース中、そういえば良く一緒になったな、、という、南アフリカから来ていた6名程のチームの方に、チームのジャージを戴いた。
とても陽気な方々で、レース中にも色々話かけてくれていたので、一人で心細かったこともあり、有り難かったな〜。
お互いの健闘を讃え合い、握手を交わす。
お前もチームの一員だぞと言ってくれた気がして嬉しかった。
普段の生活では出会えない人達と、国境を超えて同じ趣味で繋がれる事の嬉しさも、このレースの醍醐味だと感じた。
翌日はレースの余韻に浸りながらバイクパークで遊び、今回の遠征を締めくくる。
また絶対カナダにMTBを乗りに来たい。
その為にも日本で頑張って働こう!
このレースにはトレイルライドの楽しさが詰まっている。
朝早く起きて新鮮な空気を吸いながら気持ち良く登り、山からの景色を眺め、無心になって楽しむ事だけに集中して下る。
街に戻って来て心地よい疲労を感じながら食べる、おいしいご飯にビール、そしてそれらを共有できる人との出会い。
エントリーフィーは決して安いとは言えない。
でも、7日間ただ走る事に集中し、これでもかと続く極上のシングルトラックへ導いてくれるツアーだと考えれば、その価値は十分にあると思う。
社会人になってからの、好きな事だけに没頭する一週間。
めちゃくちゃ贅沢な時間だった。
しかもコースとなるのは、テクニカル過ぎない、安全設計のメンテナンスの行き届いたトレイルばかりを選りすぐって繋いでくれているので、 MTB初心者の人こそ思い切って出てみて欲しい!
しんどい思いをして達成感を得るだけでもなく、ただ早く走ってタイムを競い合うだけでも、チャレンジングな事をしてスリルを味わうだけでもない。
ただトレイルに身を任せて走るだけで、MTBってこんなに楽しい乗り物だったんだ!と、再発見できるはず。
(終わり)