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100日目に破産する会社員 〜20日目 〜
『ぷかーん』神倉は、ラスベガスのホテルで一人プールに浮いていた。残念ながら、持ち込んだ現金約1000ドルが尽きてしまったのである。もうラスベガスの日程もないので、最後の勝負だと張り切って賭けたが、負けてしまったのだ。
今朝は部屋で武田がまだ寝ていたが、放置してそのまま、朝から来ていたのだ。持ち金のことを聞かれるのが嫌で飛び出して来てしまった。
「持ち金が尽きても、プールがあれば安心だな!笑」武田が以前冗談で語っていた言葉を思い出す。あいつの言われた通りに行動してしまっていることに気づき、イラついた。
そして、また武田の言葉を思い出した。
「持ち金が尽きても、魔法のカードがあれば安心だな。キャッシング枠をフルで開放しとけよ笑」
神倉は、黙ってプールからあがった。