NISEKO EXPEDITION 2023~蛇走の軌跡:第5章 余韻
美しい稜線
TA4では、1時間の強制休憩。そのため、ホスピタリティあふれるエイドであり、温泉と暖かい食事がふるまわれた。
正直いうと、濡れていたので、テントサウナの方がうれしかったが。。。
とは言え、その温泉で、靴下脱いで、足の砂を洗い流し、シューズや靴下の泥を落とした。濡れていても、泥などが取り除かれると、やっぱり違うなぁ。少しスッキリします。
雨は止み、陽は上り、1時間という強制休憩時間は超え、我々はTA4を後にした。
ここから最後のMTBセクションに入っていく。
相変わらず、上りが遅い私。皆が止まって待ってくれていた。
皆が見ている視線の方に目をやると、雷電山~目国内岳の稜線があった。
「あそこ行っていたんですねぇ~」
「穏やかに見えるんだけどなぁ」
オリエンの定め
7月2日(日)am6:15。
TA5に到着し、オリエンのルール説明を受ける。
Leg7 オリエンテーリング
距離:約13km 累積標高:500m(+) 500(-)
CP23:林道終点
CP24:林道終点
CP25:林道終点
CP26:林道終点
CP27:消火栓
CP28:尾根の東寄りの白樺の木
CP29:平らな尾根、高さ1.5mの切株
CP30:林道分岐
CP31/TA5:林道(関門3:00/閉鎖時間8:00)
ここまできても、オーリーさんがメッチャ元気で、「走って行ってもいいですか?」と・・・。
特攻隊長・・・。100マイラーは違うなぁ。
オリエンの地図を片手に、倒木のところから躊躇なく藪に飛び込む。
双樹さんと泉さんは藪の手前で方向指示。
3人で地図を見ながらオーリーさんに声かけしながら、、、
「オーリーさん、たぶん。あの5本くらい高い木の一番右のあたりだよ!」と叫び。オーリーさんもそっちに向かい始めるが、どうも今いるところからは藪が濃すぎて全然動けない。
それ見て、双樹さんが左側から攻めて行き、難なくCP23をゲットできた。
そして、またオーリーさんは先に行って探すと言って走っていった。
CP24、CP27をゲットして、撤収前の8時ギリギリにTA5に戻ってきた。
すると運営の方々は、3つポイントを取ったことに驚いていた。
どうやら、他のチームはみんな1つ、2つのみで止めていたようである。
後半に時間制限がある中で、この濃い藪のオリエンは、そりゃ飛ばしたくなるよね。。。
これまで過去3回、オリエンテーリングは、まじめにやった試しがない(笑)
競技とは関係ないが、このオリエンセクションでは、多くの幻覚を見た。
藪の奥に綺麗な芝のサッカー場や施設
数人の人々が話し合っていたり
数名の小人がいたり。。。
限界を迎えていた。
最も伝えたいこと
オリエンが終わり、あとはゴールに向かうのみ。
なお、スキップすることとなった、Leg8とLeg9はこんな感じ。
Leg8マウンテンバイク
距離:約85km 累積標高:2900m(+) 2300m(-) CP32~CP38/TA6
Leg9トレッキング
距離:約4km 累積標高:50m(+) 400m(-)
マウンテンバイクは結構辛いですね。
さて、話を戻して、
ゴールまでは結構近いと思っていたが、、、意外と遠かった。もはや意識は朦朧としており、危険なライドでもあった。
相変わらず上りはおいてかれるし・・・。
ラスト2km付近で昆布温泉の甘露水で一休み。
最後くらいはみんなと一緒に走りながらと思い、必死にペダルを踏んだ。
そして、4人でMTBに乗ってゴールゲートをくぐった。
齋藤さんのアナウンスが響く。
ただ、何となく運営側がざわついている(笑)
すると、1位のBend Racingが走ってやってくるではないか。
我々よりも感動のゴール!!!
JASOは一旦ほったらかし・・・(笑)
Bend Racingのフィニッシュインタビューを終えてから、JASOのインタビューへ。
まぁ、そりゃそうですよ。
このタイミングでゴールした私たちが悪い。私がMTBをもっと扱えていたら、全然速くゴールできたと思うし、こんなことにはなっていなかった(笑)
とりあえず、フィニッシュインタビューで私が応えたことは・・・
「このコースは2度とやりたくはない。」
「パックラフトはもう漕ぎたくない」
「クライミングもやりたくない。」
「来年はもう出場したくない。」
の無い無いずくし(笑)
まあ、ただ、コースディレクターの鬼軍曹にとっては、最高の褒め言葉(笑)
来年出場する方へ、何が起こっても怒ってはいけない。鬼軍曹の思う壺である。むしろ、ゴールした時に、「こんなもんですか?楽勝でした」と言ってもらいたい。
それが今回、私から最も伝えたいことである。
夢と現実の間
ゴール後、約1時間後に始まるアワードパーティ。
ここで順位が発表される。
私は、速攻で風呂に入り。パーティ会場へ急いだ。
Legendチームと同じ席でパーティを楽しんだ。
順位発表
1位 Bend Racing Skindoctor
2位 蝦夷モモンガ123
3位 ラッセル隊
4位 ふきのとう by モリシャン
5位 teamKOKAJI JASO
6位 Sleeping Sheep
そして、アワードパーティー中にゴールした
7位 Ultra GARLIC
他の15チームは完走できず参考順位となった。
結果、雷電山に入り超えられなかったチームは皆完走できていなかった。Legendチームも雷電から折り返したとのこと。
今回は本当に厳しいコース設定で、天候も悪かったことが、完走率を押し下げた。
そんな中、我がteam KOKAJI JASOはTA6こそ行けなかったが、完走できたことは、誇れる結果だったと振り返る。
これも、やはり、沢の女神 泉さんと地図読みの天才 双樹さんの2人の貢献はとても大きい。
そして、レース前半、後半で常にチームを引っ張てくれた特攻隊長のオーリーさん。
この3名がいたから完走までこぎつけた。
まぁ、私がいたから、ギリギリ完走というレベルに押し下げてしまったかなぁ。
クライミングの準備を1ミリもしなかったし・・・
MTBも1度も乗らなかったし・・・
パックラフトは前回のアドベンチャーレース依頼だし・・・
カフェイン抜きもしなかった・・・
アドベンチャーレースの準備という準備を一つもしていない。本当に舐めたもんである。
ごめんみんな。
そんなこと思いながら不覚にもパーティー中に爆睡してしまった(笑)
オーリーさんの無邪気な笑顔がたまらない^^
そして、田中正人さんの総評を聞いて、パーティは終了。
泉さんと双樹さんとはここでお別れ?(あまり記憶はない(;^ω^))
そして千鳥足で宿に向かう。
まずは眠たいので、昼寝をしてから、装備品の片づけをしようと思い、部屋に入りベットになだれ込んだ。
数秒後、眠りに落ち・・・眠りから覚めると、4時。
起きた当初は、緊張して寝れなかったのかなぁと思っていた。
ちょっと飲み過ぎたので、カラダが重い。
さて、片付けするかぁと起きて、少しずつ状況がわかってくると、朝だということに気づく。あぁ12時間寝たのか。。。
そこから昨日着たウェア、レイン、ザック、シューズなど風呂場で洗い、一息つく。
オーリーさんも起床し、MTBを取りに行き、一緒に洗い。それぞれ帰り支度を始める。
オーリーさんは先に帰り、私は、11時にチェックアウトをして、運営の方々がいたので、挨拶をして会場を後にした。
今回のNISEKO EXPEDITION 2023は、本当に凄まじく厳しいコースであった。世界基準のコースだったと言えるのではないか?
優勝したBend Racingもタフなコースだったと言っていた。
そんな凄まじい経験をするとレベルアップが半端ない。レベル1の人間がいきなりメタルスライムを倒した感じである。
しかし、ゴール後、「もうアドベンチャーレースはやらない!」と豪語した私。現実問題、世界基準のこのコースに挑戦するだけの準備をするためには、相当の覚悟が必要である。それをまた来年できるのか?
そんな中、メンバーに恵まれて、完走できた。
このチームでもう一度チャレンジしたい気持ちも芽生えてくる。
夢の世界のことは美化されてしまう。。。
この複雑な感情。どう表現していいのかわからない。
どうするオレ。夢と現実の間で行ったり来たり(笑)
これが、アドベンチャーレースの余韻というもの・・・
とりあえず、フルマラソンでサブエガ(2時間50分切り)を達成してから次のことは考えることにしよう。
答えは藪の中。とは言え、蛇の道は蛇。
来年もNISEKO EXPEDITIONは開催されることは間違いない。
Thank you for NISEKO EXPEDITION運営チーム、撮影隊、ボランティアメンバー、そしてアドベンチャーレーサーのみんな。
夢のようなひと時を過ごすことができたことに感謝。
最後までお読みいただきありがとうございました。