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NO PACER, NO SUPPORT(tentative)
半年以上ぶりの更新となりました。
私のnoteに注目している方なんていないと思うのでまあいいや。
書いていなかった理由は特にありません。あれやこれやのせいではなく、インスタなどで完結してしまっていたので書いていませんでした。
では、今回は10月10日、11日でおこなわれたKOUMI100についてのレポートです。
去年の信越五岳100mile以来の100mileレースです。
結果は、35:27:22 102位でなんとか完走しました。
レース概要はいろいろなところに書いてあるので簡単に。
距離35km×5周=175km、制限時間36時間(4周目関門28時間)、累積獲得標高7650m(私のsuunto9)
今回感染症対策としての重要なルールがこちら。
エイドとして大会サイドで用意するものは、ペットボトル(水)のみ。メイン会場/エイドステーション2ヶ所で合計3ヶ所(周回で5ヶ所、各ヶ所で500ml 1本程度)。
メイン会場では、ペットボトルを受け取り、車/テントで各自の補給食などをとってください。
食べ物エイドなし、スタートゴール地点でセルフエイドということになりました。
僕はあまりジェルが食べれないためエイドの食べ物頼みで過去レースを完走してきました。なので食べ物エイドがなくちょっときつくなるだろうなと。
簡単にレースまでの行程。
前日9日、午前仕事ありレンタカーで向かい、そのまま小海へ。ここで忘れ物に気づく。
バーナー、クッカー。セルフエイドのためお湯もない。カップヌードルを食べようと買っていたが火がない。竜王のアウトレットのモンベルで購入。
小海についたのが17時ごろ。受付を済ます。
八峰の湯へいき、ご飯お風呂にはいる。
予約していたすぐそばのキャンプ場で車中泊。台風は逸れる予報だが雨が強い。OSJによると19時ごろ開催をするかどうか判断されるとのこと。正直もう中止でもいいかなとこのときは思っていた。
するとFacebookに。。。
【OSJ KOUMI100開催】
予定通り、開催します。
はあ。。まじか。。。早く寝よう。
が、ここでレンタカーの失敗が。日産のnoteだかなんだかでコンパクトカーすぎてどうやってもうまく寝れない。雨音もうるさい。多分一時間に一回ぐらい起きた。
寝不足のまま翌日。スタートは朝5時。3時過ぎに起きてだるいながら準備をする。
そして4時ごろ会場へ。セルフエイドを車にするかテントにするか迷った結果、レンタカーを汚さないためテントを張り荷物を移動。
けっこう準備に時間がかかり準備が終わったのがスタート20分前くらい。
いつもなら知り合いに挨拶をするが、暗いのと雨でフードかぶっているのと密を避けるため誰が誰だかわからない。
5時になり選手が集まりスタート。
試走なし、初参戦のため一周目はコースを知ることに専念。絶対に飛ばさない。
最初はロード。途中から林道。ここまでは渋滞気味。予想通りなので気にしない。
林道を7kmぐらい歩いた後、広いロードに出る。ここでみなさん飛ばす。これも予想通り。1周目なので気にせずマイペースで。
二年前の奥三河で宿が一緒になり、知り合いのランナーと林道から一緒に走る。その知り合いのチームメイトの方とロードを走り、あっと言う間にトレイルへ。
さあニュウまでのトレイルどんな状況だったか。
まずトレイルに川が流れている。おいおい。水を流して流れるところを走ろうと私が尊敬するランナーが言っていたが、川が流れている。前日から降り続いているからこれも少し予想していたが。
ニュウのトレイルは走れない。通れないところはないのだが、整備しているのかしていないのかギリギリのラインを攻めている感じ。ものすごくいい表現にするとワイルドなトレイル。
僕のイメージは、北八ヶ岳は苔生して優しい木漏れ日があるようなトレイル。そんなイメージは消え去った。
ニュウのちょっと下が最高地点。ここに近づいていくと沼がある。
今回のKOUMIは泥んこレースだったと聞いたかもしれないが、あれは泥ではない。
沼だ。
人によっては落とし穴と表現していた。うん、その表現もあっている。5箇所ぐらい沼があるのだが、最後の沼が落とし穴だった。175cmの僕だが、膝までつかった。女性は大丈夫だったのか。
最高地点の分岐でスタッフがいる。このスタッフの方、この雨でこの場所で、最後までずっといた。本当に感謝。
下りはテクニカル。泥と急斜面でうまくやらないと止まれない。上手な人は泥を滑りながら降りるやつ。去年のUTMFを思い出す。
下りをすぎるとけっこう気持ちいいトレイルがありロードへ。ここも飛ばさずじっくりと走る。最後は走りやすい林道。2kmぐらいロードを走り、ゴール地点へ。
一周目
6:02:19 302位。
6時間ぐらいのつもりだったので予定通り。
さあエイドワークはNO SUPPORTのためとても重要。メイバランスを二本のみ、ブリトーを流し込み水を変えトイレに行きすぐに出る。それでも10分かかった。
二周目は、渋滞もないためよりコースがわかる。わかったのは最初の林道が長い。ずっと上り基調の林道を7kmぐらい。ここをダラダラと歩くと一時間半ぐらいかかってしまう。適度に走る。
二周目のニュウのとりつきあたりでRDの滝川さんにあう。
滝川さんが「あとここ4回だけだからねえ」
笑えない冗談をあっさりと言うのがこの方の魅力であり、日本のトレランが発展したのだろう。
ニュウの上りは止まらなければOK。一度止まったら心が折れる。
さらに深くなった気がする沼にはまり、最高地点へ。
テクニカルな下りを慎重に下りロードへ。ロードで足が響くのに気づく。
今回シューズはsalomon sence 4 proを履いた。
トレイルはとても調子いいが、ロードが痛い。おそらく泥や水で重くなり、違和感があるのだろう。
このロードでもう一つコースのポイントがわかる。
エイド稲子湯から本沢温泉入口までの5kmぐらいのロード。最初は下りだがその後4kmぐらい上る。走り続けるにはそこそこの斜度。歩くと一時間ぐらいかかる。
だがこのロードは早いランナーが三周目に行くのを見れる機会でもある。みなさん早いし応援しあう。小海のよさだ。
林道、ロードをそこそこに走りゴール地点へ。
年末の穂坂のイベントとウルトラギアマーケットで少しお話をし、最近ボトルショップを始めたJJさんが声をかけてくれる。「怪我しないように気をつけて」もしかしたらチームメンバーでどなたか怪我したのかな。
二周目は6:38:35 217位
ここでシューズをaltra timp1.5にチェンジ。
正直timpは履く予定がなかったが、ロードのことを考えて変えた。
足首テーピングを外し、靴下も変える。
近くのテントから「豚汁食べたいそうです」と言う声が聞こえてくる。いいなあサポートある人は。お湯を沸かしたいがそれすらも面倒だ。
1周目より補給、ヘッドライトなど準備をしっかりし、3周目スタート。エイドタイムは26分ほど。やはり時間がかかる。
timpに変えてロードが楽になった。シューズを変えて正解。
夜になりヘッドライトをつける。最初の林道が長く感じる。
ロードに出ると眠気がくるようになってきた。
アスファルトの地面が魚の鱗のように見える。これはすこしやばいぞ。
トレイルにいくと危険を感じ眠気がとれる。ロードに戻ってきて眠気がやばい。
稲子湯エイドまで眠い。長い。エイドには悪魔の誘いの焚き火があり椅子があり少し座り込んでしまう。
スタッフが声をかけてくれる。「眠すぎます」と言うと、「パワーバーのカフェイン入りグミがありますよ」と言われ、いただく。コーラ味でなかなか美味しい。
次のエイドまでなんとか行こう。しかしポイントにあげた上りのロードで眠気がピークに達する。立ち止まって寝てしまう。道路の端から端まで蛇行している。歩きながら寝ているのではなく、寝ながら歩いているに近いので本沢温泉までまったくたどり着かない。
やっとの思いで本沢温泉エイドにたどり着く。やはり椅子に座ってしまう。ここまでの歩きでやめる理由を100個考えた。時間がかかりすぎてしまっている。4周目関門がこのままだと危ない。
椅子に座り、いろいろなことを考えた気がする。たどり着いた答えは、
今やめても深夜2時。温泉はあいていない。泥泥のまま朝まで過ごしたくない。4周目走って間に合わなかったら仕方ない。でも脚も痛くないし、胃腸も大丈夫なのに眠いだけでこのままDNFするのはダサい。
そう思った瞬間、まさかの復活。林道をぶっ飛ばす。さっきまで歩くのもやっとだったのだが急にスイッチが入る。
そう、これだよこれ。ウルトラの醍醐味はこれだよ。
メインライトの予備バッテリーを持ってき忘れて、ライトが切れかけている。ウエストのサブライトだけで走りあまり見えないが、それでもこける気がしない。飛ばせる。
林道7kmをとにかくかっ飛ばし、ロードもスピードも緩めずゴール地点へ。滝川さんがmcでいい走りだねと言ってくれる。
三周目は、8:22:57 189位。
このタイムは完走したなかでビリだ。
雨が上りレインを脱ぎ、ニュウのトレイルで素早く行動するためストックを置く。7分ででる。トイレに行くときに大好きなレース、スリーピークス八ヶ岳言い出しっぺの松井さんに会う。頑張ってねと心配そうに言ってくれる。この時間ならそりゃそうだ。
4周目関門は、残り6時間50分。二周目と同じぐらいでいかないと間に合わない。
4周目からはペーサーを付けられる。ぼくはNO PACERだ。
これが一番重要なポイントとなることになるとはこのときはまだ知らない。
ロードをとにかく飛ばし、ポイント1の林道を出来る限り走る。ここで歩いたら間に合わない。
途中、チーム100mileの選手のペーサーをしているJJさんに会う。知り合いに会うと元気になる。
ロードに出る。しかしロードにでると眠い病が発症中。またスピードが落ちる。そしたらJJさんが後ろから追いついてくる。JJさんが再び声をかけてくれる。「眠いです」というと、その選手も「眠い」とのこと。
JJさんが「さあ起きて、走るよ」と引っ張ってくれる。
眠いがJJさんについていく。するとだんだんと目を覚まし、JJさんにお礼をいい、再びロードを飛ばす。
ニュウの上りに入りパワーウォークで一気に上がる。トレイルは眠くならない。周りにランナーがいないので集中する。
4回目の沼にハマり、最高地点へ。
ここで男性が選手、女性がペーサーの二人組に会う。
ペーサーの女性の下りがとても上手。テクニカルな下りをもろともしない。選手はくっついていく。すごいなあと感心しつつ少しでも追いつこうと頑張る。
ロードに出るとその二人が少し休憩をしている。女性が「一緒に行きますか?」と声をかけてくれる。
「はい!お願いします」と返す。
「このままいけば間に合うよ」とペーサーが言ってくれる。
「下りめちゃくちゃ早いですね」というと、信越110kで女子入賞していると聞かされる。どうりで早い。
この二人、東京の有名なランニングチームのお二人だそう。上りのロードでも選手が「あのガードレールまで走る」と言うと「OK」とペーサーが引っ張り走り出す。僕もなんとかついていく。
あの魔のロードも出来る限り走る。さっきは絶望的だったな。
ロードをなんとか走り切り、林道にたどり着く。相当ロードで疲労したためさっきとは違い、二人についていくのがやっとである。
僕らと同じように関門ギリギリランナーがそれぞれ頑張っている。ペーサーとランナーが入り混じる。面白い。
林道を走り切りロードに出ると6時間20分ほどで走ってきた。これで関門を突破できることを確信。最後の一周に向けてゆっくり歩きゴール地点へ。
松井さんがいてくれて、「よく間に合ったね」とハイタッチしてくれる。すごく嬉しい。
滝川さんのmcで迎えられ4周目終了。
四周目6:39:24 14位
ギリギリ関門の人が区間順位14位って笑。名だたる100mileレーサーがいる中でこの順位はびっくり。
最後の一周。よく晴れている。暑くなる。下着とシューズ以外の全てを変える。最後は短パン、ノースリーブでスタート。残り八時間。
ポイント1の林道は歩く。今までの雨が嘘のように穏やかな林道だ。五周目に入った人だけが味わえるご褒美か。
ロードの下りは走る。8時間あるとはいえ油断できない。
トレイルに行く前にランボーのリョーさんに会う。
リョーさんはランボーのブログで過去二回DNFしているとのことなので今回にかける思いは相当あるはず。
トレイルの上りは僕の方が早いので先にいかせてもらう。
上っていると人が座り込んでいる。
「ここ下りるとどれぐらいかかりますかね?」と聞かれる。
「どうかしたんですか?」
「ハンガーノックになって動けなくなりました」
「もうけっこう上ったので上まであがったほうがいい気がしますが」
「上っても下りれる自信がないのでおります」
「けっこうかかるとおもいます。食糧ありますか?」
「あります」
「では気をつけて下りてください」
5周目で完走が近づいていても何が起こるかわからない。それが100mile。
途中有名なランナーサクさんを抜く。サクさんもあれだけ100mileを走っているがきつそう。あとで聞いたら幻覚がひどかったらしい。前に出たところでサクさんの近くに石を落っことしてしまい謝る。
最高地点近くの沼は、沼がくれば最高地点だという合図なので、5周目となると恋しくなる笑。
最高地点にずっといてくれたスタッフの方に、ここで会うのはこれが最後だ。
「ずっとここでいてくれてありがとうございました。」と言う。
これは道がまっすぐのRyuGさんが一昨年のKOUMIのレースブログに書いていた言葉だ。周回はキツイが、これができることが魅力だ。
トレイルを慎重に下る。ここを過ぎれば、危ないところはないので完走が見えてくる。
下り切ってロードに出ると車から声をかけられる。
「ん、誰?」
後ろにいるはずのリョーさんだ。
頭が回らず意味がわからない。なんで車に乗っているのか。
出た言葉はトンチンカンな言葉「もう完走したんですか?」
「トレイルで怪我して上りきらずおりました」
まじか。。。3回目の挑戦で、あとちょっとなのに。。。やはり100mileの怖さを再び知る。
「ここまでくればいけます。頑張ってください。」と辛い状況ながら言ってくれてリョーさんの分も完走する。
稲子湯エイド、本沢温泉エイドのスタッフ、分岐スタッフにもお礼を言う。魔のロードは少しだけ走る。もう眠くはない。
最後の林道へ。他のランナーもちらほらいてみんな最後の力を振り絞る。
ロードにでる。緊張の糸が切れたのか最後の最後でまた眠くなる笑
終わりが見えた。もう走れない。なんとか脚がここまでもってくれた。
ゆっくりと歩き、ゴールまでの道を噛み締める。滝川さんのmcが聞こえてくる。終わる。長いようであっという間の175kmだった。
ゴール地点ではみんな笑顔で迎えてくれる。
松井さん、RyuGさんが待ってくれている。松井さんが「ほんとよくゴールしたね」と声をかけてくれる。
顔馴染みがあるLDA-RCのメンバーがいる。今回は全員完走できなかったとのこと。完走できずともずっとゴール地点で待ってくれていた。
滝川さんのmc「ゼッケンナンバー31 イトイシュンペイ選手ゴール!!」に迎えられゴールする。
泣きはしない。ただただホッとした。
五週目
7:44:07 62位
ゴール後リョーさんが迎えてくれる。悔しいだろうが笑顔で迎えてくれる。写真も撮ってもらい、感謝を言う。
テントのところに着くと4周目引っ張ってくれた二人がゴールする。
二人がいなかったら完走できていなかっただろう。感謝を伝えたいが歩くのが遅く、見失ってしまった。
JJさんたちがゴールする。JJさんもずっと声をかけてくれて引っ張ってくれた。この後の温泉でも一緒になり話をしてくれた。
感謝の気持ちになるかわかないが、「ビール買いますね」と伝える。
念願の八峰の湯に行く。その後どこに行こうか考え、去年の三月まで住んでいた松本に行くことにする。
やっとの思いで車を走らせ、なんとか松本にたどり着く。
松本で友だちに会い、飲んでビジネスホテルに行き終了。
翌日完走したことをインスタにあげると、何人も速報見てくれていたと言ってくれる。僕を追っかけてくれた人がいるなんて。。。
https://www.instagram.com/p/CGN9mt3BkDg/?utm_source=ig_web_copy_link
KOUMIで自分と同じ京都に住んでいて京都のチームをサポートをしていた方がこんなことを言ってくれた。
是非応援したい!声かけたい!と始終気にしながらも18人のサポートに手一杯となりました😢
完走者・リタイア者を全て世話して撤収し終えバタンと車のドアを閉めた時に@shumpeiit さんゴールのアナウンスが聞こえ泣きました。会えなかったけどサイトのタイム見ながらずっと応援していたよ。
過酷すぎて次々にやめていく人たちを目の前で見てきたのでshumpeiit さんの粘りに感動したのです。
そっか。サポーターはサポートする人だけではなく、400人中300人やめる人を見たことに結果的にはなるのか。それは辛いよな。ずっと応援してくれたこともサポートだよな。本当嬉しい。
タイトルをNO PACER, NO SUPPORT(tentative)←(仮)としましたが、全くもってNO PACER, NO SUPPORTではありませんでした。
みなさんのPACER、SUPPORTのおかげで完走できました。
本当に本当にありがとうございました。
(トレイルと松本駅前の写真以外は、オールスポーツコミュニティさんで購入しました。長い間ずっと撮っていただき、自分では見たことない自分の表情を撮っていただきありがとうございました。)
今日の一曲
Caravan 「Strange Garden」