見出し画像

(3)Wストックの是非

いつのころからか、ストック(ポール)は老若男女の基本登山装備のように扱われていますが、私が登山をはじめた25年前くらいは、まだストックを持っているのは年配の登山者ばかりで、言い方はわるいかもしれませんが「杖」というイメージでした。

その「杖」のイメージが一転したのは「ノルディック・ウォーキング」や「トレッキング」なんて言葉が流行り始めた20年ほど前だと思います。それまでT字が主流だった持ち手がストレートになり、コンパクトに伸縮可能になる商品がどんどん出てきました。

ちょうどCWXのサポートタイツも流行り出し、タイツ&Wストックというのがナウい登山者でした。いま振り返ると折しも当時は富士登山ブームで登山をはじめた中高年が山を席巻していたから、体力や筋力に陰りが見え始めた中年の登山者にとっては「救世主」のようなアイテムだったかもしれません(いまその年代になったのでワカルわ~)。

登山雑誌でもそのスタイルが頻繁に掲載され市民権を獲得。あれよあれよと基本装備へと押し上がったのです。私も両手に持つのがカッコイイと思ってました。非力なのもあり、腕力で脚力への負担が分散されることに大いに助けられましたし、バランスを崩しよろめいたときに何度助けられたことか…。

しかし、日本の山に定着してくると問題も出てきました。ストックを持っているがために起きる事故や、登山道への影響です。果たしてストックは本当に必要なのか?

そこで第3回目は「Wストックの是非」を考えます。

この連載は、当たり前のことから山ならではのことまで色々ある登山マナーを再考していきます。そもそもよく理解していなかったり、昔から語り継がれてきたなかには、時代とともに解釈が変わってきた、あるいは不要なのもあろうかと思っています。

そこで、昭和の登山ブーム世代を先輩に持ち、平成の山ガールブーム世代を後輩に持つ私が、これまでの経験と体感から今の時代にフィットした解釈をしてみようと!あくまでも個人の解釈ですから、ここに書いたことを山で守っていない人を見かけてもその人が間違っていると思いこまないようにしてくださいね。

週1回更新(目標)、全50回(予定)でお送りします。自主出版化を目指します(野望)。ご支援よろしくお願いします。

第1回 冒頭より抜粋

ここから先は

1,832字 / 1画像
この記事のみ ¥ 100
期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?