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(23)アフターコロナも山小屋は予約しようぜ

通年営業する一部の山小屋を除いては夏~秋が営業期間となる山小屋、小屋によってはGWに営業する小屋もありますし、ぼちぼち小屋開けの準備が始まっている頃ではないでしょうか。

コロナ禍でほとんどの山小屋が経営の大打撃を受けたわけですが、そんななかでも感染対策の方針に法って営業をする小屋があったり、改築や整備をするチャンスと捉えて時間を使ったりと、逞しく、いや、身を削って数年を乗り越えてきたことと察します。

「with コロナ」期に山小屋が大きく変わったのは「完全予約制」になったことではなかったでしょうか。それ以前は「予約が好ましいけれど、予約なしでも泊めなくてはならない」という、昔の慣習を70%くらい継承したような営業をしていました。でも、昔とは違うやり方(食事を提供する、登山者層の変化など)で営業しているわけですから、働いている側にとっては正直とても悩ましい。

「予約しないで来る客」の数が分からないから、予想より増えればバタバタするし、少なければロスも出ます。宿泊するほうも、どうせ予約したってしなくたってギュウギュウになって泊まるのだから、別に予約しないでいいやとなってしまいます。予約しても後払いゆえにノーショー(連絡なく現れない)が多く、小屋は事故を疑い気を揉みます。そ、れ、が、コロナで変わったのです。

営業するために宿泊人数を減らさなくてはならなかったため予約は取りにくかったかもしれませんが、宿泊した人の話を聞くと皆口を揃えて「快適だった!」と言っていました。一昨年私がバイトしていた避難小屋、猛者が集まる避難小屋でさえも、簡易的な間仕切りをしただけで「快適だ!」とみなさん目を輝かせていました。小屋側が宿泊客を把握していることは、登山者の安全にも繋がると思います。

「山小屋って、こういうのが当たり前だよね」と登山者が暗黙して許容してきた不快なことが、「でも、このやり方で軽減できるなら、こっちのほうがいいよね」に変わり、小屋側のほうも「これが山小屋のやり方なんだ」と決めつけるのを止め、「自分たちなりのやり方」を模索した期間だったような気がします。

と、かなり前置きが長くなりましたが、あきらかに山小屋を取り巻く環境や価値観が次の時代に入っている。そのことに間違いはないと思っています。私は本当に今年の山小屋の動向が楽しみなんですが、それをさらに助長させてくれるニュースが先日たまたま飛び込んできました。それが「Yamatan」です!

「Yamatan(やまたん)」は、簡単にいうと「山小屋の予約サイト」です。
いろんな山小屋の予約がここからできて、支払いもキャンセルも全部ここで済みます。更新に手が回らない山小屋の見にくいHPを目を凝らして見ることも、出やしない電話をかけなくてもいいんです!

小屋側としても、電話に出なくてもいい、現地で現金のやり取りがないというだけでどれがけ負担が減らせるか…。考えた人、天才!っていうか、みんなこんなサイトがあったらいいなと思っていたはず。それを個人が行動で実現してくれた「Yamatan」には脱帽です。素晴らしい!嬉しい!私はこれが主流になる未来に期待します。

で、いまクラウドファンディングやっています。活動内容だけでも是非、ここから読んでみてください!

で、今回の【お山のマナーブック令和版】は(今さら感がすごいけど笑)「アフターコロナも山小屋は予約しようよ」ってことです。ここまでも長いけど、もうちょっと書きます!がんばれ「Yamatan」!

この連載は、当たり前のことから山ならではのことまで色々ある登山マナーを再考していきます。そもそもよく理解していなかったり、昔から語り継がれてきたなかには、時代とともに解釈が変わってきた、あるいは不要なのもあろうかと思っています。
そこで、昭和の登山ブーム世代を先輩に持ち、平成の山ガールブーム世代を後輩に持つ私が、これまでの経験と体感から今の時代にフィットした解釈をしてみようと!
あくまでも個人の解釈ですから、ここに書いたことを山で守っていない人を見かけてもその人が間違っていると思いこまないようにしてくださいね。

週1回更新(目標)、全50回(予定)でお送りします。自主出版化を目指します(野望)。ご支援よろしくお願いします。

第一回から抜粋

すみません、山小屋のこととなると少々熱を帯びてしまいます(笑) このニュースを見たときに何かすごく感激したんですよね。「こういう未来があったか!」って。でまた、いま予約できる山小屋(今後順次増えるそう)の面々を見ただけで「さすがだぜ!やってくれたぜ!」と嬉しくなりました。登山者のシェルター的な山小屋の意義や存在はそのまま

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