(10)海外登山で「メリークリスマス」は挨拶にあらず
今週末はクリスマス。イルミネーションに光り輝く街を歩けばクリスマスソングに包まれ…気分は誰がなんと言おうと毎年牧瀬里穂で走ってる。そのくらい我々にとって「クリスマス」というものは「こういうもの」というイメージが出来上がっています。
クリスマスって、小さいときからずっとクリスマスで、もう日本のカレンダー上の一大イベントのひとつになっていますよね。しかしながら恋人と過ごさないといけない気がする日になったのは日本独自の文化だという話はきっとみなさんもご存知だと思います。
私は登山ツアーの添乗でコロナ前までの10年間は海外で年末年始を過ごすことがほとんどでした。クリスマス、年越し、元旦と山のなかでツアー参加者だけではなく、地元や世界中から訪れている登山者と過ごして「なるほどね、そうだよね。それが正しいよね」と思ったことがあります。
というわけで、今回の「お山のマナーブック令和版」第10回は、そんな「日本のクリスマス」だけで育っていると知る由もない「世界のクリスマス」感覚をご紹介してみようかなと思います。自戒も込めた海外登山のマナーですが、世界のマナーと言ってもいいかもしれません。
日本だとクリスマスに誰かと会えば「メリークリスマス」と気軽に声を交わします。そこにそんな深い意味はなく、クリスマスだしせっかくだからという感じではないでしょうか。その感覚で、いやむしろ本場だしという気持ちもあって、海外ツアー中もクリスマス当日に誰かと挨拶をするときは「ハロー」「ハーイ」の代わりに使っていました。元々も「よいクリスマスを~」くらいの意味ですし、ほとんどの人が笑顔で挨拶を返してくれます。
「ユートゥ(あなたもね)」だったり「グッディ(良い日を)」だったりが多いなか、2割くらいの人が「サンキュー」と返してきます。そのたびに一瞬「ん?」と思うんです。「なんでありがとう?」
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