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(8)「てんくら」はわるくない

山小屋の小屋番していてお客さんによく聞かれるのは「天気」のことです。
数十年前は「明日どうなりますかね?」と一日に何十人もから尋ねられたものですが、昨年常駐していたときにはあまり聞かれなくなりました。スマホが普及したおかげなのでしょう。にしても、天気の話をするお客さんの口々から聞こえる「テンクラはAだった」とか「明日はテンクラはCなんだ」とか「テンクラ」とか「テンクラ」とか「テンクラ」とか…!

「テンクラ」ってなんのことだと同僚に聞いたら「てんきとくらす」という山のお天気が見れるサイトだそうで、近年ではだいたいの登山者がそれを見て山に来るそう。

中途半端に古いアタクシ、お恥ずかしながら知りませんでした。サイトを開いてみるとポップでカワイイし、天気予報ではなく、全国の名だたる山が数時間毎にA~Cの「登山指数」で判定されていました。なるほど~、見やすいし人気ありそう~。

とはいえ、「てんくら」の判定に一喜一憂、というか喜怒哀楽を露わにしている登山者を毎日眺めていると「そんなに信じているのか?」と怖くもなります。今どき天気図を見て自分で予報しろなんてことは思いませんが、「てんくら」に判断を委ね、責任を負わせすぎのような気がしました。

というわけで、「お山のマナーブック令和版」
第8回は「お天気アプリを使うなら【ご利用上の説明】まで読んだほうがいいんじゃない?」です。かな?どうかな。

この連載は、当たり前のことから山ならではのことまで色々ある登山マナーを再考していきます。そもそもよく理解していなかったり、昔から語り継がれてきたなかには、時代とともに解釈が変わってきた、あるいは不要なのもあろうかと思っています。
そこで、昭和の登山ブーム世代を先輩に持ち、平成の山ガールブーム世代を後輩に持つ私が、これまでの経験と体感から今の時代にフィットした解釈をしてみようと!
あくまでも個人の解釈ですから、ここに書いたことを山で守っていない人を見かけてもその人が間違っていると思いこまないようにしてくださいね。

週1回更新(目標)、全50回(予定)でお送りします。自主出版化を目指します(野望)。ご支援よろしくお願いします。

第一回より抜粋

みなさんは登山に行く前にどうやって天気を調べて、行くか行かないか判断していますか?

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