半年前にサービス開発を学んだ学生が、クックパッドマートで走った1ヶ月の記録
すみっこです。工学部のかたすみでデザインをしています。
2月半ばから1ヶ月間、クックパッドマートに就業型インターンとして受け入れていただきました。
このnoteでは、わたしの取り組みと学びをご紹介します!(公開にあたり、クックパッドさんにご確認をいただいております)
前提として、わたしは昨夏のサマーインターンに参加していました👇
わたしにとっては、上記のサマーインターンがサービス開発の手法を学ぶ最初の機会でした。当時はプログラムをこなすのに精一杯で、各プロセスのアウトプットはガタついていました。
その後の半年間、当時学んだことを自主制作や他社インターンで実践してきました。特に変化があったのは、どんどん形にして人にみせるようになったところ。夏よりはパワーアップした状態で再挑戦です!💪🔥
現場での動き方
わたしは毎回出社していました。稼働日にして15日という限られた時間の中で、できるだけ周りの動きを捉えたかったからです。
この章では、意識していた動き方と反省点をご紹介します💁
1.どんどん書く・聞く
分報に考えていることを垂れ流したり、GitHubのissueに進捗を起票したり、日報をつけたりしていました。分からないことはslackで質問すると、いろいろな方が「こうだよ!」「ここをみると良いよ!」と教えてくださいました。時には呟きレベルのことを掬っていただくことも…感謝です😭
できれば、非同期で反応しやすい仕組みをもう少し整えておくとよかったと思います。作業用のfigmaは荒れたままの所があったり、issueは自分しかassignしていないモノもあったので、更新するたびに分報に流すくらいしてよかったかもしれない(自分の整理になる程度に)。
そして、メンターのkayapさんには 毎日30分 1on1の時間を頂いていました。話したいポイントは日中にメモ📝 内容は取り組んでいる施策のレビューが中心でしたが、少し余裕のある時は、メンターさんのお仕事やデータの見方について教えてもらっていました(これが興味深かった!)。
席がお隣だったので、適宜質問したり、プロトタイプを触ってもらったりしていました。
2.煮詰まる前に形にしてあてる
これは、今回のインターンの目標として掲げていたことの一つです。夏以来どんどん形にしてみせるようにしている!と言いつつも、元来は脳内でこねくり回してしまい、アウトプットのスピードが出ないタイプです。
だから強制的にプロダクトベースで仮説検証せねばならん状況を作り出しました。例えば、プロトタイプを作り切る前からslackでユーザーテストへの協力を呼びかけて追い込んでいました(ご協力ありがとうございました!)。
この行動は自分の行動変容には大いに役立ったし、スピード感持って提案を仕上げる一助にはなりました。一方で、スピードに品質が間に合わなかったり、人に聞くまでもなく精査できたこともあったと思います。自己解決できる精度とスピードを伴わせていくことが今後の課題です。
課題に取り組んだプロセス
頂いた主な課題は、クックパッドマートのアプリインストールに対する初回購入率を最大化するというものでした。ざっと以下のような流れで取り組みました👇
まずは、何かしらの動機があってインストールはしてくれた人が、どこで・なぜ「いいや〜」となってしまうのかを探りました。
でも、インプット不足な人間が洗い出せる課題は 本っ当に高が知れていました。だから、アイデア出しとその具現化は並行して行い、社内でユーザーテストにかけていく中で取り組むべきポイントをみつけていきました。
そして、提案の一部はリリースし、その他はユーザーテストにかけました🚀
メンターさんに助けられながら、検証内容の整理やスクリプトを準備。見ず知らずの方にオンラインでインタビューをするのは初めてだったので、よくよく練習して臨みました…!
その結果、提案のアプローチは良さそうだけど、コンテンツが悪そう(初回向けではなさそう😫)という気づきを得ました。その後 検証結果に基づいて改善し、最終提案を発表しました。
やり直せるなら、はじめの段階で以下の行動をすれば もう少しスマート進められたかなと思います。
1.スコープとターゲットを定める
これは3週目以降でやっとできたことでした。アイデア出しと具現化を進めながらも、どんな状況の誰に向けてやっているのかがボヤけていて、アウトプットが迷走していたのです。
遅ればせながらも、最終的には以下のように考えて決めました。
今回の課題のスコープは(アプリのインストールはした人の)初回起動から注文です。そのプロセスは、以下の3フェーズに分けられると考えました。このうち、期間中に取り組める量も考慮し、起動からカートイン(画像中の1と2)に取り組むことにしました。
ターゲットは特定の目的が(わから)ない人としました。なぜなら、最も規模の大きな属性でありながら、道が敷かれていなかったからです。
例えば、特定の商品のLPやバナーから流入する人は、オンボーディング後にその商品が表示されます。一方でその他の人はホームに着地し、数ある商品から能動的に選ぶことになる、つまり体験が未整理だと捉えたからです。
2.手を借りて課題を深ぼる
これまでの初回向けの施策(過去のトライ)は聞いたのですが、課題感は聞いてみていませんでした。自分で考えなきゃ!と思い過ぎていたのだと思います。でも、入りたての自分がサクッと捉えきれない課題があって当然です。課題探しを0から奔走するよりは、人の手を借りてシュッと大枠と捉えて、確度の高そうなポイントを掘った方が 結果を出せたと思います。
もう一つの取り組みと成果
メインの課題とは別に、クックパッドマートで一定額以上購入しているユーザーに有料会員登録を案内するポップアップの更新をしました。CVR(有料会員登録数)が下がりつつあったためです。
そこで、以下の観点を踏まえて、画像のように変更しました。
ユーザーには「自分がひと月でいくら使っている」という自覚はあまりないと思われます。だからこそ「いくら以上使っているあなたへのご案内なのです!」という納得感のあるメッセージは引き続き大事にしていました。
結果的に、CVRを持ち直すことができました🎉 もちろんCVRが変化するファクターは今回の変更だけではありません。が、少なくとも下がらなかったことから、変更が有意義だったと評価できるかと思います。
ちなみに、わたしはこの手のクリエイティブ制作力が未熟です😓
クックパッドマートには、プロダクトの表現に関するガイドラインや、クリエイティブ制作の具体例があります。わたしはこれに大いに助けられながら制作しました。複数人が一つのプロダクトで一貫した体験を届けるために、こういったリソースが整っていることの意義を実感しました。
学んだこと
ここまでにも学びが溢れていましたが、まだ触れられていない2点をまとめて締めたいと思います😌
1.効果を想定する意義
何をするにしても「これをすることでどれくらい効果を得られるのか」「いつまでにどれくらいの目標を達成したいのか」という想定があまりできていなかったんです。「具体的にどういう状況に持っていきたいから…」という逆算ができていなかった=ゴールが不明瞭だったということになります。
リソースが無限にあればなんでもやってみられるけど、現実はそうではありません。施策オーナーともなれば、その施策を打つ意義や優先度を議論する上で、効果の観点でもコミュニケーションをとると教わりました。
2.しつこくユーザーになることの大切さ
わたしはクックパッドマートを1回しか使ったことがありませんでした。それも、サマーインターンで頂いたクーポンで友人へのプレゼントを買うという 超エクストリームなユースケースでした😇
この機会に初回の体験を社内ブログに書き残しつつ、毎週使いました。
体験から得た所感は随時書き留めました。今回の施策に直結することこそ無かったのですが、ただアプリを触るだけでなくて、実際の利用文脈の中でしか見えてこない気づきが大いにありました。
さいごに。
今回は課題に取り組むだけでなく、定例等にも現場のデザイナーさんと同じように参加させてもらっていました。サービス開発のリアルな現場に触れられた貴重な経験でした😊
そして、わたしがUIデザインを志した頃から一方的に師としてきた方々と一緒にお仕事ができて、こんな日は来るのだなと思いました。
でもこれは始まりです。ある意味やっとスタート地点に立ったのです。
今回の経験も余すことなく消化吸収して、がんばってまいります💪
お世話になったみなさま、ありがとうございました!!