ホスピタリティとテクノロジーは相反するものか?~ミライノオミセ 接客の飲食DXを聴講して~
突然の議題ですが、単語から感じるイメージだけですと、ホスピタリティは人の温かさを含むもの、テクノロジーは無機質なものという印象を受けますよね。
先日弊社のCSO山口成一が登壇したミライノオミセ オンライントークセッション(FOOD STYLE Kansai2022、一般社団法人レストランテック協会)では、接客とテクノロジーの各分野のエキスパートの方々がこの「飲食DX」について熱い議論を交していらっしゃいました。
【セミナー登壇者様】
1月13日(木) 14:30〜15:50「接客」
近藤 真紀 氏(ソフトバンクロボティクス株式会社 プロジェクト推進本部 担当部長)
遠山 啓之 氏(株式会社LEAD LIVE COMPANY 取締役副社長)
中谷 一郎 氏(トリノ・ガーデン株式会社 代表取締役)
山口 成一 氏(株式会社Mt.SQUARE CSO)
■接客とは?
コロナ禍の前までは人が行うおもてなしが最上級のものとされる風潮でしたが、コロナ禍で非接触や非対面が推奨され消費者側の意識も変わりました。わかりやすく言うとデジタルアレルギーが一気に払拭されました。またはデジタルネイティブの世代にとっては、もはやタッチパネルでの注文やモバイルオーダ―等が充実している方が快適な店舗だと感じるのかもしれません。
そこでこのトークセッション「接客×テクノロジー」において、まずは「接客」とは何であろうという議論が交わされました。その結果、何をしたら接客として合格なのかという事ではなく、結果的に「目の前の客様に喜んで頂く事だ」「お客様が笑顔で帰ることだ」だと結論づきました。
■そのためには何をすればよいのか?
そうなると、やはり臨機応変な人の対応が必要になるのではないか?と思われると思いますが、まさにその通りです。人による熟練度や経験、勘などに左右されるスキルだとは思いますが、経験の少ないスタッフさんでも、お客様をおもてなししたいという気持ちで『よく見る』ことが大事だと、接客の講演などを多く手掛けていらっしゃる遠山 啓之 様(株式会社LEAD LIVE COMPANY 取締役副社長)も仰っていらっしゃました。そんな接客のエキスパートの遠山様も「入店の一瞬でお客様の雰囲気をつかむようにしている」「おすすめしたドリンクを飲まれた後の一瞬の反応を見逃したくない」との事でした。
おもてなしのメンタルな部分と、よく見るという物理的な行動でホスピタリティは作られるのではないでしょうか。
『お客様を観察する時間』
時間的にも心理的にもこの「おもてなし」をする余裕を作るのが、テクノロジーなのです。
■人とテクノロジーができること
Mt.SQUAREがロイヤルホールディングス様の日本初の完全キャッシュレスレストラン「The Gathering Table PANTRY」のシステムを0から開発した時に目指していたことがまさにこれです。
飲食店で働く人が、本来の業務である「おいしい料理をつくること」「接客を楽しむこと」に注力できるお店作り。
その他の雑多な業務はすべてテクノロジーに任せる。
スタッフがワクワク楽しく働いている飲食店で、お客様をおもてなしする。これが接客×テクノロジーが成功するポイントではないかと思います。
同オンラインセッションでは、「飲食店の現場ではテクノロジーが入ってくる事に拒否感がある」という課題も出ました。これも、テクノロジーが人の仕事を奪ってしまうと誤認されているからであって、店舗の価値向上の為に人とテクノロジーがそれぞれの役割を果たしていくという考えにシフトしていけば、ミライノオミセを具現化できるのではないでしょうか。
登壇者山口成一のnoteはこちら