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短編小説【シガフタリヲワカツマデ】

赤潮の匂いで夏を感じる。山辺の草刈り機のエンジン音を共有するあたしたちに気づいたのだろう、左手の痛みが日増しに意識上に明るみにされていく。
「気づけ、忘れるな」。
選択肢を失わせると、彼はとうとうあたしと一体になった。
死が二人を別つまで、契約違反ではない。

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