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連載小説【ユグドラシル】Ⅰ・物理的超越言語【ニューヨーク編】

どれだけの人が自分の感情を言語化できるだろうか。どれだけの人が状況の説明に同じ言語圏の言葉を選んで伝えることができるだろうか。

物理的超越言語は物理的な何かしらに収めきれない限界の無限を物語っている。すべてはを科学化してしまうことを諦めろと物語り、目に見えるすべてを信じる現実主義者ほど愚かしく世の摂理に疎いことを指し示している。

信仰とは物理的超越言語であるから、神は科学化されることを避けている。ユグドラシルが心に育てることにも種が必要である。その一部分がトーラーに記され、天に伸びろとばかりに世界樹を比喩として引用している。

天に伸びるそのユグドラシルを登り尽くすことはできない。限界の無限を知らない人間ほど天に伸びるバベルの塔という現実主義に走りがちだった。

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