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7/16[Wrote by Kazuhito Rienn-inn]

分業分担は明確に決まっているわけではない。
けれど、めぐちゃんができることは決まっている。

こんにちは、はじめまして、梨園院和人です。ひとの漢字に仁を使っていたのですが、近親の兄ィにキレられたのであらためて和人にすることにしました。

今日から三連休、というよりも夏本番、夏休み本番、俺たちの出番!
と韻を踏むと今度はめぐちゃんにキレられそうなのでこのくらいにしておきます。めぐちゃんはラッパーに嫌悪感を抱いてしまっているので、まあ、誰のせいとは言いませんが、、、笑

めぐちゃんは世界一有名なアンオフィシャルさんです。
役目を越境しないことで白羽の矢がたてられたこともありますが、それ以上に彼女は引きこもりです。
「2日に1回家出るくらいがちょうど良いの」
と言わんばかりに、家からでたがりません。広くて住みやすい家に引っ越したこともまた災いしています、少なくとも俺たちにとっては。

「あたしは家で仕事ができる。しかも完結させられる」と言いますが、実際そのとおりなんですが、何の異論もないんですが、それでも勇姿をね、生で見て欲しいなあってボーイズハートにはあるじゃないですか、しかもアナリストご本人がどう感じるのかとかけっこう気にするんですよ、僕たち商売柄。

「アンオフィシャルで仕事させてもらってるのに、でかい顔して現場を巡回するとか教授かよ」
とか言いますけど、役目的にでかい顔して現場巡回してもらうと緊張感が保たれるとかそんなこともあるわけなんですよ。

「絶対行かないよ、混んでるもん」
ああ、うん、、、そうですよね。もはや閉口です。

俺とめぐちゃんは仲が良くも悪くもない。今まではそんなのんびりとしたお友達枠として誰よりも平和的に関係を築いてきたつもりです。
でも、つい数週間前だったかな、出会ってからはじめてめちゃくちゃでかい喧嘩をして、あれ以来俺はめぐちゃんに会うことを避けています。無論、めぐちゃんなんかはクソビビリだから、俺が出没しそうなところは事前にすべてチェックしてノートに書き込むほどの徹底ぶりです。さすがアナリスト、隙がない!

バツが悪いからだろうと思って俺が意地悪にも踏み込んでやろうかと考えましたが、彰仁に止められました。
「それだけはやめてくれ!!あのメンヘラがキチガイにトランスフォームする!!もう勘弁してくれ!!」
たしかに、、めぐちゃんの三段活用のトランスフォーメーションは第一形態がメンヘラで第二形態がキチガイ、第三形態は廃人です。

人見知りといえば聞こえがいいけれど、単純にビビリなんです。
感受性が豊かといえば聞こえがいいけれど、単純に神経質なんです。

勇都はこういう類の悪口を平気でいってもめぐちゃんは素直に聞きます。
でも俺や忠兼が言うと、瞬殺で第二形態にトランスフォームします。

「何が違うのかな?勇都わかる?俺たちが許されなくて勇都たちが許される理由」
「キラキラしてるかどうかじゃない?恵さん、キラキラ系はそれだけで不信につながるって言ってるし」
「仕事やめろってことか、、、?」
「知らないよ、うるさいなあ。自分で考えろよ、36だろ?」

長野県民はどうしてこんなに冷たいんだよ!!
俺は関東出身だけど、都会で生まれ育ったけれど、田舎の人間は優しいって聞いて育ったけれど、、、、なんなんだよ!長野県民は!!

イライラしながら仕事に向かう最中、卓からめずらしくLINEがきた。
早朝の連絡なんて本当に珍しい。
「俺、今からうんこ。何か用事ある?」
、、、、聞いてない。そんなこと一言も聞いてない。
既読スルーをする。
3分後
「俺、うんこしてる」
5分後
「出た」
10分後
「あ、やべ。手洗ってなかった」
15分後
「絶好腸←わかった?これ、わかった??」

ミュート機能って素晴らしいと思った。

その日からめぐちゃんや卓といった個人に対して考えることにした。

あれらは亜種である。
いつの日か忠兼が俺に忠告してくれたことを思い出した。

長野県民という括りで考えることをやめたのだ。
カオスすぎる。
ヤツら混沌である。


梨園院 和人








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