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連載小説【ユグドラシル】無料版

※1話は既刊済み内容です。後半2話目が新刊となっています。

1話---トーラーの例題的教則図書として創造された---


アダム、アダマン、イブとリリス。
アダムは善人、アダマンは悪人、イブは純粋でリリスは悪女。
ユグドラシルはある時代にあったトーラーの例題的教則図書だった。

4人の登場人物は神がトーラーのために創造した人間。創造者はすべてを知るが、人間はいつも何も知らない。正しさを試されている、正しさにのっとるよう試験をされている。
一見、上下関係をもったアンフェアな不条理に見えるだろう。しかし違う、しかし違う、神が伝え続けるのは、不条理の先にある真実へ到達する希望だ。
だから、アダムもアダマンもイブもリリスを見た時に私たちさえ試されている。罪があったときにいかに自分を重ねることができるのか、幸福があった時にいかに他人と重ねることができるのか。

4人には等しくルールが与えられた。そして管理することも与えられた。
1、神は唯一絶対で自分達の理解を超える存在であるが傍観者ではない
2、神と人間、人間同士の関係性の十字路に基づいて生活すること
3、言葉には神の秘宝を隠してある。探すことも無視することも選択肢がある
4、いと高き自分の人格に生じるのは義務であり権利である

1の戒律にはアダマンを、
2の戒律にはアダムを、
3の戒律にはイブを、
4の戒律にはリリスを。

この物語は家族の物語であり、恋愛の物語であり、社会秩序の物語であり、道徳観の物語であり、理想の物語であり、宇宙に導く地球の突先である。

2話---ユグドラシルの本懐---

ユグドラシルという世界樹を求めたトレジャーハンターはこの世の中にごまんといる。富を得た裕福な貴族ほどユグドラシルを求めて世界をくまなく調べ上げてきた。

ユダヤや中東にあるだろうと考える富裕層がアラビアの古地図を聖典として売買していた。国家の話ではなく、かつてより中東にはユグドラシルが隠されていると信じられていたからだった。

アダムもアダマンもイブもリリスもどこにでもいる。
トーラーの例題的教則図書として創造された4人の神の神秘の管理者は私たちの隣人でもあることをまず定義しておく。

同じようにユグドラシルも私たちの隣人として今隣に現存するであろう。土も木もないようなところにもユグドラシルは存在する。ユグドラシルは樹木の例えられるものの世界樹という名前であり、大樹を夢想させるものの過去の文献においても象徴的な偶像として大樹が描かれているだけであることに着目してほしい。

この連載小説のバナーにも埋め込んであるように、ユグドラシルの本懐を象徴的な偶像として伝えてきたのだ。視野を広げて象徴を描いた。誰がいて何に囲まれどこから手が伸びているのかーーーー。

シンメトリーに内在するアシンメトリーが人間の罪である。ユグドラシルは裁きの天秤ではない。ユグドラシルは憩いのオアシスでもない。

連載小説ユグドラシルの展開は多彩を極め、多様を求め、多種に巡らされていく。
安易な世間話に終始すると感じられた時、鈍感な心の鏡となるはずである。


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