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7/10【ひとりで泣きたいなら匂わせるなw】

「あたしは綾波レイみたいなメンヘラじゃないし、ネコみたいなわがままな存在じゃない。稲葉浩志が歌うような責任感のある強くて自立した女性なの。誤解を招くような言い方をしないで。自分の涙くらい自分で拭けます。勝手に弱い存在って格付けしないでくれる?ブランディングは自分でやってる。あたし、自営業なの、あんたに雇われているわけじゃない」

めぐからのクレームに面食らってしまった。

「それから、自分達がストーキングすることで私にどれほど迷惑がかかるか自分ごととして考えて。君たちだって現在進行形でストーキングされてるんでしょう?同じこと私にやってるんだよ?どうして同じことやってることに気づけないの?馬鹿なの?教会で何学んだの?聖書研究あたしより頻繁に出てたよね?実になってない自覚持てよ」

めぐちゃんの言い方は本当にきつい。

「それから、あたしの日常邪魔しないで。こんなことするためにわざわざ長野から出てきたんなら、出稼ぎでいいじゃん。今すぐ長野帰れよ。邪魔くせぇな、なんで成長してねぇんだよ、22年も時間やったのによ。何してたの?22年間。同級生で自分があたしの初恋の人だからってあぐらかいてただけなんじゃないの?お前よりすごいやつなんでごまんといるんだよ、調子に乗るな」

恵さんは昔は俺にこんなこと絶対に言わなかったのに。

時代の流れに戦々恐々としている。

これだけ言えるのならひとりで泣くことをそろそろやめてほしい。俺たちが同じ意見で無言で恵さんの訓示を黙って聞いていると、めぐみさんは、「で、これからどうするの?」
と語気鋭くいうから、俺たちはやっぱり答えとしては「あの、ひとりで泣くことはやめていただくためにご協力させていただければ」と言いたいのだが、青い目に睨まれては何も言えなくなってしまう。蛇に睨まれたカエルではなく、あの目は閻魔さんだと感じる。
有無を言わせない威圧感、あんなの女じゃねえよ、男でもないし、地獄の覇王でしかねえじゃねえか。

「とにかく今日は放っておいて。あたしのペース乱さないで」

朝イチで門前払いを食らった。

途方に暮れながら男三人連れ立って早朝の爽やかな緑道を散歩する。

「俺たちって女の子に、、、」
「大丈夫!大丈夫!!絶対に!女の子だけじゃなくて男子にだって人気あるから」
「だよね、、、!そうだよね!!!めぐが世界の中心だって勘違いしてるけど俺たちけっこう人気あるもんね!!」
「当たり前だろうが、兄弟!!あんなクソ女のひとことに右往左往してるほど俺たちは暇じゃねえんだよ!!現実に帰ろうぜ!あいつは地獄の閻魔だ、この世の人間じゃねえ!」
「だよな!!そうだよな!!やばいやばい、あのクソ女の呪術にはまるところだった。だいたいさ、泣いてるから心配で行ったのになんで怒られなきゃいえねぇんだよ」
「ほんとそれ!!来いって意味にとれるような微妙なこと言うから、わざわざいってやったのにさ!」
「あれだめだな、やっぱりこう、ひとりっこなんだよ。わがままで可愛い可愛いで育てられたか」
「すげえわかる。お父さん甘やかしすぎたんだよ」
「チョコレートばっかり買ってやったらしいよ」
「俺はアイスクリームばかり買ってあげたって聞いたけど?お父さんに直接聞いた」
「何言ってんの?wぼたもちだよ、あんこが好きなの。おじいちゃんも好きだったからって。小学生の時におじいちゃんが亡くなって、それで石碑建てたんだよ。。あ、そっか、恵さんのこと保育園から知ってるの俺だけだもんな。ごめんごめん」

メッセージが届く。三者三様自分の好きな音楽を着信音にしている。自己中でナルシストな俺たちの三者三様の音楽は言うまでもない。

「さっきはごめんね。調子悪かったの。夏だから。卓さんはわかるでしょ?昔から見てるから、、、」

卓が「ったく、しょうがねえな。あんころ餅でも買って行ってやるか」とにやける。

本当に気に入らない。長野県民はろくなやつがいないと関西出身の俺は再確認した。
めぐも卓も本当にむかつく。
だから、もう2度とかかわらねえ、、、、。うーん、俺優しいから今夜までにしておいてやるよ。関西の人間の優しさに感謝してほしい。

めぐは犬に例えられることがよくあるけれど、あいつが犬に似てるなんて犬に失礼だ。
あいつは閻魔、あいつはライオン、あいつは鬼、あいつは悪魔、あいつはクソ女。
※この発言は公式な発言ではありません。

wrote by Tadakane Sanjomiya




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