第参話 鳴らない、ラヂオ体操第一

タイトルはあまり気にしないでください。ここから6話続けてラジオ体操第一の動作分析をしていきます！

1. 伸びの運動

目的 背筋の伸ばし良い姿勢を作る

動作1 息を吸いながら腕を前から上げ
動作2 息を吐きながら腕を横から下ろす

動作1で行う運動｜使う筋肉
肩関節の屈曲｜三角筋前部・大胸筋上部・烏口腕筋・肩甲骨周囲筋の収縮
脊柱の軽度伸展｜脊柱起立筋群の収縮
胸郭の拡大｜外肋間筋・横隔膜の収縮

動作2で行う運動｜使う筋肉
肩関節の内転｜大胸筋・広背筋・肩甲骨周囲筋の収縮
脊柱の軽度伸展から中間位へ｜腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋の収縮
胸郭の拡大から中間位へ｜横隔膜・外肋間筋の弛緩

動作1を効果的に行うコツ >>

息を鼻から吸いながら腕を上げるとき、横隔膜の収縮と肩関節の屈曲運動が行われます。息を吸いやすくするためには、親指を上に向けて肘を伸ばしたまま腕を上げます。親指を上に向けることで、肩への負担を減らせます。

肩を最大に動かす（効果的な運動）ために、腕はまっすぐ耳につけるように上げてから、拳一個分くらい耳から離しながら身体を少しそらす（頸椎・胸椎・腰椎の軽度伸展）と良いです。このとき、鎖骨は回旋し、肩甲骨は上方回旋します。

肩が痛い場合は、無理に上げずにグリコのポーズくらいにするとよいです。

動作2を効果的に行うコツ >>

息を口から吐きながら腕を下ろすとき、手のひらを外側に返しながら親指は前に向けます（肩関節は内旋位となる）。肘を伸ばしたまま、手をなるべく遠くで回します。息をしっかりと吐き切りる（横隔膜・外肋間筋がしっかり弛緩する）ことを意識して、ゆっくり下ろします。

2. 腕を振って脚を曲げ伸ばす運動

目的 脚を元気よく動かし全身の血行を促す

動作1 かかとを引きあげ、腕を交差した状態から
動作2 腕を横に振って脚を曲げ伸ばす
動作3 腕を振り戻して交差しながら、かかとを下ろして上げる

動作1で行う運動｜使う筋肉
足関節の底屈｜腓腹筋・ヒラメ筋の収縮
肩関節の水平内転｜大胸筋・三角筋前部の収縮
軽度肘関節の屈曲｜上腕二頭筋・上腕筋・烏口腕筋の収縮

動作2で行う運動｜使う筋肉
肩関節の外転｜棘上筋・三角筋中部・肩甲骨周囲筋の収縮
肘関節の軽度屈曲位から伸展へ｜上腕三頭筋の収縮、上腕二頭筋の弛緩
股関節の軽度外転・外旋｜中臀筋・股関節外旋筋の収縮
膝関節の屈曲｜ハムストリングスの収縮
膝関節の伸展｜大腿四頭筋・大臀筋の収縮
足関節の底屈の持続｜腓腹筋・ヒラメ筋の収縮

動作3で行う運動｜使う筋肉
肩関節の水平内転｜大胸筋・三角筋前部の収縮
足関節の底屈位から中間位へ｜腓腹筋・ヒラメ筋の弛緩

動作1を効果的に行うコツ >>

少し親指に力を入れながらつま先立ちをします。足首を伸ばすとき、腓腹筋が先に最大収縮して、その後にヒラメ筋が最大収縮します。そのため、かかとをしっかり上げ切ることで、ヒラメ筋まで使えます。

腕は、胸の前で交差して、手は軽く握ります。肘は軽く曲げると力が抜けて良い姿勢になります。

動作2を効果的に行うコツ >>

手のひらは下に向けたまま（肩関節が内旋位となる）、腕は肩の高さくらいまで振ります。肩より上に上げてしまうと、上腕骨と肩甲骨で形成される第二肩関節での衝突が起こりやすく、痛める可能性があります。

脚を曲げるとき、体幹は真っ直ぐに下へ下ろすことを意識し、お尻が後ろに突き出ることを防ぎます。お尻が後ろへ突き出てしまうと、腰椎が過伸展となり腰痛を引き起こす可能性があります。

足はつま先を軽く外に向け、膝も外側に開いて曲げ伸ばししながら、つま先立ちをキープします。膝を曲げるとき、親指にかかっていた体重が小指側へシフトすることで股関節と膝関節を深く屈曲することができます。その後、かかとを上げた時に、膝も伸ばし切ります。伸ばし切ることで、大腿四頭筋の収縮がしっかり行えます。足関節の底屈と膝関節の伸展が最終可動域まで動かせることで、大臀筋が収縮できます。

動作3を効果的に行うコツ >>

肩の高さまで上げた腕は、力を抜いて下ろします。動作をするために、筋肉は収縮だけではなく弛緩という力を抜くことも行っています。弛緩も大事な作用です。

腕は、下ろした勢いを活かして身体の前で交差させます。このとき、動作は腕の重みで動いていたところから、肩関節の水平内転をする筋収縮（大胸筋・三角筋前部）へと移行します。

腕を下ろすのと同じタイミングで上げ続けていた かかと を下ろし、腕が身体の前で交差するのと同じタイミングで かかと をしっかりと上げます。かかとをドンと着くと衝撃により負担がかかるので、スムーズに（収縮と弛緩を上手に使って）脚の曲げ伸ばしをすることを意識しましょう。

To be continued...
まだまだ序盤戦

シン・ラヂオ体操とのシンクロ率…9.3%