2023年2月のSmartHRとアクセシビリティ
こんにちは。これはSmartHRプログレッシブデザイングループのオープン月報的記事です。アクセシビリティ向上に関連する取り組みや、その他トピックを紹介します。
最新のアクセシビリティ改善情報
2月はアクセシビリティ向上を含むリリースが5件ありました🎉
テーブルのソート機能の読み上げ改善、キーボード操作の改善など、さまざまなアクセシビリティ改善が2月もリリースされました!改善に関わったみなさん、おつかれさまでした〜👏
なかでも、 グラフ上に表示するツールチップの視認性を向上しました は、開発チーム外のメンバーと開発チームが一緒に取り組んだ改善です。この改善について、ちょっとだけ詳しくご紹介します。
改善「グラフ上に表示するツールチップの視認性を向上しました」について
この改善は、色覚特性をもつカスタマーサクセスグループの Shinobuさんが自分の特性を通して「普段プロダクトを使う上で見えにくいと感じている箇所」をピックアップしたレビューをきっかけに始まりました。Shinobuさんは、赤と緑の区別がつきにくい1型3色覚の特性を持っています。
Shinobuさんの当時のレビューは
グラフにマウスオーバーした際に数字と項目名が右側に表示されるが、項目名が白背景に色別で記載されており非常に見えにくい
濃い色の項目名しか見えていない
という内容でした。
ツールチップの背景色と文字色に最低限のコントラストを確保した今回の改善で、より多くの人が見やすいグラフになったのではないでしょうか。
SmartHRには色弱模擬フィルタ「バリアントール」があり、普段から手軽に色覚特性を体験できますが、実際に色覚特性をもつメンバーがレビューをしてくれたことは改善の大きな後押しになったと思います!ナイス改善です👏
アツかったトピック🔥
激アツなアクセシビリティ関連トピックを紹介します。
WORK and FESレポート公開
昨年開催されたWORK and FES 2022 で、ユニバーサルデザインアドバイザーの松森さん、シティライツ法律事務所 弁護士の高橋さんをゲストにお招きしたD&Iセッションのレポートが公開されました。プログレからはスピーカーでmaverickさん、モデレーターでmasuP9さんが参加しました。
当日のセッションでは、聴覚障害のある松森さん、法律の専門家である高橋さん、視覚障害のある辻さん、それぞれの視点からのダイバーシティ・インクルージョンについての議論が交わされました。詳しくはレポートをご覧ください。
「働くの学び舎」で訪問したトライデント専門学校さんによる授業レポート公開
SmartHRの“働く”をテーマに学ぶ・知る機会を共創するプロジェクト「働くの学び舎」、2月は愛知県のトライデントコンピュータ専門学校さんでUXとアクセシビリティの講座を実施しました。トライデントコンピュータ専門学校さんが当日の様子をブログで公開してくださいました。ありがとうございます!
めざせアクセシビリティマスター🧢
SmartHRでは、開発チームのメンバーがアクセシビリティについて学び実践する「アクセシビリティマスター養成講座」という取り組みを行っています。2月のアクセシビリティマスター養成講座の様子をレポートします。
2月も各チーム、アクセシビリティ向上に取り組みました🔥 昨年SmartHR アクセシビリティ簡易チェックリストに取り組んだチームは、WCAGの達成基準に基づく試験を進めています👏
2月にリリースした [給与明細一覧]のチェックボックスにTabキーでフォーカスしたときに、音声読み上げ(スクリーンリーダー)で従業員氏名が読み上げられるようにしました は、養成講座に参加しているメンバーが、チームで週1回実施している「アクセシビリティ改善会」で取り組んだ改善です。養成講座参加中のメンバーがリードしながら、チームメンバーとアクセシビリティ上の問題を探したり、眺めたり、実装を改善したりしています。課題を見つけるだけではなく、チームで改善&リリースまでできていて、とても有意義な会です👏
そんな感じで、SmartHRでは開発チーム主体で進むアクセシビリティ改善活動が増えています。アクセシビリティスペシャリストとしてこんなに嬉しいことはないです。引き続きやっていきましょう!
今月のアクセシびと🧚♂️
このコーナーではSmartHRのアクセシビリティ向上に取り組んでいる人を紹介します!今月のアクセシびとは、改善「グラフ上に表示するツールチップの視認性を向上しました」について で紹介したShinobuさんです。
Shinobuさんにお話を聞いてみました!
maiha: Shinobuさんの色覚特性についてmasuPと話したことがきっかけで、製品のレビューをすることになったそうですが、ご自身の特性に基づくレビューを依頼されたときは、どうでしたか?驚いたり、戸惑うことはありましたか?
Shinobu: とても嬉しかったです!普段はあまり色が識別できていないという状態が普通で、おそらくこういう状態だろうなと想像して自己完結させてしまうことが多いのです。ある意味「自分が我慢すれば or 頑張って拡大して解決すればいい」と諦めてしまっていた形なので、今回お話をいただいたことで、同じ特性を持つ方々のためにも諦めるべきではなかったと考えを改めてレビューに取り組むことにしました。
こういった観点の改善を「優しさ・配慮」という意識ではなく、「当たり前に」対応が必要だと動いてくれた開発サイドの皆様の姿勢がとても嬉しく感じました。
maiha: 実際にレビューをしていただいた内容について改善が進められ、ついにリリースされましたね!
Shinobu: されましたね!嬉しい!!
普段はお客様からご要望をいただきそのリリースをお伝えする側なのですが、自身のレビュー内容が実際に改善されてご連絡をいただいた時にはプロダクトの成長に携われたような気がして「SmartHRさん大好き❣️」という気持ちが溢れました。お客様の気持ちが分かってよりお客様対応に精が出そうです!
Shinobuさん、これからも一緒にガンガン改善していきましょう〜!ありがとうございました!
おわりに
先日発売された、SmartHRのアクセシビリティスペシャリスト masuP9が著者の1人である書籍「Webアプリケーションアクセシビリティ」の読書会をオンラインで開催します。
3月13日(月)13〜14時、以降は毎週月曜日の13〜14時で定期開催の予定です。みんなで本を読んだあと、感想・意見交換ができればと思っています。SmartHRのメンバーも参加しますので、一緒に読みたいよ〜という人は是非参加してください。著者たちも来てくれるそうです。
ご希望の方はconnpassからお申し込みください。お待ちしてます。ではまた来月〜!
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