続・狂気山脈アニメ映画化プロジェクトがヤバい

今回は別の意味でヤバくなってしまったそうで。

こちらはいい意味でヤバかった時に書いた記事です。

さ〜て、今週の「狂気山脈アニメ映画化プロジェクトがヤバい」は……

思ったよりヤバかった

そう上手くはいかんもんですね。

まあ正直に言うと、昨今の日本映画なんて原作ありの大人気作品で人気俳優主演に構えでもしないと儲からないんで、相当入れ込んでくれる富豪のファンとかいないと完成させるのも上映させるのも厳しいんじゃないかな〜とは思ってたんですけど、制作会社の問題でストップしちゃうとはなあ……。金あっても作業できなきゃなにもできないですからね。別に金もある訳ではないでしょうし。

ちなみに、これに伴って希望者には返金対応をするらしいですよ。

本人にはまだやり遂げたいという意思があり、プロジェクトが中止になると決まった訳でもなく、物理商品のリターンも完遂してる。がしかし、作品の完成目処が立たない以上、誠意しか届けられるものがない。

個人的には人の夢に金払ったらお礼にグッズもらえた状態のため、返金なんかいらんわい!と思っております。コメント見た感じ恐らく多くの支援者も同じ気持ちのようですね。しかしながらクラウドファンディングである以上、不信感を持つ人も少なからずいるでしょうし、客観的には返金対応は妥当なのかな。まあでもプロジェクト雑に終わらせて返金対応もしないオーナーとか普通にいるっぽいし、やっぱ誠実だなあとも思います。まあそれが普通か。

さて、狂気山脈アニメ化プロジェクトが本当の意味でヤバくなってしまった時点で、わたくしめにできることはなにもない。いや最初から金払って待つことしかやることはなかったので、プロジェクトが白紙になろうがなるまいがわたしができることは元々何もなかったのですが、アニメーターでもないし、アニメ業界に身を置いているわけでもない!(実は肩書きデザイナーだけど企業お抱え作業デザイナーなので)実に無力!

そんなわけで無力は無力なりにまたnoteでも書くか〜と思った次第です。

今更だけど素人が映画作ろうとしてんのってやばいよね

昔から映画の興行収入というのは製作費のだいたい3倍で黒字なんて言われていますが、仮に製作費が3億で目標興収9億としたら、これは国内映画なら普通に大ヒット作扱いの数字。今年公開作を基準で言うと某人気アイドル主演の漫画原作の映画の興収を越えなきゃいけないレベルです。

この数字もおそらく一昔前の実写映画を基準として、スポンサーや映画館との配分等、色々な要素を考慮した上でのもので、2024年現在のアニメ映画製作にかかる費用や利益分配率はわかりません。実際に必要な製作費や関わる人の規模、支払われなくてはならない人件費なんかは、業界人でもないわたしには想像もつきません。そんなわたしが聞き齧った映画業界の収益のイメージだと、なんとなく「絶対赤字だな」みたいな、そんなイメージです。

『狂気山脈 ネイキッド・ピーク』はCFで費用を集めてますし、まだら牛さん本人はポケットマネーぶちこんでるくらいなので、自分が1人で赤字な分には構わないでしょうから(たぶんね)、製作費の3倍の興行収入を目指す必要は別にないと思います。ですが、

この2年間(4年間?)で、何度も何度も色んな方から言われた言葉があります。

「登山モノも、クトゥルフ神話も、TRPGも、ニッチすぎて分かりづらい」

そのニッチな企画が、クラウドファンディングなどでこれだけの方に応援されとるやろがい……という悔しい想いはさておき……。

こういった、ホンマに売れるんか?みたいなイメージは、クトゥルフにもTRPGにも登山にも詳しくない、ただただ好きな実況者がたまにお世話になっているからこのプロジェクトを知った身としては、ものすごくわかってしまう。

これだけ盛り上がっているじゃないか!と制作サイドやファンの皆様が思っている以上に、界隈外へこの話題は広まっていないと感じています。少なくとも映画ファンの間で話題になってはいません。

しかしながら最近は無名監督と無名役者が集まって作った超低予算映画が口コミで大ヒット!なんてことがあり得る時代です。そもそもオリジナル作品なんてものは、口コミなくしては広がりようがない。

現時点で大ヒットどころか製作にとりかかることすらままならない状況で、一般オタクがすべきことってなーんだ?

お前が広報になるんだよ!!!!!

みんな説明むずいからって宣伝サボってない?私はサボってた。
というわけで、最後に申し訳程度にこの映画についての説明です。

『狂気山脈 ネイキッドピーク』

『狂気山脈 ネイキッドピーク』とは
“クトゥルフ神話”と登山を融合させたTRPGシナリオ
『狂気山脈 ~邪神の山嶺~』(作:まだら牛)を原案とするアニメーション映画作品

アニメ映画『狂気山脈 ネイキッド・ピーク』公式サイト

TRPG

TRPGとは、プレイヤーが自分で作ったキャラクターを演じ、プレイヤー同士で会話をしながら物語を進めていく対話型ゲームです……が、TRPGがなにかを知らなくても映画自体は楽しめるように作るらしいので、興味ない人は別に知らないままでも大丈夫なんじゃないですかね。わたしはアドリブ演技で進める人生ゲームみたいなもんくらいの認識でいます。

原典『狂気の山脈にて』

『狂気山脈 ~邪神の山嶺~』のシナリオの元となった、アメリカの小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説。

未知の山脈を開拓していく冒険譚に「クトゥルフ神話」という、架空の神話要素が加わることで、SFやホラーの雰囲気のある独特な怪奇小説として人気のある本書。この小説内に登場する「漆黒の山脈」。狂気山脈はこれに登るお話です。ネイキッドピークを『狂気の山脈にて』のアニメ化と勘違いされている方がいらっしゃるようですが、同じ世界の別(その後)の話というイメージが近いかと思います。

原典小説はこちらから無料で読めます。
コミカライズも読みやすくておすすめです。

※にわかなのでいろいろと情報が間違っている可能性があります。


作品に対するこだわり

映画『狂気山脈 ネイキッドピーク』は、TRPG人気小説登山という3パターンの入り口がありますが、そのどれもがマニアの存在するニッチなジャンルと言えます。そんな人たちに「こんなものは狂気山脈じゃない!」「クライマーはこんな動きしない!」などと言わせたくないことでしょう。そもそもまだら牛さん本人がその「マニア」に該当するため、自分を納得させられるクオリティのものを作らなくてはならない。

そうなると、山とかも創っちゃうんですね。

こちらはわたしがクトゥルフにもTRPGにも登山にも詳しくないくせにやたらこのプロジェクトを面白がることになったきっかけの動画です。面白いだろ、まだアニメ化できるとも決まってない作品の資料作ってるのに、楽しすぎて熱量おかしくなってるおじさんたち。

山を創るくらいなので、当然、クライマーを呼んで全角度から動画撮って素材集めたりするし、登山道具をありったけ揃えてひたすら使用方法を確認したりもするし、作品内で主人公が持つアックスを、アイスクライミング日本代表選手と共同開発もしちゃう。

先ほどTRPGについて、会話をしながら物語を進めていく対話型ゲームと説明しましたが、会話が軸となるからこそ多くのTRPGシナリオが「誰が遊ぶか」で面白さが大きく変わるものとなっています。誰がどんな気持ちでどんな選択をするのか。それによって結末がどう変わるのか。TRPGを見るのが好きな人はここを楽しんでいることが多いと思います。

そんなTRPGという遊びを原作としているこの作品は、ヤバめの山に登る登山アニメかと思いきや、キャラクター同士の人間関係や心の葛藤、成長、そして「狂気」を描くヒューマンドラマとなるんじゃないですかね。

わざわざ死ぬかもしれない山でなにかをすることを選択する奇特な人と交流が深いまだら牛さんが作る登山映画なわけですし、リアルな狂気を描いてくれるんじゃないでしょうか。

まだら牛さんのお友達の奇特さがわかる動画

この動画めっちゃ面白いので、この狂気山脈映画化のプロジェクトと関係なく普通におすすめです。


誰が誰に向けたなんの記事なんだかわからなくなってきましたが、わたしはもしかしたらこのプロジェクトを、プロフェッショナルとかザ・ノンフィクションとかガイアの夜明け好きな人に刺したいのかもしれない。とにかくわたしは1人の人間が1から映画を作ろうとする様子を楽しんでいるのだ。

まだら牛さんが諦める気がないと言い、ファンが何年でも待つと返すこの無謀な挑戦をこれからも無責任に見守っていこうと思います。責任を負いたい方は、出資やプリプロスタッフとして協力する道もあるようですので検討してみては。


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