#4. オピオイド過剰時のナロキソン使用方法/緩和ケア初心者のお勉強
こんにちは、緩和ケア初心者医師のMiMiです!
私の緩和ケアお勉強ノートを使って、
明日から使える、現場でのお役立ちネタを
まとめていこうと思います。
本日は「オピオイド過剰時のナロキソン使用方法」についてです!
<オピオイド過剰とは>
「意識障害」「両側縮瞳」「呼吸抑制」
オピオイド使用中に上記を認めた場合、オピオイド過量を疑いましょう。
オピオイドを増量していなくても、
原疾患の悪化や薬剤の毒性などによる、
急速な肝腎機能の増悪も原因となり得ることがあるので、
オピオイド使用中の意識障害の鑑別に挙げておくことが重要です。
もしオピオイド過剰になってしまったら、
ナロキソンによる拮抗が可能です。
ナロキソンはオピオイド受容体のアンタゴニストとして作用し、
呼吸抑制をはじめとする症状を回復させます。
しかし一方で、オピオイドの効果を無効化してしまうため、
疼痛が急激に増悪したり、
退薬症状を引き起こす可能性があります。
オピオイドの退薬症状とは、
「イライラ」「下痢」「鼻漏」「発汗」「頻脈」「高血圧」などで
「自律神経失調の嵐」とも言われます。
退薬症状としての「せん妄」もあるので要注意です。
「呼吸抑制のひっ迫度」と
「疼痛増悪・退薬症状のリスク」のバランスを考え
慎重に適応を検討しましょう。
<ナロキソンの使い方>
当院でのナロキソン使用方法の例は以下の通りです。
ナロキソンの作用時間は30分程度であり、
徐放性剤や貼付剤などの半減期が長い薬剤の場合には、
一度呼吸状態が改善しても注意深い経過観察が必要です。
オピオイド再開が不安な場合には、
まずはレスキューから再開してみましょう。
オピオイド過量による意識障害は見逃されがちですが、
可逆的な意識障害ですので、
オピオイド使用中はその可能性を疑えるようにしておきましょう。
なお、前回ご紹介したオピオイド換算アプリでは
オピオイドの換算・ローテーション方法に加えて、
ナロキソン使用方法もすぐに確認することができます。
もしよろしければ、ご活用なさってください!
オピオイド換算アプリ:スマホ画面のみ対応
https://www.calconic.com/calculator-widgets/opioid-calculator/5e6769b7a44264001e5b48a8
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.opioid.calculator
※ ダウンロードアプリの「OPIOID CALCULATOR」については、現在android版のみですが、今後クラウドファンディングを行ってiPhone版を開発する予定です。
次回は鎮痛補助薬についてです。
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