中年男がニコ☆プチを買うまでの話
2015年、男が歩いていると視界に突如としてこれまでの人生で見たこともない凄い美少女が飛び込んできた。しかもその美少女はこちらを見て微笑んでいたのだ。
気付いたら男は歩みを止めていた。男はスーパーの設置されたファッション雑誌のコーナーにて表紙絵(微笑みの少女)を眺めていた。
可愛い、まるで本そのものに恋をしたかのドキドキ感、中身を見たい衝動に駆られるが、その雑誌はバックやアクセサリー等の大きな付録アイテムを閉じる為に輪ゴムで縛ってあった。読むには買うか輪ゴムを外すしかない。しかし勝手に輪ゴム外すというのは実質商品の封を開ける行為であり、法的には器物損壊に該当し弁償しなければならない。必ずしもそうなるとはいえないものの店の人に迷惑だろう。
やるとしても人の目があるのではばかられる。ここは田舎のスーパーであり、知り合いにばれようものならロリコンのレッテル(事実としてロリコンだが)が張られ生きにくくなってしまうだろう。そうだインターネットがあるじゃないか。オンラインで買えばいいのだよ。しかしその男は貧乏だった。事故や事件、病気という度重なる不幸により金欠、インターネットを解約中だった。金を稼ぐまでしばらくは諦めるしかないのかと思った瞬間に悪魔がささやいた。
「輪ゴムをとって中を見ちゃえよ。そしたらタダだし買う必要もないぜ」
まるでコンドームのゴムを外すかのような背徳感に染まる。あるいは女性のパンツを泥棒でもするかのような禁断な道へと足を踏み入れるような気分
万引き一つしたことない真面目さを売りにしていた男。悪魔のささやきに屈することはなく、というか立読みする暇がなく、自炊の為の買い物をしてその日は帰った。
別の日、買い物する前に雑誌の表紙絵を見てエネルギーを貰った。良く見れば似たような美女の雑誌が複数あり、目移りしてしまう。ニコ☆プチ、JSガール、nicola、セブンティーン、ボップティーン、全てが滅茶苦茶可愛い美少女。
今日は少しだけ余裕がある。どれか一つを買うことができるだろう。しかし店員のところへ持っていくのは勇気がいる。妹が欲しがったから、あるいは娘が欲しがったから買っているだけの父さんです空気をかもしだしてレジに向かう事はできるだろう。しかし定価590円もする。できれば中身を確認してから買いたい。ちょっとゴムを外してめくるだけのことだ。男は周囲に誰もいないだろうかと見渡すが、その行為こそが不審者に見える。万引きGメンに見つかれば即でマークされるはずで
気を落ち着かせる為に一旦諦めて買い物に集中する。いつものようにレジを抜け、買い物かごを返そうとしたとき、見たこともない美人が目に飛び込んできた。
成人式の着物パンフレット。モデルさんが綺麗に撮影された芸術品のような絵が、なんとタダで持ち帰れるという。なんという事だ持って帰るしかない。
しかしこれも人にみられる訳にはいかない。あかさらさまに綺麗な女性だけを持ち帰るところをもし人に見られたらとどうなる? 不安に思った男はカモフラージュの為に店内にある全てのフリーペーパー及びパンフレットを持ち帰る事にした。
しかし男が帰宅したあと、そのパンフレットでオナろうとしたが逝けなかった。
持ち帰る際には逝きそうなくらいに魅了されたのにいざ堂々と逝こうと思っても逝けない現象に遭遇した。
そんな経験は過去に何度かあった。エロ本に発情して買ったはいいものの、いざオナろうと思うと買う前に感じていた衝動以上のものが得られなかった。それは毎回同じでいつも期待を下回る結果しか得られなかった。性根がロリコンなのも原因かもしれない。大人素材ではいまいちパンチに欠けるという話で
後日、スーパーに行くとパンフレットは新しいものに変わっていた。七五三特集と二分の一成人式特集だった。半分成人設定とはいえ、明らかに10歳よりちょっと上の12歳くらいのモデル絵。男にとってその年齢はドンピシャ世代。10歳も良いが12歳あたりは飛びきり好き。小学生が道に落ちた大人のエロ本拾うようなメンタルで、あるいは万引きしているような背徳感でこそこそと持って帰る。
しかし、その時もまた逝けない現象に遭遇する
きっとエロ本を手に入れるとはそういうものなのだろう。
そう納得した男は更に深く考えた。ニコ☆プチでも同じ事になるかもしれない。期待するだけ損だなと思った男は、ニコ☆プチを買うのではなく、立読みすることが正解なのではと推理するようになる。
その推理が正解が不正解かを確かめる為にもまず立読みする必要があった。
周囲を警戒し素早い動きで表紙のゴムを外してページをめくる男。
このとき男は感じた。表紙のゴムを外す行為はまるで女性の同意を得ないで無理矢理服を脱がしているような罪の意識があり、ページを一枚めくるたびスカートをめくってるようなイヤらしい気分になるという
男の特技には速読もあった。ページを早くめくればそれだけ高速で沢山の美女らが脳内にインプットされる。連続してインプットされる刺激について男はこう言うだろう。「沢山の美少女が脳内にあふれてハーレム状態。まるで夢見心地のロリコン天国。このまま速読しながら、股にバイブを挟んでれば昇天できるだろう」
男は雑誌に集中をしながらも視界も馬並みに(285度)外へ集中していた。人の気配を3m先に感知すると、素早く棚に本を戻した。まるで脱がせていた隣の少女に下着を着せて服を着せて何食わぬ顔でタバコを吸って一服するような悪人になったような気分で
少しばかり無駄な動きがあると思った男は発見する。ニコ☆プチとは別の雑誌を開き、その上にニコ☆プチを乗せれば外から可愛い表紙は見えない。間近で直接覗かない限り人からはばれっこないのだと。しかも男は身長が高い。180あった為に高い位置から読める。子供が近付いてきたとしても絶対に中身は見られない。
この行為について男はきっとこう語るだろう。「ニコ☆プチを読んでいるあいだは、まるで少女とカーテンの中でいちゃついてるような気分ですね。どんなイヤらしい事をしていてもカーテン越しには何をしているかは見えやしない。仮にちんこをまんこにぶちこんでても『一緒にかくれんぼしているだけなのです』の台詞で言い逃れができる気分なのです」
男はこの日が人生で一番エキサイトしていた日だったと語った。
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