魔王城突入 クロノトリガー
魔界との国境(魔岩窟)に総勢1000のガルディア兵が集まる。
カエルは魔岩窟を破壊し、グランドリオンの性能に改めて驚く。魔的に硬度が高められた丈夫な岩だが、その作用をグランドリオンが打ち消した。
グランドリオンがカエルに渡った光景は監視魔族のコウモリに見られていた。、事は魔界でも注目され、戦闘員の魔族が待ち伏せしていた。ガルディア軍が突入した瞬間、兵士達が自らを攻撃し始めた。仲間同士で斬り合いを始めた。
カエル
「人の心を操作する能力。マヨネーの仕業だ。
心を操るといっても完璧な能力ではない。
一度に操れる数には限度があるし、術に抵抗し抗う事も可能である。」
マヨネー
「いや~ん、カエルちゃんったら、私のこと
ご存知なのね〜うふ〜ん」
カエル
「マヨネーはああみえて男だ。油断するなよ。)
クロノ達は既に操られていた。抵抗するので精一杯で動けなかった。
カエルはマヨネーの術のターゲットにならない様に早いスピードで動き回っている。
マヨネー
「どんなに早く動き回っても、近付かないと何もできやしないわ。ワタシはここから誰一人通さない。」
カエルは
「だが力が、続かないだろう。1000人もの兵士の心、つなぎ留めておくなど何時までもできないはず」
「残念ね〜カエルちゃん!」
カエルの動きが止まり、勢い良く倒れた。
カエルの心もマヨネーに取られた。
「魔法陣って知らないの? あ、一応、そんななりでも人間だもんね…しかたないよね」
マヨネーは高らかに笑いながら講義を始めた。
「私達みたいな高位の魔族は、魔法陣を描いて、足りない魔力を補給するのよね。まあ難点なのが描いた図形から出たらその効力を失うことだけど。
だからカエルちゃんみたいに、いくら早く動きまわって私の狙いから逃れようとしても、私はそれを上回る魔力で狙いを補強して、捕まえちゃうの。
すごいでしょう、魔族って!
うふふふふw」
マヨネーが喋り終わると奥から魔王軍の兵たちが現れた。
「さあ、今がチャンスよ! 全軍一気に人間を叩け!!」
その瞬間マヨネーが吹っ飛んだ。
ロボは機械。マヨネーの術を全く受付けなかった。
ロボパンチが決まり、マヨネーは魔法陣の外に出た。瞬間、操られていたガルディア軍が自由になった。
マヨネーは一体何が起きたか分からなかった。
「え? 何? 何か起こったの?私魔法陣から出ちゃってる!? これじゃあ、無理ーー!」
怯んだマヨネーに音速を越えたカエルの攻撃が飛ぶ
マヨネーは乙女の叫び声をあげながら、光の中に消えた。魔王が与えた戦場から離脱する為のテレポート魔法である。カエルの強さは一万馬力であり、真正面からでは勝負にならない。待ち伏せしていた魔王軍らも全員マヨネーと共に光の中に消えた。
「まあ、いいわ。街の中に魔法陣は一杯書いてあるし、そこで迎え撃つとしましょー」
マヨネーの声だけが光の中から届いた。
しかしそれは嘘だった。マヨネーは街ではなく城でカエルを待ち伏せするつもりだった。いつどこにマヨネーが待ち伏せているか判らない中で警戒させ、神経をすり減らしていく作戦(精神攻撃)である。
ボッシュは地面に残された魔法陣を調べた。
古代で使われる魔法陣にそっくりであったが見たことがない図式だった。
【地面に書き込む魔法陣、及び、魔法陣を身体に刻み込めば魔法が使えない者でも魔力さえあれば、あらゆる魔法が使える様になる仕組み】がある。この技術は魔王が開発した訳ではない。古代の先人達が地球全体に施した術の影響から魔法陣が機能しているに過ぎない。古代では魔力を持っていても魔法が使えない人々も多く、その者達の為に魔法陣は開発された。魔王は古代ジールにてその仕組みを学んでいて、ラヴォスを目覚めさせる特殊な魔術の開発も基本はその魔法陣研究に費やされていた。
魔法陣は忘れられた文明技術でもあり、賢者のボッシュですら未知なる領域が多かった。
ボッシュが解読できたのは、マヨネーが使った魔法陣はマヨネー以外には使えないプロテクトが掛かっている事くらいだった。しかし残された魔法陣を書き換えて利用できる形にできるかもしれない。ボッシュは魔法陣の図を記録した。
マヨネーが魔王から伝授された魔法陣は大地(ラヴォス)からエネルギーを集めるものであり、その魔法陣の上にいると魔力が供給され、マヨネーの心を操るパワーがアップした。【心を操るといっても対象者が強い意思を持てば効果は限定的かつ一時的になる。】
ラヴォスエネルギーを得る魔法陣は禁忌とされ、開発者は封印を施していた。長い時の中で封印が解けてしまい、それを魔王が発見し利用した。
魔法陣技術について、魔王が魔族に与えた知識はほんの少しだけだった。特に身体強化に関するものは教えなかった。魔王にとっては雑魚の魔族達だったが、束になって謀反を起こされる心配があり、教える技術は役に立たない魔法。人に成り済ませる魔法やゴミ(死体)を操る魔法だけだった
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海底洞窟を抜けると東京の面積程の大陸と繋がり、魔界の地となる。魔族の人口は10万。、ガルディア人口の20分の1にも満たない。文化レベルは人間より500年程遅れていいて、地方都市が7つあり、中心の魔王都市に人口の一割、魔王城には100の高位の戦闘員配置されている。
どこにマヨネーが潜んでいるか判らない。
マヨネーの様な能力者が他にも複数いる可能性もある。
一人で真っ先に王都に向かいたいカエルだが、歩幅を皆に合わせた。
クロノ達はマヨネー対策としてカエルの側にロボを常駐させた。心を取れないロボはマヨネー対策のカギだった。
銃が開発された時代とはいえ、大量の弾や火薬を持ち運ぶのはデメリットでもある。兵士達は皆、銃だけでなく槍や剣も武装していた。
地方都市は森に囲まれた自然豊かな場所だったが、樹木が兵士達の視界を遮っていた。
クロノ達は魔力を感知する事ができた。、近くに潜む魔族の位置をなんとなく理解することができたが、同じような力を持つ魔族は多かった。
ゲリラ戦になることは予め想定していたとはいえ、魔族側もそれを想定し準備をしていた。
カエルにグランドリオンが渡って魔岩窟が破壊された瞬間、魔界全土の魔族たちは異変に気付いた。魔力で生み出した岩を破壊できるのは魔力を打ち消す力のあるグランドリオンだけだった。魔王は魔力であらゆる身体能力を高められた。グランドリオンは弱点でもあるが、それでもカエルにもグランドリオンにも驚異は感じず、興味は無かった。魔王がわざわざグランドリオンを破壊したのはグランドリオンからラヴォスの気配を感じたからだった
魔族は魔王から『グランドオンさえなければ人間は国境を越えられない』との説明を受けていた。
再びグランドリオンが復活したのであれば、グランドリオンが弱点になる魔族は戦いに加わりたくなかった。魔力を意識的、あるいは無意識に使って身体強化に利用していた種族は魔力を打ち消すグランドリオンの存在を恐れていた。魔岩窟が突破されたとの報を受けるなり、我先にと魔界から逃げ出した。
権力者は船で逃げ、権力のない魔族は空を飛んだり泳いだり、穴を掘ったりして逃げた。
クロノ達が地方都市に足を踏み入れる頃には半数以上の魔族が街から居なくなっていた。
マヨネーの一族もカエルとグランドリオンのダブルセットに恐れを成して逃げ出していた。魔王から特別な魔法陣を伝授されていた将軍マヨネー、その一人だけは逃げずに待機していた。魔王城の上から街を見下ろしてる。
マヨネー一族は厄介な敵である。出会った瞬間、先制攻撃で仕留めないと倒せない。
双眼鏡にてマヨネーの視界の遥か遠くからその位置を確認する。マヨネーの背後、マヨネーの死角からカエルはジャンプした。マヨネーは振り返る間もなく、倒された。
しかし今倒したマヨネーは偽物だった。マヨネーの幻影を作り出す魔族の仕業であり、幻影を囮にして銃で攻撃された。
しかし銃弾は外れた。カエルは幻影マヨネーを仕留めると直ぐにクロノ達の元へと戻り、足並みを揃えて魔王城に進行した。マヨネーの様な能力者を警戒し、攻撃の合間の隙を見せる事は極力避けた。クロノ達は複数マヨネーがいるかもしれない前提で動いた。
ガルディアを出発してから魔界までは馬で半日かかるが、その間もずっとマヨネーに警戒しつづけていた。中央都市に到達するまで更に半日以上かかっていて、兵士たちは疲労を溜め込んでいた。
クロノ達は魔法を覚えた事の副作用なのか、魔力が、身体に馴染んだのか、、疲れにくい体質になっていた。
目指すは魔王城。そこに至るまでの道には様々な罠が仕掛けてられていた。迷いの森、底なしの沼、そこで迎え撃つ魔族達。
魔族らは人間とは異なり銃の装備が乏しかった。身体能力では人間より遥かに優れた魔族だったが飛び道具を駆使する人間に対して不利だった。
クロノ達はじりじりと確実に城に到着した。
ガルディア軍の疲労はピークしていたが、死ぬ気で城へと突っ込んだ。
城内は兵士と魔王軍で入り乱れていたがガルディア側に有利に働いていた。
順調に城を制圧していくガルディア。
しかし、将軍ソイソーは兵士1000人をあっという間に戦闘不能な状態にした。
人間を遥かに超えたスピードで繰り出すパンチに兵士達は一撃でノックアウトした。
そのパンチをカエルが受けた。
ソイソー
「ほう、お主は魔族か? どうして人間側についている。
カエル
「私はこう見えて人間だ。
ソイソー
「ほう、では魔王様がカエルにしたというのはおぬしのことか。
カエルはグランドリオンをソイソーに向けた。
ソイソー
「それがグランドリオン…。面白い! 久々に剣を持つ気になれそうぞ」
ソイソーは腰から剣を抜く
カエルとソイソーが目にも止まらない速さで動く。
ソイソーは拘りの強い性格だった。マヨネーと共に連携すれば最強であるかもしれないのに、一対一の戦い方を求めてしまう。ソイソーは東洋の武士道精神に憧れていて魔族の中では異端の存在だった。実力の高さと性格の良さから将軍の地位が認められ、魔王からはフレイムボマーという火属性の魔法を授けられた。しかし、武士道精神を重んじるソイソーは魔法に頼るのは卑怯者の様に感じていて使う事は無かった。
ソイソーとカエル、実力は拮抗していた。ソイソーが油断しなければ負ける事はないのだろう。しかしソイソーはグランドリオンの強さをうけてみたかった。人間が使う武器は剣であれ銃であれ、ソイソーにたいしたダメージを与えられなかった。グランドリオンの噂しか知らなかったソイソーは一太刀受けてみたかった。
ソイソーは崩れ落ちた。ソイソーがダメージを受けたのは魔王以来の経験であり、ソイソーにとっては衝撃的な出来事であった。ソイソーはグランドリオンを生み出した人間に敬意を持ちつつ、戦闘を再開した。ソイソーは傷を背負っての戦いであり、じわじわ削られていく。
動きが鈍くなったソイソー。ソイソーは敗北宣言をし、刀を置いた。
カエルはソイソーの戦い方に感銘を受けていた。とどめを刺す気がしなくなり、先に進みはじめた。
弱っているがトドメがさされてないソイソー。まだ戦える様子である。クロノ達が先に進もうとすると目の前に立ち塞がった。
ソイソーはクロノに一瞬で近寄り刀を見ると
「ほう、うぬも同士か…ならば」
ソイソーのパンチがクロノに飛んだ。
クロノは刀で受け止めた。
カエルとの戦いでソイソーが消耗していたから受け止められた様なものだった。
素手と刀の勝負、有利なのは刀のはずだが、ソイソーの素手は圧倒的に上回っている。
ルッカとマールが魔法を使うも魔族の超身体能力ゆえかダメージが入らない。
しかしマールはアイスを唱え続けた。
未来のデータベースから、魔族は氷河期に耐えた種族として寒さに強い傾向があるという情報があった。。しかし体温を下げ続ければ、動きはある程度鈍るかもしれない。
熱ではなく冷一択で、ソイソーの体温奪う一点に集中して三人は冷魔法を浴びせた。
関連note クロノらは全属性を覚えていたシナリオ
ソイソーの動きが鈍ったのを確認したクロノだが、攻撃を加えるのは躊躇った。ソイソーは誰も殺していなかった。倒れた兵士達は気絶しているだけで死んではいない。クロノの刀はボッシュが作ったものであり、その刀で攻撃すればソイソーは死ぬかもしれない。魔族の中にも良い人間がいる事は現代で助けてくれた魔族にて知っていたクロノ達はソイソーにとどめを刺すの辞めて、先に進んだ、。
◇
カエルはマヨネーに操られている所に出くわしたロボは、もう一度、ロボパンチをマヨネーを食らわした。しかしマヨネーは避けた。ロボの攻撃は遅かった。マヨネーの様な高位の魔族は身体能力が高く、魔法陣の中にいながらロボの攻撃を避け続けた。
「もしかして操れないの? こんな経験、はじめて♥」
マヨネーは反撃しなかった。
マヨネーは心の取れないロボのたくましさに惹かれた。
マヨネーはロボを抱き締めるとロボと共に光の中に消えた。
マヨネーは部屋にロボを連れ込んだ。
「まって〜♥
試させて〜
なんで、逃げるの〜♪」
ロボはマヨネーから身の危険を感じてて逃げた。
二人は城内で鬼ごっこを始めた。
ビネガーは水晶に写し出した魔法の映像でソイソーとカエルの戦いを見物していた。一撃で消耗したソイソーを見てグランドリオンのパワーに恐怖して逃るべきか考えあぐねていた。。魔王から貰ったカチカチ氷になる魔法(防御力が高くなり、敵意を向ける相手に自動でカウンター攻撃をしてくれる。)を使おうと思っていたが、動けなくなるデメリット(逃げ遅れるリスク)があった。魔王様はカチカチなら大丈夫だと言ったが魔岩窟を一撃で破壊するグランドリオンに本当に耐えきれるのか自信がなかった。ビネガーは宙を浮き天井に張り付いていた。魔族にも人間にも見つからない様に隠れていた。
カエルは先へと進み魔王と対峙していた。
魔王
「ほう、あのときのカエルが、何をしにきた?」
カエル
「サイラスの仇をとりに、あのときのグランドリオンで!
魔王
「そうか、、そんなに死に急ぎたいならちょうどいい。ラヴォスへの生け贄になって貰おうではないか!」
瞬間、カエルは飛び交った。
突如魔王の前に背丈はあろう鎌が現れカエルの剣を弾いた。
魔王は右手に書物を持ち左手で印を結びながらラヴォスの召喚呪文(魔法陣にてラヴォスエネルギーを大量に集めて目覚め起こす+集めたエネルギーを自分のエネルギーととする)を唱えていた。
魔王は、その場を動くこともなく、鎌がカエルの攻撃と戦っている。
鎌の攻撃にカエルは押されていた。
魔王
「グランドリオンか…敵から魔のチカラを削っていくといういうが…しかし、その程度のものか…
カエルが強烈な一撃を加え、鎌が弾き飛ぶ。
魔王を守っていた盾でもあった鎌が手元を離れ、すかさずカエルは魔王を斬り込んだ。
魔王はカエルの斬撃をよけながら魔道書を読みつつ呪文を唱えている。
カエルの攻撃はカスれはすれど一撃が当たらない。
その隙に魔王の鎌が盾として働き、魔王を守っていた。
数分戦っていると、クロノ、ルッカ、マールが合流した。
ルッカ
「あれ…なんか、私達場違い?もしかして空気読めてない?
魔王
(人間が3人? しかも、なぜ王妃のリーネがここに?)
ルッカ
「これが魔王? ねえ、あんたラヴォスなんか呼び出して何がしたいの? あんなもの世界をぶっ壊す厄災だよ。
魔王
「ほう、ラヴォスを知っているのか? 教えてくれ、ラヴォスの何を知っている?
ルッカ
「私達は未来から来た。今から何百年もの先の世界から。私達は歴史で知っている。貴方はラヴォスを目覚めさせる事に失敗する。
魔王
「未来だと? だとしたら面白い。その方法を教えて貰おうか。
魔王は書物を閉じ、準備が終わった事を告げた。
瞬間、地面に巨大な呪印が広がり、クロノ達の体の自由が奪われた。
自由の奪われ具合は地面程強く、上半身より下半身の方がより動かせなかった。
ラヴォスエネルギーを奪うのとは反対の魔法である。ラヴォスに生命エネルギー(餌)を捧げる魔法であり、餌に食いついてラヴォスが目覚めるかもしれないと魔王は思っていた
ルッカ
「なにコレれチカラが出ない…」
クロノも同様で、跪く様なかっこうで、うずくまる。
「もう駄目…
ルッカは地面に這いつくばってしまった。
カエルは必死で踏ん張っているが、今にもくずれそう。
ルッカは喋ることもままならそうだったが、必死で伝えた。地面に巨大な魔方陣が描かれてること。これが私達のチカラを吸い取っている元凶だと。
魔王「今更気付いてももう遅い、おまえ達はラヴォスの生け贄となって貰う」
地面が吸い取ろうとする生命エネルギーにクロノ達は身体が殆ど動かせない。
魔王
「さあ、女、話してみろ。未来から来た話。時を超えるというなら、どうやってこの世界に来た。」
ルッカは動けずに這いつくばっている。
「い、い、いやよ…」
魔王
「そのままそうしていると死ぬぞ。話すならお前の命だけでも助けてやろう。」
ルッカは話さなかった。
魔王は空中を飛びながらルッカに近付き、語りかけた。
「言わないなら今すぐ殺すぞ」
カエルは必死で体を動かそうともがいた。
グランドリオンの力を過信していて油断しすぎていた。修行で強くなったとはいえ、魔王の魔術について無知だった。
戦場に不似合いな若者クロノ達を巻き込んでいることを後悔した。
魔王「近付くこともできないのなら、グランドリオンなんぞ、タダの飾りき過ぎんな」
カエル
「否、近付く事がてきぬのであれば、こうするまでよ。」
カエルはベロを伸ばして魔王の腕に絡みついた。
「お前もこっち側に来い。
引っ張られる魔王
「うがぁ
鎌が自動で魔王を守っていた筈だった。しかし鎌はラヴォスエネルギーを動力源として魔法陣の中でしか機能しなかった。魔王は術の全てが完成したことに油断してルッカに話しかけた。その時、魔法陣から出てしまった。
カエル『これで条件は互角だなあ
魔王「たわけたことを、たかが人間ふぜいが
『ふ、あいにくオレはもう人間じゃないんでな。
「…そうだったな。すっかり忘れてたぞ。はは、笑える…
「笑っていられるのも今のうちだぞ、オレはハナから死んでも構わん身だが貴様はどうだ?ラヴォスとやらに命を吸い付くされてもオレは貴様を離さんぞ
カエルのベロが魔王をぐるぐるまきにした。
魔王「甘くみているのは貴様の方だ。王たる私が!負ける道理などない!」
魔王はエネルギーを集中しはじめた。魔力をカエルの身体に至近距離でぶつけるつもりだ。カエルが消滅しかねないエネルギーが集まり、マールは回復魔法でも助けれらないと悟った。
「あねがい! やめてー!」
魔王のエネルギーがカエルを貫こうとしたとき、宙に浮いたクロノの一撃が魔王の顔面に入った。
誰もが動けない中にいた筈のクロノだったが、唯一呪印の影響を受けない機械であったロボに身体をぶん回して貰った。
魔王
「に、人間風情が…お前も含めて粉々にしてやる…
カエル
「グランドリオンを使え!」
ロボはグランドリオンを拾えない。手が大きすぎて上手に握れない。ロボは足でグランドリオンを蹴り上げて浮かせると共に、持ち上げていたクロノにグランドリオンを持たせた。ボッシュ製作の刀は敵の魔力を利用する。敵の魔力量に比例して切れ味が増す仕組みになっている。
クロノとロボが再度コンビネーションを取ろうとしたとき、空から剣が落ちてきてクロノを貫いた。
クロノの腹が串刺しにされ、床に這いつくばる
ソイソー
「魔王さま! 助太刀に参りました。
ソイソーはクロノを突き刺したまま離さない。
ロボがソイソーを突き放そうとすると、ロボの頭上から氷となったビネガーが降ってきた。
「かわたなはらかあま(ビネガーは氷漬けで声が聞こえない(訳=これで見動きとれぬまい!)
クロノを助ける為にルッカが火を操り、ソイソーを攻撃した。余ったチカラを全て注ぎ込んでいると、ルッカの頭上からマヨネーが蹴りを浴びせ、倒れたルッカに覆いかぶさった。
マヨネー
「女との間ぐわいも悪くないわねー」
魔王「どうしておまえ達がここに」
ソイソー
「ラヴォス召喚のお手伝い。幸栄の極みでござる」
ビネガー「はひふへほはひふね(氷漬けで聞こえない)
訳=一応、危なくなったら逃げるけどね」
マヨネー
「ラヴォスちゃん、どんなイケメンさんなのか気になっちゃって」
魔王
「ここに居たら、おまえ達の命もラヴォスにとられるかもわからんぞ!
ソイソー
「魔王様が命がけで成そうとする儀式、臣下が命をかけるのはあたり前でござる!」
ビネガー「「はひふへほはひふね(氷漬けで聞こえない)訳=魔族繁栄こそ我らの本懐!(ホントはただ偉くなりたーい!)」
マヨネー
(実は魔王様がタイプなんだけどなぁ…)
ルッカ
(だめ、全然身体が動かせない。私、しゃべることも、もうできない。これが人間と魔族の力差…)
マール
(まずい…クロノの体力がどんどん落ちてる。このままじゃあ…)
轟音と地響きの波動が下から上につき上げた、
魔族とクロノ達、皆、恐怖で鳥肌がたった。
ラヴォスが地の底から蠢いてくる気配が伝わってくる。地震の揺れ幅が増大しながらクロノたちを襲う。
ロボ「これはいけない!ラヴォスエネルギーが増大しています」
魔王「ついに来たかラヴォス! これで私の悲願が…
ロボ「観測データが数値の限界を振り切っています。こののままでは、私達どころか、世界そのものが破壊し尽くされ…いや、このエネルギーはタイムゲート? ゲートが私達を飲み込もうとして…」
巨大なゲートは魔王城を丸ごと飲み込む大きさで広がる。魔王城の一階から上が消滅。飲み込まれた。
ヴォスゲートが吸い込む重力渦の影響で城の残骸、瓦礫、ガルディア軍、クロノ達、負傷した魔王軍が切りもみ状態になる。ガルディア兵を治療していたボッシュも呑み込まれた。兵士達が城の瓦礫に押し潰される危険を回避する為、ボッシュは兵士達にバリアを張った。
ラヴォスゲートの中心部は重力波がめちゃくちゃで、ボッシュのバリアが間に合わなかったクロノ達は身体が捻れる苦痛を味わい失神した。体力のあるカエルとロボ、魔王、ビネガー、ソイソーマヨネーは無事だった。
異空間の中で城の瓦礫とガルディア軍、クロノ達、魔王軍が縦横無尽に漂っていた。それぞれがバラバラの方向に飛んでいく。
マールの首にかけていたペンダントは外れていた。。ペンダントは時空間を漂い、魔王の前に来る。サラのペンダントがなぜここに?と魔王は疑問を感じならがらペンダントを手にした。
ラヴォスゲートにて時空間に呑み込まれた人々の存在に気付いたハッシュは、時の案内者としての能力を発動させ、人々を望む時代へと導く。ガルディア兵は元の場所へ帰りたいと願い、トルースの山のゲートへ。、魔王と共にありたい魔族達は魔王が戻りたかった古代への時代へ。クロノ達は失った現代には帰れない。元の平和な現代に戻せる時代に行きたかった。しかし、そんな時代に繋がるゲートは何処にもなかった。
ハッシュはクロノ達の向かうべき場所に迷った挙げ句、クロノらの記憶の中にある楽しかった思い出(友人エイラとの宴)を引き出し、エイラのいる時代に導いた。カエルはクロノを心配していたのでその願い通りにクロノと共に同じ時代へ。ロボは機械であり、その思念をハッシュは受信できなかったが、ルッカがロボを大切にしている記憶を引き出しクロノ達と共に同じ時代へ。
ボッシュは兄であるハッシュの気配を感じた。ハッシュはラヴォスゲートに追いやられ後、ゲートの出口が無かった。時の狭間に追いやられ、生きる術はなく、時空間を漂う思念体構造になるしかなかった。ハッシュは自分の様な犠牲者(時の迷子)を二度と出すまいと思い、時の案内人となった。それと引き換えにハッシュは最果て世界から出られなくなり、その場から動く事ができなくなった。
ボッシュがクロノ達と出会い、時を越えられたのも全てはハッシュのお陰だった。ボッシュは最果てでそれに気付いてからずっと考えていた。
ボッシュ自身、あの時代に戻りたいと思っていた。ラヴォスの暴走を阻止する事もだが、現代のガルディアは自分たちの時代が生み出した改造魔族により、人間が支配されていた。それを防ぐのは過去から戻ってやり直すのがいいと思っていた。
しかしクロノ達が心配だった。ここまで導いてくれた者達を放って置くことはできなかった。クロノの命は事切れる寸前で、未熟なマールの魔法では治すのは難しかった
ボッシュの感情にハッシュの思念が呼応し、ボッシュもカエルと同じく原始時代へと飛ばされた。
◇
ルッカが背負っていたリュックだが中身は時空間に散乱していた。ゲートホルダーは時空間を漂い、スペアの一つが1億2000万年前のアザーラの先祖の世界に行き着いてしまう。時を移動する技術がアザーラの時代にまで受け継がれる事になるが、その事をクロノ達が知る事は決してない。
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