ボッシュと原始時代へ
↑のつづき
ガッシュもハッシュも既に肉体は滅んでいた。
ジール「そうだったか…未来にはガッシュが、そして最果てにはハッシュが…」
ボッシュ
「とても残念なことですじゃ。」
ジール
「だがまだ終わった訳ではなかろう。ルッカ殿が開発したゲートを探す装置、あれがあるではないか。」
古代へのゲートが見つかるかもしれない
ジール
「ボッシュ、せっかくだからその装置で原始時代も調べてきたらどうじゃ?。どんな世界が待っておるのか、わらわは興味津々じゃが今はまだここを離れられん。」
クロノ、マール、ルッカ、ロボ、ボッシュは原始時代へと向かった。シルバードは三人乗りなので2回に別けた。
ルッカ
「なんだか騒がしいわね…」
ボッシュ達の場所から原始人の村へは少し離れている。
ルッカ
「…ロボ、ちょっと様子を見てきなさい。」
原始人は何やら宴の用意をしていた。
ロボは走って戻ってきた。原始人を引き連れて
「うんばばうんばうんばば!」
(おまえ達あやしい奴!)
原始人達十数人は5人とシルバードを取り囲んで槍で威嚇した。
「うんばば!うんこばば!? ばつんつば、はらま、たさら、したあら!」
(お前達どこの部族の者だ?まさか、恐竜人の手先ではないだろうな!)
ルッカ
「どうしよう、何言ってるか全然わかんないや…」
いきり立ってる村人の間を割くように族長の娘エイラが現われた。
エイラ
「がばちょ、がばんちょ、ちょんばから、くじら?
(エイラ質問ある、お前たちの後ろの、デカイもの、なに?くじらか?)
エイラはシルバードを指してジェスチャーする。
クロノ達がどうして良いかわからず、もごもごしていると
エイラ
「ちょなんかん、さむにだはむにだおっぱー?」
(お前たち、もしかしてエイラの言葉通じてない?)
エイラがシルバードに近付いてコンコンと叩いた。
匂いも嗅いでいる。
かじりつく。
エイラ
「う、食べられないし、おいしくない…」
エイラはクロノ達のニオイを嗅いだ。
「おまえたち、恐竜人の匂いしない。かといってエイラ達とも匂い違う…」
エイラ
「みんな集まれ! 新しい部族の発見だ!」
エイラの掛け声と共に村人が一斉に集まる。
クロノ達はどうしていいかわからずビビリまくる。
ルッカ
「ねえ? 逃げた方が良くない?」
マール
「私達、もしかして丸焼きにされて食べられる?」
ボッシュ
「安心せい、なんかされたら魔法でズドンじゃ。」
村人はクロノ達の予想に反して歓迎ムードだった。
村は恐竜人に対抗する為、部族同士の繋がりを求めていてクロノ達を宴に歓迎した。だがクロノ達は言葉が理解できず、どういう意図があるのか分からなかった。
エイラは踊り歌い、その後酒をメンバー達に注いだ。
クロノ達は酒飲みファイトに巻き込まれてエイラと共に酔いつぶれた。
翌朝、二日酔いと共に目覚めるメンバーは、エイラと族長から根堀りはほり質問攻めにあった。
ルッカ
「こ、困ったわね…」
マール
「なんだか真剣そうに話しているけど、
ボッシュ
「酒もたらふく飲めたし、このままバックレるかのう。」
ロボ
「言語パターンを収集しました。今から原始言葉を翻訳できますが、どうしますか?」
ロボ翻訳により、クロノ達はこの時代で起きている事態をおおよそ理解した。
ルッカ
「恐竜人と人間の戦争か…」
マール
「手を貸しちゃう? 私達、魔法のやり方覚えたしめっちゃ強いよ!」
ボッシュ
「争いは好かんのじゃが…」
クロノ達が難色を示していると、遠くから悲鳴が聞こえた。
村人がエイラの元にかけよる
「大変だエイラ! 北の村に恐竜人が火を放った。しかもキーノを連れ去っていった。」
エイラ
「どうしてキーノが!」
「恐竜人のアザーラが言ってた。キーノを返して欲しければティラン城へ来いと。」
エイラには心当たりがあった。以前に村の近くの恐竜人の巣穴に単独で攻め込んだことがあった。その際、親玉のアザーラに逃げられた。。エイラと親しいキーノを捕まえて復讐するつもりである。
「エイラ行く! ティラン城に乗り込む!」
ルッカ
「一人では危険よ!」
マール
「私達も協力するよ!」
ボッシュ
「ワシは酒の酔いを冷ましたい!」
けれどティラン城までここから2000km離れている。プテラで2~3日かかるそう。
それでも構わないメンバーだった。しかし出会ったばかりなのにこの信頼関係は異常だ。メンバーを突き動かしたものは好奇心だった。人助けの使命感2、プテラの背中に乗りたい気持ち8だった。
一行はエイラに連れられ、北にある山からプテラに乗った。
ルッカ
「え? マジこれ乗るの?
マール
「だ、大丈夫かな…
ボッシュ
「ワシ、高いところ苦手じゃー!(でも大人として若者達を引率せんと!)」
☆
広大なマグマの湖からの上昇気流でプテラの高度はぐんぐん上昇していく。
アザーラのいるティラン城は高さ8000mにそびえ立つ立つ崖の上にあった。
外敵からの侵入を防ぐ為にも建設されたのかもしれない。、この高さは人の足で容易に昇り降り出来るものではない。この場合、恐竜人にとっての外敵とは人間だけを示す訳ではないのかもしれない。支配の行き届かない恐竜人との戦争があり、この高さそのものが要塞機能なのかもしれない。
良く見ればそびえ立つ崖はただの崖ではなかった。崖には窓らしきものや、バルコニー的なものが見えた。その数は数え切れない程ある。、大砲の様な射出システムもあった。近付けば撃墜される恐れがある。
ボッシュはメンバーをバリアで保護した。
だが、何も攻撃されなかった。
ルッカ
「ロボ、酸素濃度はどうなってる?」
ロボ
「酸素濃度は平地の30%です。」
標高8000mなのに寒くはなかった。マグマ地帯だからだろうが、いくら恐竜人でもこの酸素レベルでは住めないと思われた。
マール「アザーラってこんな場所でも、平気なの?、
ルッカ「判らないけど、もし平気なら化け物じみてるわね…けど多分、そうじゃないと思う。きっと時間がないのかも…
マール
「とういう意味?
ルッカ
「元々あの城の酸素濃度は今よりもっと高かったのかもしれない。例えば草食の大型恐竜が草を食べ過ぎて酸素が生成されなくなったたり、火山噴火とかで大気の酸素が燃えてしまったりで…
マール「つまり、昔は住めたけど今はもう住めない場所になっている?
ルッカ「恐竜人が天井の住処を失って地上に降りてきた。でも、地上は既に人間の住処になっていたから縄張り争いが起き始めた…。
マール
「アザーラは一体何がしたいの?
ルッカ
「…焦っているのかも。恐竜人の住める環境は今よりも上が望めないこと。人間には知恵で敵わず、いずれ人間達に淘汰、亡ぼされてしまうことを…
マール
「でもエイラは共存の道を探してるって、
ルッカ
「頭では理解できても信用できないのでしょうね…。現に恐竜人達の文明社会は一度滅んだ歴史があるみたい。あの城がまさにその象徴で、アザーラ自身があの城と自分を重ねてるのかもしれない。衰退する文明にアザーラ自身も向かっているから怖いのよ。
マール
「でも、それって単なる思い込みじゃあ…
ルッカ
「そうね。でも思い込みで人間は幾度となく戦争を起してきた。。人類史は思い込みで成り立っているのよ。それが恐竜人、アザーラにも当てはまるというだけのこと。
マール
「私達にはどうにもできないの?
ルッカ
「…とうにか、できたらいいわよね…
6人が降りると、エイラは真っ先に門へと走った。
ルッカ
「まって! 一人では危ない!」
マール
「ねえ? 恐竜人ってどんな顔しているのかな?
ボッシュ
「…」
ボッシュはプテラに酔ってゲロをほんの少し飲み込んだ。
全員が城に入ると門が閉じて鍵が掛かった。
ボッシュ
「どういうことじゃ?」
ルッカ
「え? まさか自動ロック?」
マールとルッカが反作用ボムを使い、ロボがタックルしてみるがビクともしない。
ルッカ
「これが原始の科学技術なの? これってもしかして私達の時代よりも上なんじゃないの?」
マール
「恐竜人って一体何なの? 魔法使える様になったけど、自信なくなってきた。
ボッシュ
「気をつけるんじゃ。こんな丈夫な扉を作れるのなら、きっと武器等も作れるじゃろうて。」
5人が玄関でもたついているとエイラが立っていた。
エイラは既にキーノを救出していた。
いずれにせよメンバー閉じ込められてしまった。アザーラの目的は酸欠で殺す事かもしれない。アザーラは用意周到に計画している。出られる通路がないから、この城に誘導したのかもしれない。
マール「みたところ窓があったけど…
窓に見えたのは全て特殊なバリアで守られた何かで、破壊することさえできなかった。
ルッカ「…上へ行きましょう。外にいるとき渡り廊下が見えた。もしかしたら、そこからプテラで外に出られるかもしれない。」
楽観的観測かもしれない。バリアで渡り廊下全体がシールドされているかもしれない。
エイラ
「ところでこれなんだ?
エイラがレバーを引いたのは恐竜人が作り出したエレベーターだった。
どういう原理で動いているのか判らないが、エイラはそれに乗り込み上へ向かっていった。
キーノはエイラを追いかける様にエレベーターの上に飛び乗る。二人はクロノ達を置き去りに上階へ向かった
アザーラ
「ようやく来たか、猿共…。ここがお前達の墓場になるのだ
エイラ
「エイラ死なない! キーノとクロノ達と一緒に帰る!
アザーラ
「どのみち逃げ場なんてないのだよ。」
エイラ
「…? どのみち逃げ場がない?
アザーラ
「この城がなぜ今でも生きているか分かるか? この城は単なる石でできてない。物なんかじゃないんだ。我ら先祖が生み出した尊い生き物なんだよ。それが死んでしまうんだ。」
エイラが喋ろうとするとキーノが割って入った。
キーノ
「アザーラ、僕を誘拐しておいて殺さなかったのはなぜだ? 僕を殺したとしても、ここに皆を閉じ込める事はできたはずだ。何故なんだアザーラ」
アザーラ
「…
キーノ
「アザーラ、君は仲間を連れもせず、なぜ一人でここにいるんだ!
アザーラ
「…
キーノ
「アザーラ、君は何を隠しているんだ。人間にも恐竜人にも…
アザーラ
「…私は…
エイラ
「もういい、キーノ。こいつは大地のオキテによってここで死ぬんだ。エイラと戦って死ぬんだ。
アザーラ
「そうだな…私は死ぬ…だかな
私は一人では死なん!
アザーラの背後にある塔から動く石像のティラノサウルスが現れた。その巨体はゆうに10mはある。
アザーラはテレポートし、石像ティラノの背に乗った。
☆アザーラは超能力が使えた☆
念力(サイコキネシス)、瞬間移動(テレポート)、テレパシー(戦闘中には触れた相手の思考を妨害できる)、そして未来予知ができた。未来予知に関してはラヴォス飛来後に恐竜人は絶滅してしまう事がアザーラに見えていた。自身が絶滅から逃げたとしても、治安の低下と暴動で恐竜人社会は混乱し、ろくでもない未来が待っている。高確率でクーデターにより処刑される未来が見えていた。超能力を駆使すれば、それら最悪を避けられる未来も作れたが、恐竜人2000万人を束ねる仕事は面倒くさかった。
言い訳したい訳じゃないけどラヴォスが落ちると1000km四方に住んでる恐竜人百万人が死ぬ。その破滅の未来が見えたのは、13日前。あまりのショックにしばらく現実逃避していた。避難誘導するのに時間的余裕はあったものの、空を飛べるティラングライダや陸上を走る乗り物生物には限りがある。徒歩で10日以上かけての大移動は国民からは不満の声が出るのは避けらない。
来たる氷河期に向けては暖が必要で大量の木々の伐採もやらなきゃいけない。それについても恐竜人の多くは不満たらたらで、人間も同じようなことして不満たらたら。常に戦争を気にして緊張状態に。
そのくせ人口規制(子作り禁止)にしても、素直に従わない奴らが多い。右大臣、左大臣はいつもあーだこーだ言うばかりで食費を節約することもなく、ぶくぶく太る。まるで大臣らは家畜であり、アザーラは飼育員みたいにな関係になってしまう。アザーラは見える未来にうんざりしていた。何をどうやっても嫌な未来ばかり見えてしまい、恐竜人を助けるのが面倒になってしまった。
アザーラは沢山の超能力に恵まれていて、それまで人生は順風満帆だった。それを全て相殺するくらいの神経を忙しく使う日々が待つ未来にてついてを恐怖していた。いっそ死にたいと何日も考えた。
そしてアザーラは先祖の地を死に場所に決めていた。キーノを誘拐し、猿のリーダーであるエイラ達を誘き寄せ、共に心中するつもりだった。計画通りに成功する未来が見えていた。アザーラにとって予知が外れたのはこれが人生で最初で最後だった。
アザーラは渡り廊下を背にしていた。エイラを迎え撃つ為に。だが、アザーラにとって背後にある塔の中はエイラ以上に重要だった。恐竜人の英知が詰まった遺産があった。たとえそれがラヴォスと共に消えるのだとしても下等な種族である猿に穢れさせたくなかった。竜の首輪を外せば猿が隙間から侵入するかもしれない。鎖を外して闘わせる事もできたが…
アザーラは念力で先祖の遺産を起動した。吹き抜けの天井に見えないバリアが張られ、プテラが着陸できなくなる。
エイラとキーノはクロノ達に先だって到着した。屋上の酸素濃度は地上の半分以外であり、二人の呼吸は乱れていた。
アザーラにとって人質キーノは殺して捨て置く事もできた。あえて生かしておいたのは、この戦いで無力な猿であるのを実感させ、悔しがる姿が見たかったからだ。
アザーラはキーノにサイコキネシスで呼吸をできなくさせた。
苦しむキーノ。エイラはアザーラに飛び込んだ。竜が回転し、エイラをふっ飛ばした。
エイラは橋の下に落ちるかと思いきやそこにもバリアが張られていた。叩きつけられる様にエイラは倒れた。
既に巨石は火を溜め込んでいた。アザーラの指示でいつでも竜は火を吐き、廊下を火の海にできる。
そこにクロノ達メンバーが到着した。アザーラは未来予知にてクロノ達が来ることも判っていた。
ロケットパンチ、ファイア、アイス、サンダーが飛んで来ることも想定済み。アザーラには先祖の遺産のバリアが張られていて、攻撃が通用しなかった。
このバリアシステムは遥か昔、魔法を使える恐竜人同士で戦争がおきたとき、、それに対応する為に作られた。
魔学科学は未来人をもしのぎ、クロノ達の魅せる奇跡の様な技についても再現できるものが、ティラン城に数多くあった。
「ちょこざいな…。城の武器庫から拝借したのか猿どもめ…」
クロノ達の魔法についてアザーラは、プラズマガンや、炎の弓矢、氷の弓矢だと思った。それらの動力源はマグマによる地熱らしいが、アザーラ自身、詳しいことは判らなかった。
アザーラの指示で、廊下一面に炎が蒔かれていく。アザーラの炎はエイラとキーノを避けていた。
アザーラは二人を殺すつもりはなかった。敗北の絶望、無力さを感じさせたかった。
炎が二人み囲み、その場から出られなくなる。
クロノ達は魔法で消火を試みるが、魔力が尽きた。ボッシュは頑張ってた
アザーラは念力を解除し、キーノを自由にした。息は吸える様にはなったが、熱い空気に苦しんだ。
気絶したエイラを起こそうと頑張るキーノ
もうすぐラヴォスが到着する。それまでアザーラは、やりたいことをやると決めていた。
アザーラは巨石竜で城の破壊を始めた。竜を回転させ、至るところを破壊していく。クロノ達の事はどうでも良いかの様に。
実際どうでも良かった。恐竜人の文明の凄さを猿に知らしめる事がアザーラの目的だった。それは既に達成し、満足していた。当初は先祖の遺産を猿から守るつもりだったが、改めて考えてみると無意味だなと思った。奥の部屋のシステムは猿に使いこなせる筈もなければ理解する頭もないのだろとアザーラは思っていた。
アザーラは先祖が守り続けた象徴を破壊し尽くし、再び、渡り廊下へと戻ってきた。
エイラ
「わけがわからないぞ」
「もうすぐ…わかるさ」
アザーラはそう言って空を見つめていた。
エイラは戦いを仕掛けようとしたが、アザーラの強さに怖じけづいていた。
『ここから逃げるチャンスをやろうか?』
ふとアザーラはエイラに提案した。まだ少し弄べると思った。
『今、天井のバリアを解除しておいた。逃げられるものなら逃げてみろ。』
どういう意図なのかエイラには理解できなかった。罠があるのかないのか計りかねていた。
『どうした?早くここから逃げないと死ぬぞ?』
エイラは逃げなかった。元よりエイラにはアザーラに伝えたい事があってここに来た。人間と恐竜人との共存についてである。人の言葉を理解できる恐竜人はアザーラ以外殆どいなかったからだ。アザーラさえ恐竜人を束ねてくれば無益な争いをしないで済む。
アザーラはエイラの言葉を静かに聞いていた。予知能力でエイラの吐く台詞は予め知っていたものの、実際に聞いてみると違った印象を受けた。
恐竜人と人間が共存する世界は困難が付きまとう。最初こそ上手くいくだろうが、氷河期が迫るほど食糧に困り、互いに共存の道筋は絶たれる。寒さを凌ぐ為に暖をとるにしても、木の数は限りがある。森さえ維持できない氷河期が来る時、やはり互いに殺し合う運命からは逃れられない。これらを説明したところで、互いにどうにもならない問題だと思っていた。繁殖を止めて人口数コントロールしたとしても、対応しきれない程に早いスピードで氷河期が訪れてしまい、血に染まった生存競争を強いられる羽目になる。もっと前から予知ができていれば人口規制を徹底する等の準備もできただろうが、今更どうにもならない。
アザーラは空を見ていた。アザーラの目に浮かぶ赤色にエイラもキーノもまだ気づいてなかった。
ロボのセンサーがラヴォスを探知した。
ロボ
「皆さん大変です。空に…ラヴォスがいます。
クロノ達は上空に小さな赤い光りを発見した。
ロボ
「予測約、直径1km、質量80億トン、時速5万キロのラヴォスがここへ落ちてきます。」
ルッカ
「え!? どういうこと、? ラヴォスって隕石だったの??
ロボ
「グズグズしているヒマはありません!
ラヴォス衝突まで後60秒しかありません』
キーノ「エイラ! プテラの様子がおかしい。」「プテラ、危険の合図している。ただ事じゃない危険、迫っている。ここに居たら危ない!」
エイラ「アザーラ! お前もこい!」
訳が判らないエイラだが、この場所に危険が迫っているなら尚更アザーラを見捨てる事ができなかった。
しかし、プテラは野生の感からラヴォスの危険を察知し、エイラの指示を聞かずに飛び立った。
アザーラがエイラの視界から消えていく。
「アザーラ…忘れない」
アザーラは城と共に消滅した。
アザーラは死に際に「未来を……」という台詞を残した。ラヴォスがアザーラにぶつかる瞬間、未来予知能力が最も開花し、遥か未来までの歴史の走馬灯を見た。未来は再びラヴォスにより生物が絶滅する未来が来る。その光景を見せられたアザーラは心の中で思った『「未来を……」今さら見せて何になる。俺が知ったところでどうにもならないのに。』
☆
ラヴォスは全長100kmのクレーターを生み出し、1000km四方が音速を越えた熱風と衝撃波で吹き飛んだ。そこにいた生物は即死した。
クロノ達はラヴォスをギリギリ避け、上空5000mにいた。。助からないかと思いきや。衝突インパクトのエネルギーは真上ではなく、地面に平行的に拡散していった。
それでもとてつもない衝撃波は避けられずプテラはふっとばされていく。それに振り落とされない様にしがみつくので精一杯だった。
ラヴォスの衝突で地表は一瞬で蒸発し、気体とも灰ともいえない微粒子が上空に巻き上げられた。
クロノ達もその灰に巻かれながら、何も見えなくなる。何がなんだか訳が判らないまま遠くへ吹き飛ばされた。吹き飛んで平地となった地面にプテラが着地する頃、メンバーは灰で真っ黒になっていた。