【米国株KPI】SNS・広告ビジネス(Q1'21)
Q1'21の主要SNS関連銘柄の決算が出揃いました。
Q1'21時点での各社の状況をKPIの成長率の観点でざっくりまとめていきます。
こんな人に読んで欲しい
- 決算の基本は知っているけどもう少し自分なりの分析ができるようになりたい
- 会計知識はないけど決算結果の確認ができるようになりたい
- 広告ビジネス各社をざっくり比較したい
広告ビジネスのKPI
広告ビジネスの基本は下記の数式です。
売上 = アクティブユーザー数(DAU) × 1ユーザーあたりの売上(ARPU)
ごくシンプル化すると、SNS・広告ビジネスにおいて売上を伸ばすためにはユーザー数を増やすか、1ユーザー当たりの売上を増やすしかないということです。もちろん、企業業績には他にも様々な要因がありますが究極的にはこの2つがKPIになります。
各社比較
比較対象は下記4社です。
- Facebook(FB)
- Twitter(TWTR)
- Pinterest(PINS)
- Snap(SNAP)
広告売上高
まずは広告売上高の成長率を確認します。数字は全て前年同期比となります。決算プレゼン資料に広告売上高が明記されていない場合は、売上高をそのまま広告売上高として前年同期比の推移を出しました。各社とも売上高の大半が広告なので大きな誤差はないはずです。
FBの伸び率が素晴らしいですね。SNAPもまずまずではないでしょうか。一方でPINS、TWTRがほぼ横ばいとなっています。
では、売上高の各構成要素を確認していきましょう。
デイリーアクティブユーザー数(DAU)
SNAP以外はデイリーアクティブユーザー数の伸び率が鈍化しています。売上高が好調だったFBも伸び率は少し鈍化しています。SNSは初期段階ではユーザー数が成長し、その後、1ユーザー当たり売上高が成長します。FBはすでに成熟企業なのでDAUにあまり動きがなくてもあまりネガティブな印象はありません。
それにしてもPINSとTWTRの落ち込みがひどいです。
1ユーザーあたり売上高(ARPU)
1ユーザーあたり売上高(ARPU)は各社成長しているようです。特にFBの伸び率は目を見張るものがあります。FBは他社サービスと比較してより精緻な顧客アプローチが可能であり、まだまだ伸び代があったというところでしょうか。
前述の通り、今季のDAUの伸びは各社とも比較的低調でしたが、ARPUはまずまずといったところに思えます。
決算発表後の値動き
決算発表翌日はFB&SNAPは大幅上昇、PINS&TWTRは大幅下落となりました。PINSは前回のスーパー決算以来、投資家の間で注目度が急上昇しており、TWTRも新たな施策を次々と打ち出し続けていました。
PINSやTWTRの下落の原因は来季ガイダンスがコンセンサスに応えることができなかったためと言われています。両社とも前回以降期待度が高まっているように感じていましたが、それがコンセンサスを引き上げる結果になっていたのかもしれません。良い決算(売上高、EPS、来季決算がコンセンサスを上回ること)を出すことがいかに大切かが分かる結果となりました。
参考書籍
当記事はシバタナオキさんの書籍を参考とさせていただいています。2冊ともおすすめです。
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