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流星の音色の感想

もう2週間も前になりましたが、流星の音色の全公演が終了しました。
カメラが入っておらず映像としては残らなさそう……とのことなので、備忘録も兼ねて感想など書いておこうかと思います。
(でももう正直ぼちぼち記憶があやふや)

M1 海の星賛歌組曲
海の星の人々が歌う「王様バンザーイ!」な、華やかなオープニング曲。
サルム王が息子(リーパくんですね)に王の位を譲ろうと考えていると宣言します。

セットは基本こんな感じ(雑)

そしていよいよ物語の主役、リーパ王子が、海の民たちの拍手に出迎えられ登場します。
……ここは宝塚ですか?
千秋楽や後半の公演では、観客も拍手に加わって、ますます宝塚感増し増しでした。
歌はリーパのソロで、海の星と愛する民のために頑張るよ~という内容。
とても歌がうまい。
曲後の拍手のタイミングが明確に分かる、最初で最後の曲かも。

続いてリーパがサルムから王になる覚悟を問われる場面。
歌ってるときはあんなに堂々として立派だったのに、喋るとなんだか可愛らしくて幼さを感じるリーパくん。(例:「はいっ!」「ちちうえ!」)
ところで父上「3つの質問をする」って言ってましたけど、質問3つ以上ありませんでした?気のせい?

お友達4人(フォンス、アムニス、リートゥス、マル)に、王になることへの迷いを相談するリーパ。
このお友達がみんなそれぞれキャラが立っていて好きです。

M2 騒めきと予感
一人になり、自身の迷う心を歌うリーパ。
この作品はソロ歌唱中にしばしば白衣装のダンサーさんが登場します。
ロミジュリで出てくる愛と死や、ロザリーのデスタン的な存在なのかな…?とはじめは思いましたが、特にそういった意図はなく、シンプルに装飾的な役割のようでした。

M3 恋におちたら
場面は変わって、山の星のシルヴァのお部屋。
恋に恋してるシルヴァの歌。
「お願い お願い お願い……!」の動きがとてもかわいい。
後ろでそれを真似してるカウム(乳母)もかわいい。
「取り柄もなくて 全部『普通』だし」「わたしなんか 中途半端」なシルヴァちゃん(ただし顔がかわいくて声がきれいで歌がうまくて細くて所作がかわいい)

M4 美わし命
シルヴァのお母様、フローラーリアの登場。
強火の恋アンチです。
歌唱力でぶん殴ってきます。(曲はとても綺麗な曲です。)

M5 溢れ出す夢・願いごと
シルヴァとカウムがじゃれ合って追いかけっこしていたらカウムがすっ転んでジャーンと物々しい効果音が鳴って山の星と海の星が声で繋がります(どういうこと?)
聴こえてくるリーパの歌声に合わせて竪琴を弾き、一緒に歌うシルヴァ。
姿は見えませんが、二人は互いに心を通わせます。

M6 それが恋さ
昨日の出来事を友達sに話すリーパ。リーパの恋バナにテンション上がる友達s。
明るくて動きもコミカルで楽しい曲だけど、短い歌詞の掛け合いが多いし、椅子(箱)ぶん回しながら歌うの難しそう。

もう一回シルヴァと話してみようということで、リーパをからかったり、勝手に呼びかけてみたり、みんなでわちゃわちゃ。
アドリブで松尾くんがパリピ踊ってくれたり友達みんなでズドンしてくれたり、スト担へのサービスが手厚かったです。

M7 もう一つの誕生日
なんやかんやあって、もう一度シルヴァと話すことができたリーパ。
会いに行く約束もできず、伝えたいことも伝えられず落ち込みます。
シルヴァと話せた瞬間キョドったり、話し終わった後に反省会したり、ちょっと陰キャっぽくてかわいい。
M6とM7同じようなメロディーラインなのに正反対の印象の曲になるの、音楽ってすごいなーと思いました(小学生)。

M8 その声
一方、恋をして頭お花畑モードのシルヴァ(かわいい)。
ずっとキャピキャピ(ハート)って感じだったのに、広島千秋楽だけなぜかイケメン化していてめちゃくちゃ笑いました。
カウムの肩に腕を回して「行ってくる(イケボ)」

M9  美わし命ーRep1
「姫様が恋をしたー!」とカウムが騒ぐせいでお母様に恋のことがバレてしまいます。カウムお前……。
歌唱力で攻撃を仕掛けるシルヴァですが、観客は倒せても新妻聖子様には効きませんでした。
会ったことのない人の声が聴こえたという経緯も知って、お母様は大激怒。

M10 少女の恋の果て
実はお母様も以前、サルム王相手に同じ経験をしていて、それでひどく傷ついたことがありました。(声が聴こえるのは王族だけ)
ここでも前述の白ダンサーが出てくるのですが、なんと今回はフォンス役の松尾龍くんが登場します。
新妻さんの歌×松尾くんのバレエのコラボ、すごく良かったです。

舞台は海の星に戻り、剣術の稽古のシーン。
推しの殺陣なんてなんぼ見てもいいですからね。
ここのリーパの好戦的な表情がまた美人さんで。
衣装もちょっとフリフリめのブラウスに白パンツでとてもお似合いでした。
そうこうしているうちに、バレエを踊っていたため剣の稽古に不参加だったフォンスが、山の星に渡る方法が書いてある本を持ってやってきます。
渋るフォンスを必死に説得して、分かった事実は2つ。
年に一度7月7日にわずかな時間だけ橋が架かること。
もし雨が降ると橋の上にいる人の身体は溶けてしまうこと(ドーーーーン)(衝撃の事実)(太鼓音)
そこへ視察のためにやって来た父上。
父上の前に本をぶん投げるリートゥスのナイスアシスト()により、リーパが山の星に行きたがっていること、山の星の人に恋をしていることが父上にバレてしまいます。

M11 王者の血
ここで父上から衝撃のカミングアウトがあります。
なんと海の星の王族は龍の血を引いているので、母親ではなく、海から生まれてくるのです!(?)
さらに、龍の血は特別なので、弱さや迷う心を持たなくなり、血が目覚めれば恋する心も消えてしまいます!(??)
この曲なぜかすごくテニミュの立海戦(特にvs幸村)を思い出すんですよね……。どちらも「抗っても無駄だ!」って言うし。
そして、京本大我さんはなぜあんなにフラフラに翻弄される姿が似合うのでしょうか。
背回しがあったり人間起こし(起き上がってきたときのリーパさんのお顔が世界一美しい)があったりと結構動きがアクロバティック。

最後にリーパが少し歌って、苦しむシーンで一幕終了。

M13 歪み
M14 誓い 愛する星よ

闇堕ちしたリーパ様から二幕の開始。
初見は六本木ヒルズみたいなオブジェとニチアサの悪役みたいな衣装に衝撃を受けました。
オープニングで歌っていた曲のアレンジですが、曲も闇堕ちしています。
リーパ様が話し方まで闇堕ちしているのに対し、父上が「よく言った!」とはしゃいでいるギャップがちょっと面白かったです。
余談ですが、私が遠征で観劇するときに持って行っていた黒いリュックがありまして、膝の上に抱えて観劇するんですけど、振動数が合っているのか、毎回この曲のリーパの歌声でリュックがめちゃくちゃ荒ぶりました。

M15 Never Again
自分の部屋に戻ることを許されたシルヴァ。
不在の間リーパの声が聴こえなかったらしいと知って落ち込みます。
そんなシルヴァにフローラーリアは自身も恋によってつらい経験をしたことを伝え、この恋を諦めるように諭します。

M16 新たな時代へ
リーパ様の王位継承式。
なんか頭に角みたいのついててちょっと可愛い。
リーパの変わりっぷりに戸惑い気味のお友達。

M17 The Destiny of Me
王としての覚悟を歌うリーパ。
そこにシルヴァの歌声が重なり、リーパの心を揺さります。
闇属性と光属性がコロコロ入れ替わるリーパ様。
一人芝居のように表情も声音も喋り方も所作も一瞬で切り替えないといけないから大変そう。
そしてまだ迷いを見せるリーパに父上は激怒。

M19 褪せない思い
再び話をすることができたリーパとシルヴァ。
自分が海の星の王子であること、龍の血によって恋する気持ちを忘れてしまうこと、シルヴァのことが好きだということ、橋を渡って会いに行くこと、全部伝えられました。やったね。
「橋の上で雨が降ると良くないことが起きる」というリーパに対する「それなら晴れればいい」というシルヴァの反応が、前のリーパと同じだったのが良かったです。

M20 Find Out
王子と姫が消えたぞー!ということで大騒ぎ。
海の星、山の星の民衆の服装は近世の西欧風のようです。
友達sは「リーパを応援しよう!」となるのですが、フォンスだけしんどそうな顔をしているのが切ない。

M20 Wish for…
シルヴァを見つけ、必死に止めるカウム。
シルヴァはここで初めて、橋の上で雨に濡れると溶けてしまうこと、フローラーリアがかつて恋をした相手が海の星の王であることを知ります。
コメディ要員だったキャラが急シリアスに入ると、なんだかグッときます。

一方の海の星。
リーパの身を案じる一心で、リーパの隠れ場所をサルム王に教えてしまったフォンス。
そもそもフォンスがリーパに山の星へ行く方法を教えていなければ……という責任も感じていそう。この作品で一番つらいの、実はフォンスなのでは。
そして、ラスボスみたいな音楽と共に登場した父上。
リーパが諦める気がないと分かると、なんと剣で勝負を挑んできます。
結果、リーパがサルムの剣を叩き落し(「それならこれが答えです!」)、リーパは去っていきます。

M21 この身すべてで
シルヴァを見つけたフローラーリア。
シルヴァは自身の真っ直ぐな気持ちを母に伝えます。
カウムのシーンもそうですが、親子の話って、自分が親になる年齢になったり、実際に子を持ったりして初めて理解できる部分ってあるよなと、最近よく思います。

M23 美わし命ーRep2
そして、やはりというかお約束というか、雨が降ってきてしまいます。
フローラーリアの歌声がサルムに届き、久しぶりに言葉を交わす二人。
サルムはフローラーリアとのことを、微かですが覚えていました。
そしてリーパが会いに行こうとしているのが、フローラーリアの娘であることを初めて知ります。
観客も山の星の人たちもとっくに知っていたことなので、サルムがここでそんなに驚いているのが逆に新鮮でした。

そしてついに橋までやって来たリーパとシルヴァ。
私は素人ジャニオタなので、タッキーの演出というと、腹筋太鼓かジャポのMVかトンパクのイミレ(と同時デビュー)くらいしか知らないのですが、上からは水がめちゃくちゃ降ってるわ下からは噴水がめちゃくちゃ湧き上がっているわのド派手な舞台を見た瞬間「タッキーだ~」と思いました(違う人だったら申し訳ない)

M25 星と星が出逢う夜
やっと直接顔を合わせ、愛を伝え合うことができたリーパとシルヴァ。
お互いの名前も、ここで初めて知ることになります。
曲中ブレイクからのリーパの「愛してる」で、どこかの席からちっちゃい声で「うぐぅっ」と呻きがあがったのはちょっと笑ってしまいました。あの人無事生きてたかな。
出逢えた喜びでいっぱいの二人ですが、雨に打たれたことで、シルヴァの身体に異変が出始めます。
「私が消えても覚えていてほしい」というシルヴァに「ずっと一緒だ」と応えるリーパ。

M26 星明り
ついにシルヴァが消えてしまい、リーパは悲しみに打ちひしがれます。
シルヴァの服のヒラヒラ(?)を握りしめながら、降り注ぐ雨に手を伸ばすリーパ。
自分もシルヴァと一緒に消えようとしたのでしょうか。
この時声を出さずにリーパが何か叫んでいるのですが、レポによると「シルヴァ…」って言っていたみたいですね。
私には「愛してる…」にも見えましたけど分かりません!
慟哭しながら雨に濡れるリーパの姿をラストに幕が下ります。

カーテンコール
とても短いで有名な流星の音色のカーテンコール。
最初に幕前に大我さんが出てきて挨拶、クルッと振り返って(この時に飛ぶ水しぶきが美しい)、幕が開いて他のキャストが登場して挨拶、最後にオーケストラを紹介して大我さんが両手ガッツポーズして(かわいい)、みんなでお別れ、の流れです。
各会場の初日と最終日にはこの後に少しキャスト(基本は大我さんのみ)のお話がありました。
真面目にご挨拶をして、捌け際に少しちょけたことを言って去っていく(かわいい)のがお約束。

全体通して気になったこと

時の流れについて
オープニングでサルム王が「私が王になってから星が百度巡った」みたいなことを言っていた気がしたのですが、サルム王は何歳なのでしょう?

①流星の音色の登場人物めちゃくちゃ長生き説
平均寿命が300歳とかならば、100年間王位に就いていたとしても不思議はないと思います。
でもそうなると1年に1回しか会えないことの価値がだいぶ下がってしまうんですよね……。
我々の感覚でいうと2、3か月に1回くらいになるわけで、それだとだいぶ順調な遠距離カップルくらいのレベルになってしまう。

②龍の血を引いてるいると長生き説
サルム(やリーパ)の寿命は長いけど、友達sやシルヴァたちの寿命は普通の人間と同じなのでは?という説。
でもそれだったら海の星の王族が龍の血を引いていることなんて、リーパくんどころか全国民周知の事実になりそう。

③そもそも1年に星が何回も巡る説
舞台は地球ではなく海の星なので、公転周期が1年とは限りません。
でも7月7日って言うくらいだから普通に太陽暦を採用しているっぽい……?

父上はどこまで想定していたか
この物語は、シルヴァは消えてしまい自分だけが取り残されるという、リーパにとって最も悲劇的な結末で終わります。
サルムが何度も言う「龍の血筋は他の人が耐えられないことが耐えられる」というのが、リーパが雨に降られても消えないことの伏線になっています。
サルムとリーパが剣でやり合った後、去っていくリーパを追おうとするフォンスに、
サルム「行かせてやれ。王とは特別なのだ、他の人間が耐えられないことが耐えられる」
フォンス「それは……リーパにとって良いことなんですよね……?」
サルム「どうかな……バカ息子が」
みたいな(ニュアンスです)のやりとりがあります。
つまりサルムはこの結末をある程度予想していたように思えます。
……いや、だったらそれをリーパに教えてやれよ!?と思ってしまって。
シルヴァだけが消えてしまうと知ったら、もしかしたらリーパは会うのをやめようとした可能性もゼロではないし、行ったとしてもシルヴァに橋を渡らせようとはしなかったはずです。(実際にシルヴァは最初リーパを橋の手前で留まらせて、自分だけが橋を渡っていこうとしていましたし。)
龍の血によって人を想う心が無くなることで、恋する心だけでなく、親子の情も失ってしまう(王位継承のシーンで親子の決別のようなやり取りがありました)という設定に基づけば、この行動にも納得できますが。
でも、サルムは人を想う心を完全に無くしたわけではないのではないのだと思うんです。
フローラーリアと語り合った過去も一応覚えていたし、フローラーリアの幸せを案じていたし、「バカ息子が」のセリフも父親としての情が残っていることの表れなのではないかと。
となるとなぜリーパに、シルヴァだけ消える可能性について伝えなかったのかが分からないんですよね……。
「雨が降ってきたぞ……どうするリーパ」じゃないのよ。
わたし本当に物語の解釈とか考察とか苦手なので(初見の時、てっきり最後はリーパも消えたんだと勘違いしていたくらい)、分かる方がいたら解説してほしいです。

松尾龍くん
舞台観た京本担みんな言っていた気がするけど、松尾龍くんめちゃくちゃ良かったですよね。
私が松尾くんを認識したのは、少クラでジェシーがSMILEを歌ったときにバラを持って踊っていたのを観たのが最初でした。

こんなことを言ってたりもして(中村くんは同じくJr.SPの中村浩大くん)。

松尾くんの情報局名義も作ったのですが、5月の単独公演はチケットアプリに日和ってパス。
松尾くんの流星の音色の出演が発表されたときは小躍りしました。
実際に舞台で観た松尾くんは、とんでもないオーラを放っていました。
頭がめちゃくちゃ小さいのに鼻が高くて綺麗なお顔立ち。真っ直ぐで長い脚。手の指先から脚のつま先まで神経の行き届いた美しい立ち居振る舞い。
初めてフィギュアの羽生選手を観たときと似たような感動を感じました。
歌のシーンはあまり多くなかったので分からないけど、声もよく通る綺麗な声だと感じました!
ブログを拝見したところによると、どうやらこの舞台を通じてかなりミュージカルに興味を持ってくれたらしく。
頑張ってほしいです、本当に。私が観たいので。
あともうちょい少クラ出てほしい。

おわりに

きっと色々大変なことがあったと思いますが、千秋楽のカーテンコール、カンパニーの雰囲気が良さそうだったのが、わたしは何より嬉しかったです。
座長姿も主演の姿も板に付いてきた大我さん。
映像のお仕事も来たし、次はいつになるか分からないけど、今度はどんな作品に出てくれるのか、楽しみにのんびり待っていたいと思います。


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