F1 2016 #6 モナコGP 決勝後TOP3会見 From the floor

またも、ピット戦略で勝ちを逃してしまったリカルド。表彰台で、いつも笑顔のリカルドがそれでなかったことも印象的だったが、決勝後の会見においても、チームに対して感情をあらわにした。どのドライバーも、チームへの感謝と一体感を示すために、常に主語に"We"を使って話しかけるが、この会見でリカルドは、チームを"They"と口にした。これは失望感を示したのか、それとも奮起を期待したのか?
最後はポジティブな発言で会見を終わらせた、リカルド。次戦カナダでチームは彼の信頼を取り戻せるのか。また、ひとつ、見どころが増えたモナコであった。


QUESTIONS FROM THE FLOOR

Q:ルイスとダニエルに聞きます。シケインの出口で、ルイスがシケインをカットして、ダニエルがオーバーテイクしようとした時に起きたことについて、お互いの視点で聞かせて下さい。
ダニエル・リカルド(以下、リカルド):僕側からみて、シケインで追い越すことは出来なかったよ。なぜなら、ルイスはディフェンスしたからね。でも、彼はディフェンスしたことで、ミスを犯し、シケインをカットしたから、僕はラジオで「ここで何か起きないのか?」って聞いたんだ。なぜなら、彼はミスをした後、先頭のままだったからね。間違いなく、僕にとっては先頭に立つチャンスだったかもしれないからね。僕には疑問だよ。もし、彼自身でミスをしたならそれでいけど、明らかに、彼はバトルの中でデフェンスしてミスをしたんだからね。審議対象になったか、ならなかったのかについては、僕はわからないけどね。

Q:審議対象になりましたよ。そして、レース中にはそれ以上のアクションはなしと決定されました。ルイスからみてどうですか?
ルイス・ハミルトン(以下、ハミルトン):正確に思い出すのは難しいよ。僕は、バックマーカーか何かの後ろで詰まったんだ。ターン8でトラクションを無くして、ダニエルが抜こうとしてきたから、僕はターン10にインサイド・ラインで入らなければならなかった。インサイド側はドライ・ラインに比べて、少しばかり濡れていたんだ。(タイヤを)ロックアップさせて、ミスをしてしまった。完全に曲がることは出来ないとわかって、僕はウェット・パッチの上を、ダニエルはドライ路面を通ることになったんだ。氷の上を通っているようだったよ。ウエットタイヤはそんなものさ、ホイールスピンをして、シケインの出口でスライドしたんだ。トラクションが戻った時に、僕はダニエルに気づき、僕の方が前で、ダニエルが右のミラー、そう僕の右リアのうしろにいたんだ。とても近づいたよね。でも、特に、アドバンテージを得たとは思っていないよ。

Q:あなたたち3人が違う種類のスリックタイヤをつけていたのは、とてもエキサイティングでした。ルイスはウルトラソフト、ダニエルはスパーソフト、セルジオはソフトでしたが、3人のペースはほぼ同じでしたね。最終スティントのタイヤ選択について詳しく話してもらえますか?
ハミルトン:僕はタイヤを選んでないよ。エクストリーム・ウエットタイヤでステイアウト(走り続けること)を選んだのは、僕の選択だけどね。ワンストップでやり切るれると信じでいたのさ。ピットストップした時に思ったんだ、彼らがダンプを通るのは、柔らかいタイヤはすぐに熱が入ってしまうからだとね。ダニエルがスパーソフトで後ろに来た時、そのタイヤは僕より長持ちすると知っていたよ。50ラップか48ラップいけることを前のレースで見ているからね。僕は最後まで行けるかわからなかった。特に、ダニエルのペースでね。でも、タイヤで最後までやりぬくことができた。多くの浮き沈みがあったよ。プッシュしてきた時も何度もあったし、バックオフも何度もあった。ダニエルが下がった時は、少しばかりタイヤをケアしたけれど、彼がペースを上げた時はタイヤを使わなければならなかった。信じられないくらいエキサイティングで、チェスのゲームのようだったね。本当に素晴らしい相手とのチェスをしているようだったよ。

Q:ダニエル、ピットに呼ばれ、タイヤが用意されていなくて、おそらく気分が変わったと思います。
リカルド:わからないよ。僕は長いスティントのためのタイヤを持っていなかったんだ。それでスパーソフトだよ。僕らはいいペースを持っていたけど、モナコだよ。誰かの後ろについたり、トラックポジションを失ったり、ペースとは関係ないよ。何ができるかは重要ではないんだ。僕はルイスをプッシュして、レース全体でプレッシャーをかけ続けたけど、それで終わりさ。彼の後ろに座っているようなもんだよ。プッシュして、少しばかりタイヤを痛めてしまった。それが全てさ。タイヤの決定は誰がしたのか知らないけれど、最後までどのタイヤでも変わるとは思っていなかったよ。長持ちするタイヤを持っていなかったからね。

Q:セルジオ、ソフトを選択することに関わりましたか? それとも、受け入れたんですか?
セルジオ・ロペス:プランどおりだよ、ワンストップでいくにはね。長いスティントのためには、ソフトが僕たちにとってベストなタイヤであることはわかっていたからね。ウルトラソフトやスパーソフトでは、うまくいかないよ。ソフトが僕たちが最後まで走るためのメインのタイヤなんだ。

Q:ダニエル、昨日は素晴らしストラテジーでメルセデスを迎え撃ちしました。今日は、パニックでしたね。あなたがレースに勝つためには、何が必要でしょうか?
リカルド:本当に、わからないよ! バルセロナではひどく傷つけられて、その後、気分を戻したけど、今日で2回連続だよ。僕らはメルセデスのようなポジションにいないから、レースを勝つことはできない。でも、2レース続けて勝つチャンスがあったんだよ、特にこのモナコではね。ポールポジションをとって、起きたら暴風雨だったけど、問題なかった。今日はいろいろあったけど、ウエットで最初からペースはあったし、全てをコントールしていたからね。明らかに、多くの部分がチームとストラテジーを頼りにしているんだ。でも2度目の間違えだよ、今、本当に傷ついているよ。ここからどこに行くのか、何をするのかわからないよ。チームは、このことから何が起きたか理解して、学ばないとね。でも、この勝利は取り戻すことはできないだろう。これが事実だよ。

Q:ダニエル、あなたは、レッドブルは毎レース勝てるポジションにはいないと言いました。どのくらいメルセデスに離されていますか? 次のレースは、まだ、勝利を目指して闘うことはできますか?
リカルド:カナダはとても楽しみにしている。あそこは、ストリートサーキットだけど、ロング・ストレートもあるし、ややパワーサーキットだ。もし、2週後も速ければ、残りのシーズンも速いという指標になるかもしれない。もし、カナダでポディウムを賭けて闘うことができるなら、他のどこでも闘うことができるよ。このトラックは勝つチャンスがあることがわかっていた。でも、この2週間で、このようなタイプのサーキットだけでなく他の全てのサーキットでも、どうやって競争力を持つことができるか、いいアイディアを得れるかもしれないね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?