ムサリク最多御礼〜JFL第26節ホンダロック戦
武蔵野陸上競技場、最多記録。3828人でございます。
従前の記録が2000年6月4日、前期第8節横浜FC戦の2744人なので、約20年ぶりの更新。しかも1000人以上の更新となりました。有馬賢二の2得点で横浜が勝利したこの試合、相手のチームの監督がリトバルスキーだったり副審が西村雄一だったりと時代を感じます。
チャレンジ5000。
Jリーグライセンス取得後初のホーム戦とあって、無料招待に縁日、試合前には親子サッカー教室を実施するなど、この試合の集客への意気込みを感じました。
11時前に会場に向かうとサッカー教室が終わるタイミングでしたが、グラウンドは親子でいっぱい。そのためか、この日はとにかく子供の姿が非常に多かったのが印象的でした。今時、こんなに子供がたくさんいるイベント会場なんてある?ってくらい。「無料」という言葉が一人歩きしていていましたが、この日は縁日企画でヨーヨーすくいなどのイベントに、出店も普段より増えていました。ホットサンドが売り切れていたのは痛恨。食べたかった・・・
この日の相手はホンダロックSC。ホームのロック戦といえば、「居酒屋ムサリク」と銘打たれたアウェイ側の盛り上がりも有名ですが、この日もハロウィンコスプレ宜しくのサッカー多国籍軍。多彩なユニフォームの面々がコンコースに現れるなどJFLらしい光景でした。みんなサッカーファンだから意外と応援しようとすると結構統率取れた応援になるのもポイント。武蔵野戦以外だったら参加できるんだけどなー。
いつもと違うムサリク、いつもと同じ武蔵野。
ホンダロックは試合前の時点で6位。新人の安藤翼が14得点で得点王争い中という要注意選手。他にもGK末次、DF伊勢、田宮ら新人が多いのが印象的。
武蔵野は前節出場停止の高が復帰し鈴木が控えに。前線では小林大地に代えて本田圭佑を先発で起用。フォーメーションは3-4-2-1のまま。
集客にかかわらず武蔵野の前半戦は守備から入ります。ロックは裏を狙ってロングボールを蹴り込みますが、守備陣がブロック。ここ数試合スタメンの大倉康輝が非常に良い動き。20分過ぎにゴール前でFKを与えますが、これは枠外となり難を逃れます。全体的にはロック攻勢の展開で攻撃面ではなかなかシュートまで持ち込むことができず前半のシュートはわずか2本に抑えられます。
後半は本田圭佑に代えて石原幸治を起用。攻撃のギアを入れ、両チームシュートの応酬となります。武蔵野は後半開始すぐに左サイドでFKのチャンスも相手DFに阻まれます。一方のロックも安藤翼が躍動。体制を崩しながらシュートもこれはブロック。至近距離シュートは本田渉が正面でセーブ。ロックにチャンスを作られながらもゴールは死守します。
しかしピンチを脱した後の58分、バックパスを受けたキーパーからのロングボールが最前線の安藤翼に収まり、そのままシュートを決められロックが先制。安藤はこれで15点目、得点王ランキングで暫定首位となりました。裏抜けのケアは前半からうまくできていただけに、この場面は痛恨でした。
この日の武蔵野は負けられない気持ちが見えます。失点後はボールの保持時間が増え、中盤の競合いでボールを奪った高慶汰がペナルティエリア外からシュートを放つと、短い時間で石原のシュート、金井のクロスとチャンスを作ります。さらに68分に大竹陸に代えて田口光樹を投入。パワフルなプレーで攻撃陣を牽引。難しい体制からシュートを放つなど、ゴールをこじ開けようと奮闘します。混戦から高がシュートも僅かにゴールの外。ゴール前では惜しいプレーが何本も続き、観客席も嘆息。ロックは安藤に代えてベテラン宮路洋輔を起用して1点を守りにいきます。
このまま惜敗が見えてきた90分、左サイドでFKを得るとキッカーは金井。キックは美しい軌道でゴールに直接吸い込まれ、武蔵野が土壇場で同点に追いつきます。このタイミングで生まれたゴールに観客も大歓声。逆転まで持っていきたかったものの、最後はロックの反攻を受けて防戦のまま試合終了のホイッスル。
玄人好みの一戦も、盛り上がりは○
まずは集客した試合で負けなかったのは大きいですね。ゴールが生まれて盛り上がりができたのも大きい。なかなか、負け試合で「また来てください」というのも難しいだけに、ゴールで盛り上がったというのは良い印象につながったと思います。勝点的にも、上位を争うチームとの差を詰められなかったのは悪くない結果だと思います。
以前は下位の常連だったホンダロックも今や強敵ですね。FW安藤翼とDF伊勢渉は特に脅威でした。安藤はこの試合シュート6本。ゴールシーンのトラップは見事。今年のロックの躍進を支えていると言っても過言ではないでしょう。伊勢は身体が非常に大きくて強い。背の低い選手が多い武蔵野ではなかなか競り合いに勝てません。水谷なんか頭ひとつくらい低い。セットプレーもかなり防がれましたね。どちらも駒沢大卒の新人。関東1部リーグのレギュラー格だった選手となると流石に目立ちます。
武蔵野は先制されるまでのはプラン通り。あとは後半のチャンスをものにできていれば、逆転する時間も十分あっただけに勿体無かったかなと思います。守備陣は頑張りました。最近寺島はるひが遠目にシュートを打つことが多いのも個人的には好印象です。
「テレビじゃ見れない武蔵野陸上競技場」
3800人を集客した武蔵野。やればできるもんですね。応援はいつも通りでしたが、ユース生がゴール裏で声を出したりと人数が増えても牧歌的な雰囲気はそのまんまだったのが個人的にはよかったです。芝生席は今までに見たことがないくらい人がたくさんいましたが、子供たちは斜面でソリをしたり走り回ったり楽しいそう。天気も良くてピクニック日和だったのも集客には良い方向に向かいました。
チームは「他のチームとの差別化に頭を悩ましている」なんて記事もありましたが、武蔵野最大の売りはこれでしょう。子供連れで来場しても、気兼ねなく子供を遊ばせられること。芝生で子供が遊んでるスタジアムなんて素敵じゃないですか。集客的にも、子供に「また芝生で遊びたい」って言わせたら勝ちじゃないですか。そのうちに、試合に興味持ったりサッカーに興味を持ってくれれば良い。武蔵野は子供向けイベントをこれからも積極的にしていけば良いと思います。お子様ランチで子供を呼ぶと親もついてくる発想で。
正直、新しいスタジアム建設でムサリクのこの良さを失ってしまうのは愚策のように思えます。JFLでもこれだけお客さん来るんだったら、Jリーグ行かなくていいんじゃ無いの?笑 こっちの方が楽しくないですか?一度Jリーグの偉い人にもムサリク来て欲しいよね。
さてさて、来週もムサリクでのホーム戦です。スタジアムの収容観客数上、厳密には平均観客数2000人の達成は不可能ではあるのですが、ファイティングポーズは取り続けるしかありません。今年の頑張りは必ず来年につながります。
ほんと楽しそうだよね。