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世界あの街この街〜JFL最終節 V大分戦〜

東京武蔵野シティFC、激動の2019年シーズンが終わりました。
終わってみればチーム名変更以来最高順位の4位。横河武蔵野時代を含めても、2009年の2位に次ぐ好成績でフィニッシュ。2009年は現今治の太田康介と生え抜き金守貴紀がベストイレブン。現メンバーでは飯塚渉、金子剛のほか岩田啓佑がルーキー、池上監督が現役最終年。優勝チームはSAGAWA SHIGA FCで得点王は塩沢勝吾ですから歴史を感じます。所属は松本じゃなくてまだ佐川印刷。

"J"に翻弄された11月を終えて。

 11月はこれまでにないくらい多くの人が武蔵野に注目をした1ヶ月だったと思います。最多観客を集めた宮崎戦の後に流れたJ3断念のニュース。大きく膨らんだ期待がしぼみ、タダ券をばらまいた集客方法への批判も散見されました。何より選手の残念そうな書き込みは心が痛かった。
 それだけに最終節はどんな雰囲気なのか、どのくらいお客さんが来るのか正直わかりませんでしたが、蓋を開けてみれば2608人。無料招待とはいえ2000人を大きく超える観客数。前回の5000人越えには及びませんが、それでも今シーズン3番目の数字。芝生席も賑わっていました。
 無料招待は手っ取り早くお客さんは集められますが、何度もやると飽きられる・有料試合が高く感じるなど諸刃の剣的な側面もあるので個人的には乱発に否定的です。正直、今年集客方法は度を越していると感じました。とはいえ、今まで動員をかけることが少なかっただけにに良くも悪くもチームの知名度は上がったのかもしれません。チームとしても「頑張ればこのくらいの人数を集められる」という手応えを感じられたという面は評価できます。
 来年は有料試合や、無料招待でも「J昇格」以外の謳い文句でこのくらいの数字を出せるかが課題でしょう。Jへ行く行かないに関わらず、集客企画の部分の努力は必ず必要になります。2000~2500人くらいが観客として見るぶんにはちょうどいいんですけどね…

惜別、武蔵野の守護神。

 さて、試合です。最終戦を前に、GK飯塚渉選手の引退がアナウンスされました。流通経済大で35試合、武蔵野では261試合でJFL計296試合に出場。GKに限ればJFLの通算出場では滋賀の永冨裕尚の302試合に次ぐ出場数。武蔵野の背番号1を12年間背負った守護神。ここ数年怪我での離脱もあったことは事実ですが、ベテランの域に差し掛かっているとはいえまだ動けますし、何より経験がものを言うポジションなだけに転勤に伴う引退は残念です。横断幕も慌てて作りましたが、もっと早く作っておけばなあと。

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2019年の集大成・・・?

なお、この試合はダイジェストが下記にて配信されています。記事と合わせてお楽しみください。
試合のダイジェストは46:50ごろから、池上監督のインタビューは51:45ごろから、石原選手のインタビューは57:45ごろから。池上監督のインタビューはなかなか赤裸々で必見です。

 武蔵野は実質の5バック、3-4-3のフォーメーションを継続。GKは引退試合となる飯塚。3バックは前節から継続で金守・寺島・望月。WBは右に大竹、左に金井。中盤に前節300試合を果たした岩田と高。前線は水谷・池田・小林大地。石原は怪我で欠場となり、2桁得点は2年連続でストップ。控えには前節出場の臼杵、田口、本田圭、鈴木裕のほか久しぶりに都丸昌弘が入りました。意外性の男、都丸が何かをやってくれそうな雰囲気。

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 対するV大分も守備陣系は福元考・西村・清水の3バック。そういえば地元に戻った福元洋平はほとんど試合出場がありませんでしたね。

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 また、V大分のDF清水大輔もこの日が引退試合。まだ20代かつ3年連続全試合フルタイム出場、今年はハットトリックも決めた主力選手なだけに引退には驚きです。

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  大分との試合はどうしても引き分けやロースコアの印象が強い印象。どちらも守備を固めてカウンターを伺うだけに、なかなか試合が動きません。スタッツでは前半のシュート数は武蔵野3で大分4でしたが、どちらかといえば武蔵野の方がチャンスはあった気がします。ゴール前でのはるひが競り合いはゴールに飛ばず。水谷はゴール前でパスに反応するもこれもわずかに相手のDFが早くクリア。

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最大のチャンスは2度あった金井のFKでしたが、1回目はゴール前の混戦でクリアされシュートまで持って行けず。

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2回目はゴール前の絶好の位置でしたが、枠を捉えきれず。

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対する大分もボールを奪った左WBの利根瑠偉が長い距離をドリブル突破したり、FW前田央樹が遠目から打ってくるなどゴールを伺う姿勢は作ります。

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 後半は前半にも増して凪のような試合展開。前半にイエローカードを受けた大竹に変えて田口光樹を投入し池田をWBに下げましたが、ボールを持った選手が数人で囲まれるシーンもありなかなか一人では打開できず、結局後半は池田と田口がそれぞれ1本ずつのシュート2本という結果。

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 対する大分の方がどちらかといえば優勢でカウンターからシュートまで持って行ったりと形はできていましたが、こちらもゴールを割ることはできず。スコアレスドローのまま試合終了となりました。

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 順位の確定した最終戦ということで緊張感という点では今ひとつだったかなという印象もありました。途中若干荒れた場面もありましたし。スコアレスドローで盛り上がりにも欠けた印象。大分のような守備の硬いチームから点を取れるようになれるかが、来年より上に行けるかにつながると思います。

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 寺島は守備でも奮闘しましたが、シーズン後半目に見えてゴールを狙う姿勢が見えたのが非常に良かったですね。写真のキックもシュート記録にはなっていませんが、枠内を捉えていました。

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 そして飯塚選手は引退試合を無失点で終えました。芸術的なシュート見切りにセーブと見せ場を作り、最後はゴールキックをミスキックするなどご愛嬌な部分もありました。それも飯塚らしくていいなあと。引退挨拶はキーパーとしての矜持と責任感を感じる名スピーチ。あなたのミスで負けた試合も確かにありましたが、それ以上にあなたのおかげで勝つことができた試合があったことを我々は知っています。本当にお疲れ様でした。
 花束贈呈は飯塚に憧れてキーパーを志したユース生の伊藤くん。飯塚のように長く活躍できる選手になって欲しいなと思います。

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この日のために作った横断幕、飯塚選手も本田選手も気づいてくれたようで嬉しかった。

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2019年シーズンを終えて。

 長いシーズンが終わりました。思えば夏までは昨年から継続の4バック。9月の3連敗を機に10月のHonda戦から3バックに変更し4位を死守しました。ちょうどHonda戦の前にJリーグライセンス取得が発表。「チームとしてもライセンスを取得できるとは思っていなかった」とは池上監督談。周りが騒がしくなる中でも現実的に勝利を積み上げた采配は見事です。万年中位をうろうろしていたチームが、昨年6位、今年は4位。ついに上位に顔を出すほどになりました。"守り重視でカウンターから得点"というチームカラーを継続しながら順位を上げることに成功したことは嬉しいですね。3バックでは4勝2分2敗、来年はどんなフォーメーションでいくのかも楽しみです。

 一方で池上監督のインタビューにもありましたが、チームが好成績を残しただけに個人昇格や引き抜きもあり得るでしょう。好成績をあげるもギリギリ昇格できなかった時ほど、引き抜きが多いと言うのは上のカテゴリでもありがちな話。特にほとんどの選手がアマチュア契約。プロ契約の打診やJチームからの誘いであれば条件の部分での引き留めは難しいかもしれません。
 2桁得点を記録した水谷、得意のロングスローに加え右SB/SHで起用できる池田、攻守に闘志溢れるプレーの高、高精度のフリーキックを持つ金井、怪我からの復帰をアピールした田口などは他チームからも印象に残っているはず。ソニーやHondaの社員選手でも移籍したケースもあるので、他の選手もわかりません。
 ただし、今年好成績を残したことでこのチームでプレーしたい選手もいることでしょう。来年はメンバーも変わり、同じような成績を残せるかどうかはわかりませんが、今年の結果を胸に来年はより上を目指したいですね。

いづれにせよ、ホームにアウェイに本当に楽しい1年間でした。
選手・スタッフの皆さん、本当にありがとう。
今年の総括や選手個人の寸評はまた改めて。

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