自分がクロスドレッサーだと気づいた話
昨年、自分がクロスドレッサーだと気づきました。
「クロスドレッサーってなんぞや」と思った方のためにざっくりとご説明いたします。
クロスドレッサーとは振る舞い(服装、メイクの有無や髪型、口調)に関して社会から求められる「女らしさ」や「男らしさ」への抵抗感を覚えるセクシュアリティのこと。
詳しくはググってください(丸投げ)。
この話をすると、よく「じゃあ女の子が好きなの?」と聞かれますが、違います。
持って生まれた性→女性
性自認→女性
恋愛対象→男性
性表現→男性
私の場合はこんな感じです。
ほとんど大多数のみなさんと同じです。
性表現だけ違います。
いろんなパターンがあるので、あくまでも「私は」ですが。
このような多様性が認められる世の中になったのはめちゃくちゃ最近。
「ジェンダーレス」なんて言葉もよく聞くようになりました。
私が「女の子らしい格好がしたくない」と思い始めたのは中学生の頃。
その頃は地獄でした。
小学生の頃は私服で普通にスカートを履いていた私。
髪もポニーテールにできるぐらい長かった。
中学生になると、私服はパンツスタイルばかりになりましたが、学校にはセーラー服で通っていました。髪はショートカットにしました。
目指していたのは当時の最推し、上地雄輔。
高校生になっても同じ。清楚な膝丈のスカートにベリーショートスタイル。
髪型はショートカットで遊びだしました。
制服のスカートは「そういうモン」だと思って当たり前に履いていました。
大学生になり、初めて彼氏ができたり、女子力高い友達ができたりと環境が変わりました。
相変わらずスカートは履きませんが、ボーイッシュ風に留まります。
そこで、母にこんなことを言われます。
「あーよかった。男になるんかと思った」
めちゃくちゃモヤモヤしました。
そして、友達や彼氏からはこんなことを言われます。
「スカート履きなよ」
これまたモヤモヤしました。
で、このやり取りにはお決まりの流れがあって、
友達「スカート履きなよ」
自分「嫌です」
友達「なんで?」
自分「スカートが嫌いだし、パンツスタイルが好きだから」
友達「履いたらいいのにー。似合うと思うよ!」
自分「イヤだから…」
※以下無限ループ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
何度頭の中で絶叫したことでしょう。
でもこのモヤモヤを表現できる言葉を、当時の私は知りませんでした。
でもそこは歪みない私。
成人式は、周りの子たちが髪を伸ばしてアップスタイルにする準備をしている中、私は前撮り前に普段どおり髪を切ってキレイに整え、ショートカットスタイルで臨みました。
で、大学3年の終わり頃、就活のときに自覚します。
「スカート履きたくねぇ‼」
1回スカートを履かなくてもいい生活を送ると、いざ履かねばならない状況が訪れた時、めちゃくちゃ嫌になっていました。
しかし内定は欲しかったので、大学の就活支援センターに「絶対スカートじゃないといけないのか」と聞きに行きました。
回答は「企業や、やりたい仕事に合わせれば大丈夫」とのこと。
安心して、パンツスーツで挑みました。
試験会場で周りの子たちを見ると、みんなスカート。パンツスタイルでショートカットは目立ち、覚えてもらえるきっかけになったので、埋もれずに済みました。
で、社会人になってから。
友達の結婚式というイベントが発生します。
服装のマナーについてググると「ワンピースじゃないと失礼」「せめて和服」という意見のサイトがたくさん出てきます。
「もう結婚式行かんとこうかな」
一瞬そんな考えが浮かびます。それでスルーした式が1回だけありました。
「でも友達の晴れ姿は見たい!」
中学からの友達の式は何が何でも出席したかった。
だって10年前に約束したじゃないか!
「誰が一番に結婚するかな?」
「式、呼んでよ! 絶対行くけん!」
ものすごく葛藤しましたが、最終的に友達のこの言葉で決まりました。
「カジュアルな式だから全然大丈夫!」
ありがとう、友よ。
結局、パンツスタイルのオフィスカジュアルを小綺麗にした感じで出席しました。
また別の友達の旦那さんはこう言ってくれました。
「パンツスタイルは似合う人限られるから、すごくいいと思う。ぜひそれで来てほしい」
私は周りの人間に恵まれているようです。
周りの大人の人にいろいろ聞いてみたところ、実際はそんな堅苦しくなることもないようです。よかった…。
自分の式まではとりあえず一安心できそうです(自分のターン来るかわからんけど)。
そして今年になってふと、自分が持っている感情の正体が気になりました。
「こんなにスカート嫌いなのって自分だけ?」
ググったら一瞬で答えが出ました。
「あーこれクロスドレッサーって言うんだ」
めちゃくちゃスッキリしました。
自分を一言で説明できる言葉があるって最高だなと思いました。
そして、もうめんどくさいやりとりをしなくていいんだと思うと気が楽になりました。
マイノリティー上等。これからこの言葉と共に生きていきます。