理想のコミュニティに近づけるには?利用者目線で行動を分析してみた。
「コミュニティ運営者が思い描く理想のコミュニティ像と現実」をテーマとした記事執筆企画が運営者交流コミュニティ「コミュタン」で始まりました!本記事はその一環で執筆したものとなります。他参加者の記事はこちらから確認できますよ~!是非一読くださいませー!参加いただいた皆さんにも感謝🙌
〇 理想と現実の違いに葛藤
コミュニティの「理想」は、運営者の趣味嗜好や運営動機と深く結びつきますよね。例えば私がコミュタンを建てた理由は「コミュニティ運営を語り合いたい!参考になる情報にもっと触れたい!」という欲望です(笑)
しかし、掲げるだけの理想は現実を置き去りにしてしまう事もしばしば。「思い描いていた雰囲気や、コミュニティの使い方に結び付かない…」悩んでいる運営者もいるのでは…?と思います。
それもそのはず、「利用者のニーズ」を無視した運営は立ち行きません。単に運営者の希望を利用者に押し付けても、コミュニティを使って貰えないし、不満が生じます。運営者と利用者の妥協点を探らないといけない。
運営者の間では「自分のコミュニティが過疎っていて…、盛り上げるにはどうしたらよいだろう?」という定番の質問が有りますが、回答の一つは「利用者目線に立っている?」だと思います。
う~ん。運営って難しいですよね…。本記事では、運営者コミュニティ「コミュタン」を題材に「理想のコミュニティに至るには」をお届けしますよ!長文ですがお役に立つものがあれば嬉しく思います。
〇 コミュタンは難しい矛盾を抱えている
コミュタンの目玉コンテンツは「運営ノウハウの共有」です。
良い情報を共有して、運営に役立てよう!多様な運営者の豊富なノウハウを交換し合えば、自コミュニティに活かせることも多いだろう!というもので、「理想」としてはばっちりですが、実現は簡単ではありません。
利用者のニーズは、役立つ運営ノウハウを自分が受け取る事で、誰かに伝えたい人は少数だからです。
運営ノウハウを欲しい人だけ集まっても、提供する側が少なければコミュニティは回りません。悩ましい問題です。
これだけ聞くと掲げる理想のコミュニティ像は破綻しているのでは…。そう感じてしまいますね…。
しかし、大切なのは理由です。なぜ、運営ノウハウを誰かに伝えたい人は少数なのか。
仮説としてぱっと思いつくのは…。
「自分と同じように悩んでいる運営者を減らしたい」「役立ってほしい」という貢献感は人がみな持っている。でも、貢献感よりも面倒くさいが勝っているからノウハウ投稿者が少ない…とかでしょうか。
より深く理由を究明する為に、実際に利用者が運営ノウハウを投稿する過程を考えてみます。
ここめっちゃ大切だと思っています。何がと言いますと「利用者目線で過程を考える」ことです。この「過程を分析すること」が本記事で皆さんに共有したいポイントなので強調しますね(笑)
〇 コミュタンの課題は「重さ」にある?!
「運営ノウハウの投稿」という作業を複数の工程に分解してみます。
【ノウハウ形成の段階】 [かかる時間:1週間~半年]
1.ノウハウ形成のための素材集め
運営ノウハウを見出すには経験や知識が必要です。日常的なコミュニティ運営、他コミュニティの観察、本や記事からの情報収集など。先ず最初に、考える為の素材集めから始まります。
2.ノウハウに結び付く仮説形成
ある程度の経験や知識が身についてくると、「こうしたほうが上手くいくのでは」という仮説(運営ノウハウの卵)がうまれます。まだ言語化は難しいけど、コツが掴めたかもなぁという段階です。
しかし、この時点の情報を誰かにノウハウとして伝えるのは躊躇しがちです。「偶然、上手くいっただけかも?」と確証がないためです。
3.仮説が正しいことの証明
仮説の正しさを得る為には、「成功体験の繰り返しで確認出来た」「仮説のからくりをしっかり整理できた」など内発的なきっかけや、「考えに賛同を得られた」「似た事例を他コミュニティで見つけた」など外発的なきっかけが必要です。
4.運営ノウハウの確かさに自信を持つ
仮説に正しさを認める事が出来れば、自身を持って他者に伝える下準備が整います。
【ノウハウ発信の段階】 [かかる時間:5分~1時間]
5.ノウハウ発信後を想定する
運営ノウハウを見つけても、それを他者に共有するか、自身だけのものにするか、葛藤がうまれます。
例えば、「運営ノウハウを労力かけて整理、投稿したとして、他者から思わぬ批判にさらされないだろうか…」など、行動後の評価や影響を無意識に考えてしまいます。実際は感謝される事でも、悪い方に考えてしまう事はありがちです。
6.ノウハウ発信の実現性を検討する
また、「伝えたい事を言葉として整理できそうか」「文章を考える時間を確保できるか」など、現実的に行動に移せるかどうかも考えます。
7.ノウハウ発信の是非を決断する
「5」や「6」の思考を経て、ノウハウ発信に踏み切るかどうかを判断します。
8.思考を文章化するために整理する
他者に読んで貰う事を想定して、頭の中の思考を整理、文章化します。
9.ノウハウを投稿、フィードバックを期待する
ドキドキしつつノウハウを投稿します。また、周囲から寄せられる反応を想像しつつ期待します。
【ノウハウ発信後の段階】 【かかる期間:1日~1週間】
10.自信に有益であったかを判断する
ここまでの過程を通して、結局投稿したことが有益だったかを考えます。「考えを再整理する機会にできた」「他運営者の役に立ったようで嬉しい」「考える中で新しい発見が出来た」とポジティブに捉えれば、有益だったと考えられるでしょう。
一方で、「ノウハウ投稿したけど思ったより反応悪いな…。骨折り損のくたびれ儲けだった…」とネガティブに捉えれば、無益だったと考えるかもしれません。
11.次回以降の対応を検討する
「10」の結果を受けて、「また別のノウハウを投稿してみようかな」と動機づけを得る事ができれば、次回に結び付きます
一方で、「無反応だったり、批判ばかりで恥をかきたくないなぁ」と消極的になれば、次回には結び付かないかもしれません。
さて、ノウハウ投稿を3期、11過程に分解して考えてみました。
こうしてみると、ノウハウ投稿は様々な過程を経て行われている事が分かります。準備期間を含めれば、1つのノウハウを生み出すのに半年単位かかることもある「重たい行為」なのだと実感しますよね。ノウハウ投稿の難しさは単なる「面倒くさい」に限らない事が見えてきました。
〇 運営ノウハウへの「態度」を変えていく
私は今まで、「コミュニティ運営していたら幾つかのノウハウは皆持ってるよね。共有していこう~!」と大分気軽に考えていました。しかし、いざ「運営ノウハウ投稿」という作業を分析すると、捉え方が現実離れしていると認識できました。
一方で、丁寧に段階を踏む事ができれば運営ノウハウ共有は可能という事も見えてきました。理想に向けた運営のヒントが分かってきましたね。
以上を踏まえて、下記のような対応案を考えてみましたよ。
■ コミュニティ説明会で強調する事
新規参加者向けにコミュニティ説明会を開催するとしたら、コミュニティコンセプトやサーバー活用方法を説明するだけでは不十分だと分かりました。伝えるべきメッセージがあります。
「完璧万能なノウハウである必要はない!」「中途半端、些細なものでも誰かのヒントになる!」「投稿してくれた労力に対して、リアクションや感謝メッセージは大切!」といった内容は欠かさずに伝えたいですね。軽率に投稿して良いんだという事を知って貰いたい。
■ 1人で見出すのではなく、皆でノウハウを発掘する
運営ノウハウを誰かから貰うのではなく、「皆で見つけていく」「拾い合う」という姿勢が大切になると思いました。やり取りの中で、「あ!これってノウハウになるよね」という発見をする。
例えば今回コミュタンで行った記事企画の中にも、ノウハウがいろいろ詰まっていそうです。それらを皆で探し出していったら、いくつか新しいノウハウが発掘されるかもしれないですね(笑)
■ イベントをノウハウ発掘の契機にする
他にも「コミュニティで工夫している事を当て合うゲーム」も面白そうですね。
例えば「コミュタンでは自己紹介チャンネルをフォーラムチャンネルで作成していますが何故でしょうか」という問題を出したとします。答えは「単なる自己紹介で終わらせずに会話に結び付けやすいため」ですが、参加者から違う答えが出れば、それが新しい運営ノウハウになるかもしれませんね。
このように、運営ノウハウ投稿を受け身で待つのではなく、積極的に発掘していく姿勢に改める事で、「運営ノウハウ投稿の少なさ」という課題を乗り越えていけるのではないか、その様に考えました。
〇 まとめ
今回皆さんに伝えたかったことは、利用者目線で行動分析してみよう!ということでした。理想を目指すのは大切ですが、上手くいかないときは利用者のニーズを拾いきれていない場合があります。
理想を妨げている要因は何かな?と深堀しないまま、「みんなこうしてくれ~!」と理想を言うだけでは中々上手くいかずに悩んでしまいますからね。私自身も反省する事が多い内容でした👍
参考になる内容が有りましたら嬉しく思います~。 〆
〇 運営者コミュニティの紹介
『コミュタン』の紹介
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