『REPLAY』のリリックビデオ全14曲達成と、その裏話とか。
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こんばんは、未来屋マサルです。ついに『REPLAY』に収録されている全14曲のリリックビデオをすべて投稿することができました。このプロジェクトはここ数年のライフワークだったので、達成感でいっぱいです。
『REPLAY』がどういうアルバムかと言うと、未来屋マサルの最古から最新まで幅広く収録した3年ぶりのCD作品、って感じでした。ここまではnoteの記事に書いてありますが、今回はM3も含め裏話っぽい部分にも触れます。
そもそも、『REPLAY』というアルバムは、私が「サウンド担当」と呼んでいるえすけさんに、拙作の『浮気性』をカバーしたいと言われたところからスタートします。その時はまだ、アルバムの構想はありませんでした。
そして数日後、ものすごいスピードで完成した音源を渡されました。弾き語りの曲にベースとドラムが追加され、まさに自分の描いていた「アコギかつバンド」の体現を目の当たり、いや、耳の当たりにしました。
詳細な台詞は覚えていませんが、えすけさんは「よかったら別の曲も」という旨を私に伝え、そして私もそれに甘えるように次から次へとカバーをお願いしました。その度に、物凄いスピードで送られてくる音源たち。
気付けば、私の手元には10曲以上の音源がありました。いや~、びっくりした。最初は1曲くらいならお試しで、という軽い気持ちでお願いしたつもりが、お互いに楽しくなり、量も効率もすごいことになっていました。
ちなみに、えすけさんのブログにも、カバーに至るまでのあらましや、全14曲の意匠などが書かれています。こちらもお楽しみください。
アルバムの構想が出てきたのはこの頃でした。これだけのカバーアレンジを世に出さずに終わらせるのはもちろん勿体ない。きちんとアルバムを作ってCDを売れば、お礼も支払える。そしてそれだけの曲数はもうある。
かねてから構想があったカラオケも、リリックビデオを制作すれば動画付きで配信できる。アルバムを作るなら、リリックビデオの投稿がプロモーションも兼ねる。そして2021年秋には同人即売会『M3』が控えている。
私の頭の中では、すべての点が一本の線でつながっていました。
そうと決まれば、レコーディングです。つまり、えすけさんが拙作の弾き語りに付けたドラムとベースを逆輸入して、それに合わせて全曲のギターと歌を再録する。そして、それをまたえすけさんに渡してMIXしてもらう。
それと同時に、リリックビデオの制作が始まります。私は、Twitterでずっとフォローしていたメラノサイトさん(当時は『なしなほしの』名義)の絵を見て、「いつか自分のために絵を描いて欲しい」と思っていました。
この点もまた、線となりました。Twitterでメラノサイトさんがギャラリーに参加することを知り、意を決して会場へ足を運びました。そして、メラノサイトさんの作品を購入した後、私は本人にこのように言いました。
「絵、描きませんか?」
メラノサイトさんは「え、描きますけど…」と答えました。単刀直入すぎて意味不明な切り出しになりましたが、私はリリックビデオの制作を考えていること、有償で絵の依頼を受けて欲しいこと、を続けて説明しました。
こうして、役者は揃いました。メラノサイトさんは、コンスタントなスケジュールを完璧にこなすだけでなく、こちらのイメージするコンセプトにぴったりの作品、抽象的な意図を汲み丁寧な対応をしてくれました。
2020年6月頃に『浮気性』のカバーが始まり、2021年4月末にリリックビデオ第1弾『蒼』が投稿されました。『蒼』はアルバムの1曲目でもあり、この動画シリーズのスタートでもある、「始まり」を感じさせる曲でした。
2曲目は『人形を抱く』を投稿しました。歌詞が黒い帯で出てくるアイデアを思い付いてよかったです。画面がビシッと締まった感じがします。
3曲目は『笑窪』でした。ストレートな曲なので、編集もできるだけシンプルにしようと考えました。せっかく書いてもらった絵をシルエットにするのは抵抗がありましたが、サビのインパクトは出たと思います。
4曲目は『抜けた炭酸』。これは、アコギだった原曲をどうしてもバンドサウンドにしたくて、突貫工事で制作しました。夏に間に合わせたい、とえすけさんには無茶をさせ、リリックビデオの完成は投稿30分前でした。
そう、この時はまだ、動画編集は自力で頑張っていました。こうして、1~2ヶ月程度のスパンでリリックビデオを投稿し続け、5本目の動画として、新アルバムのリリースを発表する、クロスフェード動画を投稿しました。
ちなみに、このクロスフェード動画を投稿する前には、プロモーションとして、10日前からTwitterでカウントダウン動画をツイートしていました。
アルバムのマスターデータを印刷所へ入稿したのは、2021年10月12日。余談ですが、印刷所の対応はすごく丁寧で、細かい部分を確認するためにわざわざメールしてくれたりする会社で、人のあたたかみを感じました。
そして、『REPLAY』のジャケットデザインはメラノサイトさんにお願いしました。いや、ジャケットだけではなく、盤面・帯・歌詞カードも含む、すべての部分を担当してくれました。本当にいい仕事をしてくれました。
そして、ついにオリジナルCDが完成しました。念願のプレスCD、念願の歌詞カード付き。自分の、自分達の作品が、モノとして残る喜び。
そこからは、忙しい日々が続きます。密かに憧れていた音楽同人即売会『M3』に未来屋マサルがサークル参加することも決まっており、CDの宣伝とM3の準備と、同時進行で色々と終われることになります。
紹介動画を制作したり。
Twitter用のCMを制作したり。
未来屋マサルの名刺を制作したり。
そして、2021年10月末。いよいよ、M3が始まります。北海道札幌市から飛行機で東京へ、前日入りしました。リュックにCDを詰め込んで。
友達に売り子をして貰いました、ありがとう。M3まで足を運んで、わざわざ買いに来てくれた人もいました。本当に、本当に嬉しかったです。
ディスプレイも、フライヤーも、ポスターも、全部自前。黒い布だって、慣れない手芸屋さんへ行って、サイズを伝えて切ってもらいました。
オンライン中継にも出演させていただきました。緊張しすぎて「未未屋マサル」と書いたところ、「点が足りないですよ」と助けていただきました。
M3が終わり、アルバムも順調に売れ、そこでやっと、えすけさんにお礼をお渡しすることができました。頑張って作ったものを売って、自分の音楽を誰かに届けて、そしてそのお金でまた音楽を作ろう。そう思えました。
さて、M3までに投稿したリリックビデオは4曲。アルバムは全14曲なので、残り10曲分も制作しなくてはいけません。リリックビデオの投稿順は季節を意識していて、冬に『靴紐』、春に『まるい命』を投稿しました。
この時、私は『エンターテイメントラボ』というローカルFMラジオ番組のパーソナリティをつとめており、同時にこれらのリリックビデオを「うたスキミュージックポスト」でカラオケ(JOYSOUND)に配信していました。
手が足りなかったのです。そもそも、自分はデザイン畑の人間ではなく、AviUtlを見様見真似でこねくり回しているに過ぎません。リリックビデオの制作は成長にはつながりますが、同時に苦痛でもありました。
誰かがリリックビデオの制作を手伝ってくれたら、あわよくば、私の代わりに制作してくれたら。今、思い出したのですが、そういえば当時はボイストレーニングにも通っていました。常に何かに追われていた気がします。
こんなnoteも書きました。
リリックビデオ第7弾『プライド』に着手した頃、「リリックビデオの制作、良かったら少し手伝おうか?」と声を掛けてくれる人が現れました。
えすけさんでした。これまで散々、ドラムとベースとミックスとマスタリングをこなしてくれたのに、動画編集まで手伝ってくれると言うのです。流石に申し訳ない…と思いながら、結局その言葉に甘えることにしました。
こうして、『プライド』のリリックビデオは合作となりました。イントロ部分の編集に困っていたのでその部分だけ作って貰いました。時間としては短いシーンかもしれませんが、これだけで本当に助けられたんです。
ここだけの話、『プライド』のリリックビデオを作った頃、自分は力尽きていました。自分にもっとセンスがあれば、自分にもっと技術があれば、もっといいリリックビデオが出来たのに、と悔しい気持ちもありました。
次の『サボテン』は、『笑窪』のようなシンプルな作りにしたいと構想していたので、そのように進めました。えすけさんにはサビの部分をお願いしました。Aメロのカレンダーやひび割れのエフェクトもえすけ案です。
余談ですが、『サボテン』のロゴは自分で制作しました。チクチクした感じにしようと思ったのに、新世紀エヴァンゲリオン感が出てしまいました。アニメと言えば、この男の子、ちょっと範馬刃牙っぽいなと思ってました。
そこから『とかげ』『粘膜の接触』については、私は完全に監修のみで、リリックビデオの制作も方向性もすべて、えすけさんに一任しました。ちなみに、『とかげ』の題字を書いてくれたのも、えすけさんだそうです。
アートワークについて、最初の頃は、左右に歌詞を入れるため「動きのある」ポーズを避けていましたが、やがて「新しいことを取り入れて変化を加えよう」「動きがあった方が目に留まる」と考えるようになりました。
メラノサイトさんは、いつもA案、B案、場合によってはC案、とラフをあげてくれるので、本当に助かりました。『とかげ』は『顔が見えなくてもいい、背中を向けているとか』と伝えたところ、この案が出てきました。
ちなみに、メラノサイトさんのBOOTHで、未来屋マサルのリリックビデオに使われたイラストはもちろん、なんと使われなかったボツ案も収録されているアートワーク集をご購入いただけます。ぜひ買ってください。
この冊子、最後のページに、各イラストの登場人物たちの集合絵が収録されているんですが、彼らが「生きている」感じがして良いんです。
そういえば、それまではメラノサイトさんの絵を受け取ってから、リリックビデオを制作しながら「ぐぬぬ、早く見て欲しい!」と歯を食いしばっていましたが、えすけさんに共有するようになってそれも解消されました。
毎回、「今回もめっちゃいいね…」「本当いいっすね…」と感想を共有できるようになりました。『粘膜の接触』も二人で絶賛していました。
年が明け、2023年になりました。このアルバムで最も自信のある作品、『candle』のリリックビデオはずっと構想していました。後回しにしたのは、動画編集の技術が高まるまで温めておきたかったからです。
えすけさんにも構想を伝え、まさしく「リリックビデオ」と言うにふさわしい言葉の連打、めまぐるしく歌詞が流れ、そして最後に蝋燭が消える…というコンセプトが決まりました。イラストは2枚、描いてもらいました。
そして、1曲の中でライマーが交代するように、このリリックビデオはフレーズ毎に交代して作ることにしました。えすけさんのパートと私のパートが交互に……今まで以上に「合作」であり、ある意味「VS」でした。
えすけさんには「自由に作ってください」と伝えましたが、最終的には二人の世界観があまりバラけないよう、えすけさん側が調整してくれました。お互いに進捗を送り合う数日間、あれは本当に楽しかったです。
また春が来て、今度は明るい曲を投稿しました。この頃には、もう残りの曲が限られていたので、投稿順は決まっていました。『馬鹿ばっか』は、イラストも動画も、未来屋マサルらしからぬ風味になりました。
このリリックビデオは、絶対に自分では作れないと思います(笑)えすけさんの遊び心が随所にちりばめられていて、眺めているだけで楽しい動画になったと思います。イラストも、できるだけ映えそうな案を選びました。
さて、クライマックスはこの曲です。未来屋マサルの代表曲、といえば当然『浮気性』であり、この『REPLAY』の発端でもあり、最もカラオケ化を熱望されていた曲でもあります。やはり、思い入れも強くあります。
先程の『candle』と同様、「温めていた」曲なだけあって、こういう動画にしたい、という構想はくっきりしていました。メラノサイトさんに抽象的なイメージを(いつもすみません…)伝え、理想のイラストになりました。
そのため、この動画はえすけさんの手を借りず、私が制作しました。19歳の時に作った曲が、29歳になって投稿される…その動画を、自分の手で制作するということに、何らかの意味を感じていたのは確かです。
19歳の頃の自分、流石に若い。
この曲は6月末に投稿しました。6月生まれの自分。6月の花と言えば紫陽花。花言葉は『浮気』。だからこそ、このカラーリングなんですね。
そして、最後はこの曲になりました。『REPLAY』の収録曲は、アコースティックが13曲で、14曲目の『抜けた炭酸』はボーナストラック、という扱いにしています。その13曲目の最後の曲が、この『秒針』でした。
短い曲ですが、エンディングテーマのような疾走感があり、最後の曲にふさわしいと考えていました。えすけさんに最後の最後のお願いをして、リリックビデオを制作していただきました。夏の終わり、物語の終わり。
並べてみると、最初はカラフルにしたいと考えて単色の背景でお願いしたものの、見事に青ばっかりになっちゃいましたね。まあ、音楽性がね…。
えすけさんから、「そういえば自分だけで進めちゃってるから、方向性とか間違ってないか確認したい」と進捗が送られてきました。でも、その動画が自分が思い描いていた通りだったので、じんわりと嬉しくなりました。
こうして、『REPLAY』に収録された全14曲は、無事、リリックビデオがすべて投稿されました。二年間、いや三年間、長くて楽しい時間でした。
さらっと書くつもりだったのですが、M3の話に寄り道したこともあって、結構なボリュームになってしまいました。これで最後なので勘弁してね。
残りのタスクとしては、『秒針』のカラオケ配信がまだ終わっていないので、これから配信作業をする予定です。それから、この『REPLAY』のリリックビデオをサビだけまとめて、ダイジェストでも作ろうかなと思います。
このアルバムは、未来屋マサルのBOOTHでいつでもご購入いただけます。ジャケットが格好いいのでぜひCD版を買って欲しいところですが、このデジタル時代ですしDL版でもいいです(笑)ちなみに値段は変わりません。
そうは言っても、Youtubeでいつでも無料で聴けるようにしちゃったのも事実なので、やっぱりCD版を買って欲しいかなと思います。歌詞カードも付いているので、じっくり歌詞が読めるのも魅力だと思ってます。
このプロジェクトが終わって、これからどうするの?って疑問もあると
思うんですが、それについては、またnoteとかで発表したいと思います。
最後になりますが、えすけさん、メラノサイトさんをはじめとする、ご協力いただいた皆様、応援してくださった皆様、曲を聴いてくださった皆様、本当にありがとうございました。そして、最後までお疲れ様でした。
いつでも『REPLAY』してください。
未来屋マサル
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