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大腸カメラの戦い

このノートはこちらの続きです(*'ω'*)

長くなりそうなので分けさせていただきました!

このパートだけでも違和感ないかと思いますが、よろしければお読みいただけるとうれしいです。

0.あらすじ

体調不良(下痢・吐き気・血便など)で病院に行った私は血液検査の結果、CRP38の数値をたたき出し即入院、即大腸カメラ決定。

本人は絶望のさなか淡々と大腸カメラの戦いが始まろうとしていた。

1.事前準備の乱

着の身着のまま、大腸カメラを受けることが決まった私。大腸カメラの名前だけ聞いたことはあったが頭にはクエスチョンマークが広がっていた。

何をするんだろう、痛いのかな、つらいのはやだな、やれば治るのかな…医師が説明を始めるまで、一人悶々としていた。

ようやく医師が看護師さんへの指示だしを終えたころ口を開いた。

「今から準備をしてすぐに検査をします。大腸カメラは肛門からカメラを入れて十二指腸くらいまで状態を見ていく検査です。お母様にもご説明しましたが、一応リスクとしては腸に穴が開いたり死亡するケースも稀にあります。ただ、かなり稀です。お母様には同意いただけましたので、頑張りましょう。」

こんな感じのことを言っていたように思う。正直、泣いていたので難しい説明はあまり覚えていない。ただやりたくないけど自分の体のことは自分ではなく母親に決める権利があるのだな、とぼんやりと思った。(未成年者なので当たり前だが)保護者の同意さえあれば医師はやれるのだ。私のやりたくない意思は伝える間もなく、あっけなく不戦敗となった。

「これから事前準備として便をすべて出していただきます。普通なら下剤を飲んでいただくのですが、緊急なので浣腸で処理しましょうか。」

こうして初めての大腸カメラはイレギュラー対応となった。後に知ることになるのだが、便が固形でなければ大腸カメラは強行できるそう。

相変わらず淡々と医師は説明をし、その後看護師さんも同じく淡々と私を検査室まで連れて行った。道中ふと、あることを思い出し、打開策になるかも!という淡い期待で看護師さんにこそっと告げてみた。

「あの、私今生理中なんですけど検査ってできるんですか?」

「問題ないです~!検査着に着替えてもらって、紙パンツになるのでそこにナプキンつけてくださいね~」

全く意味はなかった。そりゃそうか、問題があれば事前に問診されるはず。退路を断たれたようだった。

検査室につくと着替えを手渡された。一見いたって普通の検査着だ。ただ下の検査着はお尻側が大きく穴が開いており、これから受ける検査をさらに憂鬱にさせた。

着替えの後、話通り早速浣腸をされた。何が何だかわからすされるがままでいたが、看護師さんはやや怖めの声色で

「お尻絞めてくださ~い。浣腸全部出ちゃいますよ~」

と圧をかけてくる。もはや全身の力が入らないのでそんなことを言われても困る。第一、浣腸なんてされたこともないしどこの筋肉を使えばいいのかすらわからない。本来そこは出すところであって入れるところではないのだ。必死に下半身周りの筋肉を使い、どうにか無事に浣腸は終わった。

本来は少し時間を置くらしいのだが、浣腸ビギナーの私はどうにも異物感があって耐えられずお手洗いに駆け込んだ。おそらくほとんど浣腸の意味はなかったのではないかと思う。

何となく出し切ったところで検査室へ戻るとすでに医師が待機していた。

「こちら側がお尻になるように横向きになってくださいね」

看護師さんの指示に従い検査台に横になった。大腸カメラの戦いはこの一声で開戦を迎えようとしていた。

2.大腸カメラの戦い いざ開戦

指示通り検査台の上に横になると、台が上がり始めた。その間も看護師さんは私の指に機械をつけ、血圧を測り始め、と慣れた手つきでどんどんと対応している。俎板の鯉とはまさにこのこと。ただされるがまま、いわれるがままの体勢をとり、その時を戦々恐々と待っていた。

そして医師が開戦宣言を告げる。

「お尻に麻酔を塗りますね~」

かと思いきやまだだった。ひんやりとしたゼリーを塗り、今度こそ開戦宣言だ。

「カメラ入りますよ~」

こうして初めての大腸カメラはスタートした。生まれて初めて自分の内臓を見ながら行う検査だ。どうせならしっかり見ようと覚悟を決め、モニターに目を向けた。少しずつ奥に進んでいくカメラ。序盤は何ともなく、怖がって損したとすら思った。

そんな時間は一瞬で終わった。腸の曲がり角に差し掛かり、医師の指示により、カメラを先に進めるために看護師さんは私のお腹を押した。その瞬間、とてつもない痛みと圧迫感を感じ叫ぶ。

「痛い!!無理!!!」

たとえて言うならば、お腹の中から殴られているような感覚。逃げ場がなく耐えようがなかった。

「今カメラが通りましたからね~リラックスしてくださいね~」

となおも医師はカメラを進めていく。どこまで進めるのだろうか。カメラが前に進むたびにとてつもない激痛がお腹に走っていく。リラックスなどできるはずもなく、精一杯抵抗するのだが看護師さんにより貼り付けの刑に処される私。あまりにも痛がるので途中から

「鎮静剤入れよっか~。最初ちょっときついから頑張ってね」

と軽い医師の一言。最初から入れたらよかったのではと思いつつ、点滴の管から鎮静剤が注入された。途端に血管にピリリとした痛みが走り耐えられない吐き気とご対面。

(え、さらに苦しめられてる???)

びっくりするほど簡単に、吐くものがない胃からよくわからない緑色の液体をもどすと、医師はこう告げた。

「吐いちゃうよね。多分もう効くからね。」

どうやら強い薬だったのか、打たれると結構な確率で吐くものらしい。吐けば特にそのあとは痛みも感じず、楽に検査をうけることができた。ただ、ここまでの流れの痛みと恐怖から大腸カメラに対する大きな恐怖心が誕生し以後の入院生活で断固拒否姿勢をとるに至る。

そんな中検査は続いているわけで、ちらっと画面を見ると初めて見る自分の内臓ではあるが禍々しく赤く腫れあがり素人目にもどうやら腸が悪いらしい、というのは見て取れた。

そこからは医師が腸内の写真を撮りつつサクッと検査は終了。終わってから検査台に座ると、何やら本を持った医師が見せつつ話し始めた。

「恐らく、食中毒です。サルモネラ菌によるもののように見えますね。これ(本)とこの写真(実際の私の腸)を見てください。似て見えませんか?」

…似てるといえば似ているがこじつけのように見え、かつ菌類についてややその辺の18歳より詳しかった私は医師に告げた。

「サルモネラだとしたら感染経路がわかりません。約1週間弱、卵や鶏肉は食べてないですし、水分も基本的に水道水は飲んでいなくて市販の飲料水しか口にしてないんですよね…」

「なるほどなぁ…でも感染症にしか見えないので、一旦感染している線で治療しましょう。サルモネラ以外も含めて」

とのこと。医師の診断へこれ以上素人が何を言っても意味ないし、プロがそう思うならそうなんだな~と思い、得体の知れない感染症に恐怖を感じる反面、感染症ならすぐ治るのではという期待も持ちつつ検査室を後にした。

そこからは検査着のまま車椅子に乗せられ(もう歩けなかった)、病床まで運ばれた。おそらく抗生物質と思われる点滴を打たれつつ、ぼんやりとする意識の中で人生で2度目の入院が始まった。(ちなみに一度目の入院は急性胃腸炎で高校時代に1日入院しました。)

3.入院は突然に

当然のことながら、着の身着のままで入院になってしまったので一般的な入院セットはなく、明日からどうするんだろう?と思いつつ寝るしかなかったので1日目はぐっすりと睡眠。

とはいかず、夜中に目が覚める。なんだかよくわからないが体がすこぶる熱い…。

ナースコールを握りしめ、ただひたすらにこれ以上変な症状が出ませんように、と祈って看護師さんが来るのを待った。






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