ほんとにあった呪いのビデオのお気に入りエピソード

ほんとにあった!呪いのビデオというビデオシリーズがあります。

一般人から投稿された「幽霊が映ってしまったホームビデオや監視カメラ」を紹介・検証するビデオシリーズで現時点で94巻(番外編などを含めると100巻以上)が発売されている、20年以上続く長寿の心霊ドキュメンタリーです。ぼくがこのシリーズと出会ったのは小学生の頃で、ほぼシリーズ立ち上げの頃からのファンです。

※この記事ではほん呪を「フェイクドキュメンタリー」として書きます。

■ほん呪の面白さ

今でこそ、ほん呪と同じ「心霊ビデオ」を扱った作品は多くあります。「Not Found」「心霊パンデミック」「心霊曼邪羅」「心霊盂蘭盆」「XXX」「呪いの黙示録」などなど…。しかし「ほん呪」が持っている魅力はたくさんあります。

・ほん呪で紹介される映像はバリエーションに富んでおり、「街で実際に開催されている祭りの映像」「実在する店舗や病院の監視カメラ」「8ミリフィルムで撮影された昭和時代の沖縄の映像」「駅で撮られた人身事故直後の映像で、ベルが鳴り響き駅員が慌ただしく走っていく映像」など、とてもフェイクでは用意できないような映像が紹介されます。他のシリーズにもお祭りや監視カメラの映像はありますが、ここまで色々なバリエーションの映像を広く集めているほん呪はやはり抜きん出ていると思います。

・またはっきりと「フェイクドキュメンタリー」断言してないことも魅力の一つです。他のシリーズでは「フェイク」とはっきり断っていたり、明らかにコメディ・ギャグに振り切っていてシリアスだと思って観ていると気が抜けてしまうものもあります。(もちろんシリーズごとにコンセプトは異なり、それぞれのおもしろさがあります。)しかしこのシリーズは一貫して「フェイク」とは一切言わず、コントのようなエピソードも少ないので、シリアス系好きとしては安心して観ていられます。2010年ぐらいまではネットでほん呪のファンサイトや掲示板を見るようなこともしなかったので、しばらくの間はずっと映像は本物だと思ってみていました。特に子供の頃は怖すぎて夜に眠れないこともありました。

そんなほん呪ですが、アマゾンプライム会員の無課金で見れる作品群に1~25巻が含まれていましたので、お気に入りだったエピソードや怖かったエピソードを書き連ねていこうと思います。

■お気に入りエピソード

※ほん呪発売元であるパル企画さんの公式で見れるエピソードもあるので、見つけたものは貼っていきます。

10巻より 「下水道」
https://youtu.be/qzEa1pA86vU
カップルが排水溝に指輪を落としてしまったため、その探索のために排水溝にカメラを忍ばせる。すると画面の端に「化膿した、歯茎のついた歯の一部」が一瞬だけ映り消える。
・それまでに見てきた心霊映像は顔や手足が映り込む、半透明な人影が映り込むといったオーソドックスな心霊ばかりで、表情やポーズから何となく霊の訴えてることや心情を察することができたのですが、この実体のある歯だけという現象は何故現れたのか、なぜ歯だけなのか、なぜ排水溝だったのか、全く理解できない現象でとても恐ろしく、今でもとても印象に残っています。排水溝から異臭が漂っていたという小ネタもいいですね。

13巻 より「前触れ…」
投稿者が夜にふと窓の外を眺めると、そこには不思議な光景が拡がっていた。あるビルの上空に人影と思しきものが2つ、浮かんでいるのだ。しかもその2つの人影は向かいあい、歩いて近づいているように見える。しばらく眺めていると人影は何も無かったように消えてしまう。数日後、このビルで女子高生が自殺をはかった。女子高生はこのビルになんの関係もなく、なぜこのビルを選んだのかは不明だが、投稿者は自分が目撃した光景がこの自殺の前触れだったのではないかと考えているという。
・怖いことは怖いのですが、それよりもちょっと幻想的にも見えて好きなエピソードです。はるか上空、人間のいるべきところではない場所で人影がなにかの意思を持って動いている姿は理解の範疇を超えていて、異星人が地球上で何かをしているようにも思えます。取材シーンも色調を弄って暗い画面になっているので、まるで別世界のような雰囲気を感じます。

15巻より「ニューロシス」
https://youtu.be/K-pi_xYmr7g
心霊ドキュメンタリー好きからすれば説明不要ですね。2人の女の子が廃墟の遊園地(富士ガリ〇ー王国)の鏡迷宮に入ると、まるで折檻をするような女性の怒鳴り声と子供の鳴き声が聴こえてくる。この霊の声は最初は微かに聞こえる程度だったのだが段々とカメラに近づいているように大きくなる。パニックになった女の子は建物から何とか脱出する。
・日本語のように聞こえるが決して何を言っているか判断できない怒鳴り声、廃墟の鏡迷宮、パニックに陥る女の子、謎の声と本当によくできたエピソードだと思います。youtubeではカットされていますが、このエピソードのインタビュアーは大きなインパクトを残した藤屋敷さんですね。

15巻 「夜釣り」
親子で夜釣りをした際に撮影した映像。突然海面に「発光する人間の腕」のようなものが現れ撮影者と息子はその不気味な光景に唖然とする。撮影者は「腕」を撮ろうとするが緊張しているのかピントが合わなかったり頻繁にぶれてしっかりと映せないうちに腕は消えてしまう。
・動揺してカメラが震えている様に怯える息子さんのつぶやきが合わさり、非常に緊迫した様子が伝わってきます。今考えると「腕」をつくりものに見せないためにピンぼけをさせたり長く映さなかったのかと思うのですが撮影者と息子さんの演技がすごくうまく、観ていて息を呑みました。

15巻より 「新年鍋」
https://youtu.be/rcgjKBX18Dw
友人間で新年会を行った時に撮った映像。机に置かれた調理器具のボウルに、不気味な人影が2体写りこむ。しかも手前の影の頭と思われる部分には不釣り合いに大きな球体の影が重なる。しばらくすると影たちは残像のようなものを残してどこかに去っていく。
・これも意図が分からない系です。人型っぽいけど頭が球体のカプセルに覆われたように大きくなり、残像を残し去っていったり動きがとにかく不規則です。新年会で盛り上がる団欒の横で得体のしれぬものが現れ、去っていったと考えると非常に怖いです。

21巻より 「余命」
https://youtu.be/P7VK09LpgW8
入院している友人のお見舞いをした時の映像。映像を撮影した後、友人は亡くなってしまったという。ベッドの上でお見舞いに来た人たちと雑談している友人だが、カメラが振れる一瞬、ベッドの向こうから友人を睨みつける何者かの顔が覗く。
・これは霊の姿がおぞましいです。土気色の肌、ギョロギョロとした目、見切れるタイミングなど全てが完璧です。

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最初期のエピソードで紹介される映像は、現在の心霊映像と比べるとは霊の姿がものすごく分かりづらく「木の葉や枝が偶然そう見えたり、光の反射の見間違いでは???」と思えるようなものも少なくないです。ただそういった作品があるからこそ本物かもしれないと思わせる力があり、時々ある秀逸なエピソードが光っています。
ここから下はアマゾンプライムでは配信されていませんが、もし興味があればぜひレンタルや他の配信サービスで確認してください。
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42巻より 「腹切りやぐら」
鎌倉にある「腹切りやぐら」で撮られた映像。やぐらの中にある卒塔婆を映していると映像にノイズが走り、ノイズが消えると卒塔婆の向こうから何者かがこちらを覗いている。そしてその顔は卒塔婆の後ろに隠れる。
・画面が乱れてノイズが消え去ったときに一瞬だけ見える顔というシチュエーションが好きなエピソードです。ただ顔が見えるだけではなくノイズを挟んでいることで非常に面白さを感じます。

47巻より 「廃墟の演奏会」
廃墟で発見したテープに残された映像。子供のピアノ演奏会の映像が収められている。ステージの上でピアノを演奏する女の子。しかしその後ろに女性の霊が現れ、女の子に近づいていく。すると突然カメラが切り替わり、座席にカメラを放置したような構図の、前の誰も座っていないパイプ椅子だけを映したような暗い映像に変わる。次第にピアノの旋律がおかしくなり、パイプ椅子の影から髪を下ろした女と思しき頭がゆっくりと現れる。
・演奏する女の子の後ろから近づく女性も怖いのですが、その次の画面、暗い映像で徐々に現れる女性の顔がとても怖いです。これに加えほん呪スタッフが調査したエピソードが加えられ、怖さを引き立てています。

51巻より 「空中楼閣」
これは不思議で仕方ないエピソードです。
若者が夜中に何も無い原っぱを訪れると、なにもないはずの高い場所に突然四角い光が現れる。カメラをズームすると光の中にまるで窓から外を覗いているような人影が映る。その人影はこちらに手を振っている子供のようで、その奥に大人がぼうっと立っているのが見える。
・上記の「下水道」もそうだったのですが、時々霊は人間の理解できない姿で現れるようです。もしくは、霊の記憶のようなものをそのまま人間に見せているのでしょうか。ナレーションでは少女が犠牲になった連続誘拐殺人事件に触れ、現れた子供がその犠牲者であるかのような示唆がされますが、発生している減少は幻想的で美しくも見えます。ちなみにこの調査では川居さんは岩澤さんに、なぜか取材とは無関係な落ちていた動物の骨を触らされます。2020年に開催されたファミリー劇場のインタビューでも、川居さんはそのことに触れていました。

51巻より 「夜警」(後にリリースされたベスト版では「夜の警備」と改題)夜中のドライブ中に撮影者の男性が警備員らしき人影を見つける。しかし同乗者はそんな人影を見ていないという。カメラが窓の外の暗闇を映していると画面に小さく何かが映り、なんだろうと目を凝らした瞬間…。
・これはうっかりやられてしまいました。これは「まず画面の中に小さくうごめく何かが映る」→視聴者が何かと思いじっと見る→「警備員の亡霊がこちらめがけて全速力で駆け抜けてくる」という構成になっていて、しっかりと引っかかってしまいました。映像を見ていて体をのけぞらせたのは久しぶりです。びっくり系はあまり評価しないのですが、これは好きなエピソードです。ちなみに改題されているのは同じ発音で「夜景」というエピソードがあるためでしょうか?

54巻より 「見えぬ踏切」
投稿者が大学の部室で見つけたというminidvの映像。恐らく大学生と思わしき一行が夜に自動車を走らせている。高架下に見える道で車を停止させると、突然踏切の音が鳴り響く。段々とパニックになっていく車内の若者たち。どんどん大きくなっていく踏切音、そして黒い何者かの影や顔が映りこみ、電車の通過音が響くと映像は終わる。
・音で怖くなる映像は久々で、踏切の警報音とともにパニックになる大学生たちが見ているこちらの心も慌ただしくさせます。そしてこの映像の詳細や映っている人物が何もかも不明であることが怖さを引き立てています。

以上お気に入りのエピソードです。気分によって加筆修正するかもしれません。よしなに。

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