はじける粒子
当時小学生だった私が体験した最初のテレビゲームは、アップライト筐体のスペースインベーダーであった。
当時はゲームセンターが犯罪の温床となっていたこともあり、学校の規則で入店が禁止されていた。私はそんなことにお構いなく、100円玉を握りしめゲームセンターに通った。中学生にカツアゲされても見つからないように、靴の中に千円札を入れ、ポケットに数百円だけ入れて遊びにいったこともあった。
ゲームのマーケットは、やがてゲームセンターから家庭へ移行する。当時ゲームセンターで人気だったタイトルが、コンパクトな電子ゲームに移植されはじめたのだ。
小学生の心の浮立ちは爆発する。最初に買ってもらったゲームが、バンダイのスーパーミサイルベーダー。次が学研の平安京エイリアン、東京に出張した父親にアメ横のヤマシロヤで買ってきてもらったバンダイのクレイジークライミングと、クリスマスやら何やらで何かを買ってもらえる度に選んだのが電子ゲームであった。
電子ゲームの台頭により、テレビゲームの携帯性が担保されたのがこの頃。子供たちは学校に電子ゲームを持ち込み、放課後はそれぞれが持っている電子ゲームを持ち寄って遊んだ。
せっかく目の前に友達がいるのにお互いが電子ゲームで遊ぶ光景は実は数十年前からあった。
インベーダーの移動音やビーム砲の電子音とブラウン管の光が発するはじける粒子感に心を奪われた少年時代であった。
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