こそこそ、と。
陽が差し込まないカーテンの隙間。
毎日聞いているスマホのアラーム音にビクッと反応して、ゆっくり目を開くと脳みそがじょじょに動き出す。アラームを消そうとするが間違えてスヌーズにしてしまう。ブチっと充電コードからスマホを外すと、なぜか充電ができなていてなく、すでに残りの充電は25パーセントになっていた。
オレンジ色の光が部屋中を包んでいるリビング。ベッドルームには光が入らないというのに。メガネをかけていないので、メガネがどこにあるかが見つからない。
ぼやっとした視界の中で感じるのは眩しい日差しとちょっとごちゃついた室内。昨日脱ぎ捨てた黒い服だと思って掴もうとしたら、飼っている黒猫の頭を撫でていた。
明日こそ早く起きるぞ、とか。
明日こそ部屋を片付けるぞ、とか。
明日こそもっと動くぞ、とか。
色んな「こそ」が、朝になるとなぜか簡単にリセットされてしまう。
きっと、それこそが重要なことだろうに。
マスクがあるからいいか、と今日もまたメイクをサボって服だけ取り替えて外界へと出る。そして明日もまた。
こそこそと、少しずつは進んでいるとは思うのだけど。
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