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私には、時間がない

「私には」なんてタイトルに書いたがこれを読んでいるあなたもきっと時間がないだろう。

なぜなら、誰もが平等に「死」を受け入れないといけない時が来るからだ。それはこの世に生まれてしまった中で、唯一確実に決まっていることだ。


私は定期的に「死」について考える。それは何よりも死を恐れているから。


学生の頃に当たり前のように読んでいた、歴史の教科書に載っている偉人たちの写真や似顔絵を見ても、実在していたなんて正直実感がわかない。

それと一緒で、自分もいつか実体が消えてしまうなんて想像がつかない。

どうやって死ぬかわからないけど、心臓が止まって、無になる。無になることさえも理解できない状態になり、この世から去ることが、絶対に、確実に、くる。

誰かに忘れられるのも怖いけど、私が私を認識できなくなるのが怖いのだ。


そんなことをグルグルと考えていたら気持ち悪くなって、オフィスで思わずしゃがみこんでしまったことがある。

結局は「いつか死んじゃうからやりたいことをやろう!」という思考にいきがちになるが、そうじゃない!!!と叫びたくなることがある。

もちろん人生は楽しむに限るし、そうあろうとは思うけど、「死」そのものがまだ受け入れがたいのだ。


小さい頃はアニメや小説などで不老不死を求める悪役を見て「なんで?」と思っていたけど、今なら彼らの気持ちも少しはわかる。


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親類のお葬式や様々なニュースが蓄積され、自分の中の死の輪郭が少しずつ浮かび上がってくる。

大人になればなるほど、死の匂いが近づいてくる。

どうやったってそれには抗えないのだ。

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さどまち
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