いつだってこれからが本編
いつ開花するのか、雨で流れてしまわないか、と散々わたし達を騒がした花びらがハイヒールを鳴らす灰色の床に落ちている。
イメージとは違うその大量の白に、まるで虫の死骸のようだとぼんやりと考えていた。
その子たちが昨日までいた場所を見上げてみると、ぼくはここだよ〜と言うようにゆらゆらと柔らかそうな葉が揺れている。
光に透けるその緑を見ていると、落ちた花びらはただの目次で、これからが本編なのだと気づく。それは「令和!令和!」と新元号への盛り上がりと、5月から長く続く時代へのワク