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「最高の働きがいの創り方」のコラムを公開 - 40歳から1年間で英語をマスターした勉強法

Twitterを再開して3カ月、さまざまなトピックを投稿していますが、特に英語学習に対する関心が高いことが分かりました。

Twitterの短文では私の体験談を包括的に書くのは難しい。そこで拙著「最高の働きがいの創り方」に英語の勉強方法をまとめたコラムがあるのを思い出し、出版社に相談したところnoteでの公開の許諾を得ました。

英語がコンプレックスになっているビジネスパーソンの方も多いと思います。英語は正しい学習方法で、かつ短期間に負荷を掛けて勉強することによって驚くほど向上します。

本稿は私が40歳で一念発起して取り組んだ勉強法です。少しでも皆さんの英語学習の参考になることを祈っています。

■ コラム 40歳から1年間で英語をマスターした勉強法

余談になりますが、私自身、帰国子女でも海外に長期で留学していたわけでもないので、英語はそれほど流暢とはいえませんが、外資系の社長として本社と意思疎通するのには不自由しないレベルにはあると思います。

英語は、基本的に独学で勉強しました。特に転機となったのが、コンカーに入社する前、電気自動車のインフラの事業をしていた時です。経産省との共同実証実験の推進を、本社のある米国西海岸と、研究所のあるイスラエルとの間に立ってやりとりしましたが、英語によるスピーディで高い精度のコミュニケーションが求められ、英語力を磨き直す必要性を痛感させられました。そこで、40歳で一念発起して、英語を徹底的に勉強しようと考えたのです。目指すは、英検1級の合格と、TOEIC満点。

英語の勉強というと、多くの人が英会話スクールに行きがちですが、私が優先したのはリスニングとライティング。スピーキングは、ある程度適当でも、なんとか伝わります。一方で、リスニングができないと相手とのコミュニケーションが始まりませんし、ビジネス文書のライティングがきちんとしていないと、メールや文書でコミュニケーションした相手から信頼を得ることができません。

結果ですが、勉強の成果で、英検1級に合格。これは、英語力の高い社員がそろうコンカーの中でも私だけのようで、少しだけ自慢です。

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また、TOEICは700点代だったものが、満点は達成できなかったものの945点になりました。

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では、何をしたのかというと、単純です。1年間、とにかく嫌というほど勉強したのです。ただ単なる勉強と異なったのは、勉強の効率を徹底的に考え抜いて取り組んだことです。

1. 正しい学習方法で勉強を開始する

まずはじめにやったのは、「勉強法の勉強」でした。世の中には、英語の勉強法がたくさんあります。それを徹底的に読み込んで、自分なりのやり方を確立させました。たとえば、ライティングを伸ばすには文法力と短文作文力、リスニングを伸ばすには1つひとつの単語の発音の確認に加え、自分自身のアクセントのチェック、といったように、英語で必要とされるスキルを要素に分解し、それぞれに自分のやり方を決めて徹底的に実行しました。

2. 英語の音を脳に刻み込む

まず取り組んだのが単語の発音の確認。apple、bookといった初歩的な単語から始まる合計2時間程度のCDコンテンツを100回、「声に出しながら、繰り返し聴くべし」と参考書に書いてあったので愚直に聴きました。

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通勤時間はもちろん、朝は5時に起きて、英単語の発音のコンテンツを聞きながら、ウォーキングしていた時期もありました。ぶつぶつとつぶやきながら歩いていたので、すれ違う人にはきっと奇妙に映ったことでしょう(笑)。こうして、単語および単語を構成する発音記号と実際の音をつなげる回路を頭の中に作り上げることができました。

3. 大量の英語の文章を脳に流し込む

それから、多読です。多読用にレベル分けされた薄いテキストを何十冊も買って、とにかく読み続けました。多読の勉強法の本には、「英単語を100万語読め」というアドバイスがありました。そうすれば、日本語のように読めるようになるから、と。

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私は40万語で切り上げてしまいましたが、ずいぶん早く読めるようになった効果はもちろん、英語で文書を書いている際に英語の文章特有のリズムやトーンが自分自身の中にストックされていくのを実感することができました。本当に英語漬けの毎日だったので、数カ月ぶりに大好きな司馬遼太郎の小説を読んだ時のうれしさは、今もよく覚えています。

4. 英会話スクールよりも英語特有の発音とイントネーションを身に付ける

英会話スクールには行きませんでしたが、発音に関しては、発音専門の学校に通いました。発音は、人にチェックしてもらわないと正しいかどうか自分では判断できないため、独学はあきらめたのです。その学校は、英語で外国人と会話するのではなく、日本人の先生を相手に「th」のような日本語にない発音や、英語特有の文章のリズム、イントネーションを声に出して集中的に学ぶところです。

日本語よりも英語のほうが音の数が圧倒的に多く、母音だけでも日本語はアイウエオの5音しかないのに、英語は30音近くもあります。また、中学・高校の英語の授業ではあまり教えられませんが、英語では、get outは〝ゲット アウト〟ではなく〝ゲラウ〟のように音と音がつながったり、消失したりします。これらを理解していないと、どうしても、いわゆるカタカナ英語になってしまい、正しい文章で話していても伝わらないケースがあります。

それまでは正直、カタカナ発音をそれっぽく英語発音にしようとしていたのが、だいぶ矯正されました。また、自分で話せる音は耳にも入ってくるようになるので、リスニングにもいい効果があったと思います。

5. 英文法を徹底的に鍛えなおす

ライティングでは、英文法を徹底的に学び直しました。英語の文法はコンピュータのOSのようなものであり、また言語的には比較的シンプルですから、ルールさえある程度頭に入れてしまえば、それなりの質の文章を書けるようになります。

多くのビジネスパーソンが、中学・高校で苦労してテスト勉強をした時のトラウマがあり、「英文法の勉強は楽しくないもの」と思っています。しかし、英語を書く時に、ルールもわからず、当てずっぽうで書いて、結果として「質の低い文書を書く人間」=「仕事の質に問題がある人間」と誤解されてしまうより、仕事で英語を使う機会があるビジネスパーソンならばしっかりと英文法を学び直すべきだと思います。

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私の場合には、『ロイヤル英文法』(旺文社)という分厚い文法書を、最初のページから1語残らず、受験生のように蛍光ペンを引きながら勉強し直しました。これによって、英文の精度が上がったのみならず、書くときに文法に迷わなくなったのでスピードも圧倒的に速くなるという効果も得られました。

6. マニアックな単語も試験のための割り切って学習する(英検1級を狙わない人はスキップしてOK)

単語は、ある種、英検1級の試験のために実務で必要とされている以上に勉強しました。英検1級では、実際には到底使われないであろうマニアックな単語の知識が問われます。たとえば、sagacious。これは「利口」「賢い」という意味ですが、実用的にはsmartで十分です。しかし、これも試験のためと割り切りました。単語勉強のスマートフォンアプリがあって、それを徹底的にやり込み、そのアプリにある英検1級レベルの単語はすべて暗記しました。ほとんどの単語は実用では使わないので試験のあと忘れてしまいましたが(笑)、それでも時々、英検1級の単語で記憶に残ったものを無意識に会話の中で使っていたためか、米国本社の社長から「ボキャブラリーがあるな」と言われたのはうれしかった出来事です。

7. 瞬間英作文で構文の回路をインプットする

英作文とスピーキングの両方に効果があったのが「瞬間英作文」という勉強方法です。

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これはさまざまな構文を含む短文の日本語を見て、瞬間的に頭の中で英作文を作り、それを口に出してみる、ということをひたすら何回も練習して口に定着させるという勉強方法です。構文の実際の使い方を勉強するのに役立つだけでなく、思考の内容を英語化する反応速度を上げるのに非常に効果がありました。本来は英語で思考して、英語でアウトプットできればいいのですが、一定の年齢に達してから英語を勉強する方にとっては英語で思考するのは困難です。このアプローチは英語を「型」で覚えてしまうという観点でとても効率がいいのです。「型」をたくさんストックできれば、あとは単語を入れ換えるだけで、かなり多様なコミュニケーションが可能になります。

まとめ 英語学習に近道はないが、流した汗は嘘をつかない

私はトレーニングジムで筋トレをするのが好きなのですが、英語の勉強は筋トレと通じるものがあります。

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「いかに時間をかけ、回数をこなすか?」が重要なのです。ベンチプレスの1回1回は嘘をつきません。英語も、正しい勉強方法で、しっかりと時間を使って勉強することによって、必ず身につきます。「1日10分であなたも英語がペラペラに」とうたう教材の広告を時々目にしますが、英語の勉強に近道はありません。

正しい勉強方法で、しっかりと時間を使う。そうすれば、使った時間は嘘をつかないのです。

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