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初音ミク流行り出した2000年代を30代が語るね

私が初音ミクに出会ったのは大学生、20歳くらいの時でした。
出会った、と言うより初音ミクが誕生した時(2007)に居合わせのがその歳でした。

その時何であんなに日本の中に浸透していったのか、私目線で書いていこうと思います。

そもそも当時日本で流行ってたいたのは歌の上手さを売りにするシンガー、その歌上手が遺憾無く発揮されるR&B。そして楽曲に絡み付くマイルドヤンキー感。
今思うとソフト右派ですが、俺とオマエ、一生大切にする、地元愛、家族愛、あなたに会えなくて寂しくて泣いちゃう私、健気な私。それじゃなかったらアイドル。アイドルでもやっぱり友達愛と地元愛。といった風潮の曲がとっても流行っていました。
男女で歌の傾向も今より全然違いました。

そういった大衆の流行に全く共感出来ないティーンに刺さってしまったのが初音ミクでした。
当時タブーだった鬱や自殺を扱った歌詞、セックスワーカー目線の歌、自分の中の怪物の様な感情を吐露する曲など、沢山の「身近」な楽曲がありました。
(同時期に流行っていたビジュアル系バンドもそういったテーマを扱うバンドが多かった)
しかも毎日のように誰かの新曲がアップされていきます。
歌上手が流行っていた中で、初音ミクの電子声は「歌が上手いと思わせたい」という人間的な感情が抜け落ちる事によって逆に「歌詞への共感(自己投影)」が強調されていきます。
ちょうどドラクエやポケモンの喋らない主人公に逆に共感、自己投影してしまう様な感じです。(ドラクエ……涙)

ゆっくりなバラードやPOPな曲が流行る日本のTV(メディアはほぼTVだった)を尻目に、機械である初音ミクにしか歌えない息継ぎ無しの高速な曲を高音で歌うミクに熱狂しました。
始めは「流行りの人間の歌う曲のカヴァー」や「流行りのアイドルっぽいクオリティ高い曲」が人気でしたが、次第に「初音ミクにしか歌えない曲」「初音ミクの高音ボイスが映える曲」などが台頭していきました。
2023年のYOASOBIの「アイドル」は逆に初音ミク的な高音高速を人間が歌う様になった訳です。
高いと言われる日本人の声がここでかっこいい日本らしさとして評価されるようになるなんて、アイドルの世界的ヒットに実は私はとても感激していました。
西洋人に難解な“媚びるアジアのアイドル像”の、ある意味「解答」になっていたのもヒットの要因だと思います。

ともかく、今でいうクィア的なジェンダーレス感、アンチ大衆文化、どんな性格・性質・年齢にもなれる多面性、そして実験的な楽曲、未完成的な楽曲に多くのティーン、だけじゃなく当時の20、30、40くらいのオタクの人にも浸透していきました。

最後に私の好きな曲を紹介します。
日本だけではなく海外にもファンが多いのも魅力です。
因みに海外だとOliverというボーカロイドが使われる事が多くて、実は初音ミクじゃないのもいっぱいあります。私も実はグミの声が好きです。

ATOLS
MACARON

Circus-P
Copycat

Ashinikkoとミクのコラボ曲
Daisy 2.0 Feat. Hatsune Miku

momocashew(モモカシュー)
Pumpkin Spice Dummy

龍の巣P 
やめてやめてやめてやめてやめて

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