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透明な夜の香り
最近読んだ中で間違いなく一番お気に入りの本だったから、記憶が薄れていく前に読後のこの余韻を書き留めておきたい!と思って久しぶりにノートを書きます🙂↕️
9ヶ月ぶり(笑)
「透明な夜の香り/千早茜」
題名を見てつい衝動買いしちゃった!
本の中に何度も出てくる「香りは永遠に記憶される」
っていう言葉、実は最近私も気になってて、大学の心理学の講義で先生にお願いして深掘りしてもらったから、このタイミングでこの本に出逢ったことが運命みたいに思えた。
表現の仕方がすごく綺麗で、登場人物がそれぞれ抱えているものが、仕草とか目線、声色で表されていて、読んでいてすごく惹き込まれていくお話だった🪽
昔からハーブやお花、果物とかの植物が出てくる本が大好きだったから、久しぶりにそういう本に出逢えて、
キラキラした夢の世界に入っていくようで...🎠🎀✨️
小学生の頃大好きだった「魔法の庭ものがたり」っていう、ハーブの薬屋さんになることを夢見てる女の子のシリーズ作品を思い出したんだけど、同じ人いるかな。
香りでいうと、私も結構鼻が利く方だと思ってて、
よく言われる「季節の香り」とか「天気の香り」を感じることが多い。
それぞれの時期に思い出の香りがあって、その香りを感じると、その記憶がぶわーーっと蘇る🙂↕️🫧
私は春が一番それを体感する季節で、毎年春が近づくと胸が苦しくなるんだけど...。多分出会いと別れの季節で毎年色んなことが春に起きるから(笑)
季節の香りを感じる人ってどれくらいいるんだろう。
失うともう思いだせなくなるのに、
違うということだけはわかるのだった。
忘れられなかったら、きっといつまでもつらい。
記憶にすがってしまう。
こちらの言葉、本当に大共感でした...泣
元恋人の香りはその代表例だよね、きっと。
たくさんの時間を一緒に過ごして
自分の一部であったといっても過言ではない人が、
別れて二度と会えない人になって、
ずっと大好きな安心する匂いだったはずなのに、
時間が経っていくとどんどん思い出せなくなる。
別れてそこまで経ってない時は、街で同じ柔軟剤や香水を使っている人とすれ違うと、その元恋人との色褪せた思い出が一気に色付いて鮮明に蘇る。
けど、もっともっと時間が経つと、街で同じ香りに出逢っても、「あの人と同じ香りだ」ということにすら気づけなくなる。
私が初めて付き合った人、SHIROの香水を使ってたんだけど、今はその香水を嗅いでも何も思い出せなくなったし、懐かしいとも思わなくなった。
こうしてどんどん香りの記憶も更新されていくんだろうな。少し悲しい🥲
ここからは、表現の美しさに心を奪われた部分をメモ🗒
「朔さん、薔薇色。」と言うと、
「ほんとうだ、ロゼワインを流したみたいだね。」
と目を細めた。
夕焼けで空が濃いピンク色になっていることを、
こういう表現の仕方をする2人。本当に素敵。
濃いピンク色の空を見ても、私には「薔薇」「ロゼワイン」
なんて発想は浮かんできません!!
本当に、ほんとうに、綺麗な表現。
レース模様のような細工のアンティークグラスで小さな泡がぱちぱちとはぜる。甘くて、花のような芳香がした。脳が薄桃色に染まり、吐く息までもが香る気がした。
「爆ぜる」を「はぜる」とひらがなにするだけで、こんなにも柔らかくてふわふわした文章になるんだ...と感動😭ここの描写、くっきりと華やかな映像が脳内に浮かんできた。
人並外れた嗅覚を持つ朔さんと、
音や声を色として捉えることができる一香。
2人の繊細な感覚が、言葉を通して鮮やかに描かれていて、改めて作家さんって本当にすごい...!🥲
朔さんと一香の最後の場面、
朔さんは一香からどんな香りを感じたのかな〜〜。
本当に、作品内で使われている言葉一つひとつが綺麗で、
綺麗すぎて、まるで私が小さい頃に感じていたトキメキを詰め込んだ宝石箱みたいだった。
私もこんな風に言葉を紡げるようになりたいな♩