アニメ『ダンジョン飯』をD&D側から解説”できなかった”
はじめに
アニメ化も果たしたヒット作、『ダンジョン飯』。
読者の皆様の中には、原作者がTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(以下D&D)の影響を強く受けているという話を耳にされた事があるかもしれません。しかし、具体的にどの辺りがD&Dなのでしょうか?一緒に紐解いていきましょう…
…紐解けたらよかったんだけどね
とまあ、普段なら各要素を解説している所だったのだが、アニメを第1話まで見終わった所で思った。
「これ、割とジェネリックじゃないか?」
元々D&Dは西洋の伝承類や当時のファンタジー、SF作品のイメージを多く取り込み、そして1974年に登場して以来、現在の多くのゲームの礎となってきた。
そのため、ゴブリンやコカトリスがいるだけで、罠を解除するという用途の呪文があるだけで明確にD&Dを意識しているとは言い切れない。ぷにぷにしたゼリー状ではなく、緑色の粘体のスライムが天井から覆いかぶさってきてもだ。
作者こそD&Dの大ファンではあるが、ダンジョン飯はダンジョン探索を主軸としたRPG全般のイメージや、D&Dが大きく取り扱わなかったが、のちの国産のRPGで多く現れるようになった西洋の伝承類(マンドレイクなど)が多分に含まれており、明確にD&Dを由来とした要素を特定しきれないのである。
(なお、これは実際にD&Dを遊ぶ諸兄のイメージ源にならないという事を意味するものではない。チルチャックの罠探しのシーンなど、クラスの能力などのイメージは極めて芳醇なものである。)
私見として、「D&D度合い」を5点満点で評価すると以下の通りとなる。
5点:直接的にD&Dの要素を多数取り込んでいる。公式の映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』や、D&Dの実プレイを原作とする『ヴォクス・マキナの伝説』、初代『ファイナルファンタジー』など。
4点:物語に関わる要素の一部が明確にD&Dを由来としており、他にもD&D要素が多い。『ゴブリンスレイヤー』など。
3点:部分的な要素単位にD&Dないし古典的RPGの影響を感じるが、主軸ではない。『BASTARD!!』や『ダークソウル』など。
2点:RPGである、もしくはRPG風味はあるが、明確にD&Dが関わっている印象はない。
1点:ファンタジー色はあるが、D&DどころかRPGの香りすら感じない。
0点:そもそもファンタジーですらない。
そして、『ダンジョン飯』を評価するなら、5点中3点なのである。
この記事を書いている時点でアニメの第2話までしか見ていないのだが、この段階では、『ダンジョン飯』はD&Dの知識があるからといって面白さが跳ね上がるかと言われればそうでもなく、詳細にD&Dとの関連性を紹介する必要性が薄く感じたのだ。
(過去の『BASTARD!!』の記事が第1期で止まってしまったのも同じ経緯である。)
もし読者諸兄が「そんな事はない」と思っているのならば、Twitter.com(@mslabo102)や本noteのコメント欄で教えてほしい。
普段はどういう記事を?
ダンジョン飯から見に来てくださった皆さんのために紹介すると、普段は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に関連した解説記事を多数投稿しています。
昨年公開された映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』について、多数の要素を詳細に紹介しています。
また、アマゾンプライムビデオで『ダンジョン飯』をご覧になられている皆様であれば、同じくD&Dをルーツに持つシリーズ『ヴォクス・マキナの伝説』もオススメです。現在公開されている全2シーズン全話分も同様に紹介しております。
読者の皆様は、『バルダーズ・ゲート3』を遊ばれている、もしくは遊ぼうと思っている方もいらっしゃるかと思われます。そういった皆様にはこちらがオススメです。