20210615 デザイン日報
○今日の気になるWebサイト
Venus - the story of the magnificent goddess
https://venus-story.com/
この作品はアメリカ・ニューヨークのデジタルデザインスタジオ・Loonar Studiosによる非営利プロジェクトです。
神話における女神の美しさに触発された彼らは、その物語を題材として紹介することによって、同じアイデアが数十から数百のバリエーションへと展開していき、アーティストの表現の幅が広がることを目的としているようです。
横スクロールで進んでいくこのWebサイトはまるで本を読んでいるかのようで、しかし本に比べて文字のサイズのジャンプ率が高かったり、余白がかなり広めだったり、大きく絵を取り扱ったりすることで読みやすさを考慮しています。
また、スクロールしながらアニメーションが走っていく様子は動画のように感じながらも、動画に比べてすきな部分に目を止めてじっくりと文章を読めることから、Webサイトって実はこのような一見難解な題材の物語を読むのに適しているのかも知れないなと思いました。
○今日の気になる記事
UXデザインはユーザーの苛立ちを鎮める鎮静剤 | UX MILK
https://uxmilk.jp/77568
まずはこの記事の導入をご覧ください。
2005年、あるレストランのオーナーがノートPCを使っている際に、苛立ちのあまりパソコンを巨大な鍋に投げ入れました。2007年、怒り心頭の男性が窓からPCを投げ捨てたことで、深夜に警察沙汰の騒動になりました。さらに2015年には、激昂したユーザーが自分のPCを路地に持ち出して、弾丸を8発打ち込むという事件が起きました。
この記事の導入がおもしろすぎてそのまま読み進めてしまうと同時に、自分のデザインももしかしたら誰かにこんな行動を起こさせてしまうかも知れないと少しだけ気が引き締まりました。
こういった電子製品が不本意な挙動をしたときの苛立つ感情から起こる不合理な行動のことを「コンピューターレイジ(computer rage)」と呼ぶそうです。
とある心理学者によると「私たちの行動には目的や目標があり、その達成に対するいかなる妨害も不快に感じる」もしくは「目標への期待感」がこうしたフラストレーションへと結びついているそうです。
また「私たちはコンピューターをまるで生身の人間のように扱っているという学説」もあるようで、
「メディアの擬人化(Media Equation)」という学説によれば、私たちは知人や友人に対するのと同じようにテクノロジーに反応し、コンピュータの振舞いはパーソナリティが原因だとさえ見なすのです。
それらを解決できるのはUX(ユーザー体験)であり、「UXが良くても悪くても私たちは感情的に反応すること」が研究でわかっているそうです。
人々が正気を保つためには、テクノロジーの進化に合わせてUXなどのデザインも同様にやっていかなければならないですね。