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KCGTにおける調整過程・デッキ選択理由など

こんにちは、今回はKCGT本戦~決勝ステージまでの調整過程やデッキの選択理由などをまとめました。少々長いですが今回のKCの参考にもなるかもしれませんので是非お付き合いください。



まずGT予選終了後、フライトコントロール型のTGをKCGT予選に引き続き使用していました。理由としては単純にKCで長く使った結果愛着が沸いたからです。

勿論環境的に優位なわけでもないので、大会で3回戦ぐらいまではいくものの勝ち切れない日々が続きました。
中でも問題だったのはサンダードラゴンなどの手札誘発デッキとの相性です。

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上はTGの最終的なサイドですが、どれほどサンダードラゴンや炎王に対して頭を悩ませていたかわかると思います。

6/27 CCS使用デッキ

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この大会は、TGを完全に捨てるきっかけになりました。
これまでのオノマトに対して先後問わず有利であることがフライトコントロールの強みでしたが、オノマトが月の書を採用し始めたことにより先攻も後攻も辛い状況になってしまいました。

また、このデッキは対面の理解度によって左右される部分が非常に多いです。

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例えばこのように妨害にならないモンスターを無駄に召喚してしまうと、ストライカーの起点になってしまい手札5枚を有効に使われてしまいますが、妨害にならないモンスターを召喚しないようにするだけでTG側は「カタパルトドラゴン」か「スクリューサーペント+レベル1TG」からのスタートを余儀なくされ、妨害1枚で動きが止まってしまいます。これらの起点になるモンスターはストライカーワーウルフと違い戦闘でアドバンテージを失ってしまうため、着実に攻め手を削がれてしまう結果になるのも辛いところです。
前期自分がTGで金アイコンを取得した際、局所的ハリケーンをフル投入していたのは、途中から対面の理解度が上がり始めACTなど一部のプレイヤーがコアやレッドライジングすら召喚しなくなったためです。ノーガード+ガバ伏せを徹底された場合勝ち切ることは難しく、実は局所を失って一番辛かったのはTGだったと言えるかもしれません。

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一方で評価を上げ始めたのはオノマトです。
KCGT予選では上位のオノマトのほとんどが月の書や狡猾などを入れたロースピードなオノマトを使用していました。これまでワンキルデッキとして長らく環境に存在し続けていたオノマトでしたが、ここにきてデッキタイプが変化し始めました。これまでのオノマトは、妨害に対してシスター+キッドをセットで加えることで踏み、残りの手札をウインドで投げ込むことで安定してワンキルを成立させていましたが、スキルナーフ後のオノマトはメインギミックのみで妨害を貫通することが難しく、どうしてもワンクッションおく必要があります。
この辺りの都合もあり、オノマトはゲームスピードの変化を余儀なくされたものと考えます。
一方で、スキルの仕様変更はオノマトに新たな恩恵をもたらしました。ナーフ前のオノマトは初動率100%とはいっても、バウンサーより後が続かず負けてしまうことも多々ありましたが、ナーフ後のオノマトはドローがなんでもガガガヘッドに変わりトップの質が担保されてしまうことで、かえってゲーム全体の安定感が向上することになりました。

これまでオノマトに有利だったデッキは、オノマトの戦法の変化によって徐々に苦戦し始めます。リゾネーターやTGなんかは特にその典型で、オノマトのバックの薄さを突いていたデッキは高い要求値を求められ始めました。

CCS以降の大会はほとんどオノマトで参加していましたが、オノマトを調整していく中で、後手でオノマトカードを引きすぎて負けている試合が明らかに多いと感じました。そこでオノマトカードを少しでも減らし、不純物をテンプレとなっているものより更に増やす方針をとることにしました。

7/3 JPS 使用レシピ

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CCSで使用したレシピでは不純物の枚数が6枚でしたが、JPSでは8枚まで増量しています。
またこの頃にしては少し珍しくヘッドが複数入っています。
ヘッド複数に至った経緯としては、シスターがオノマトカードを増やす役割を担ってくれているため、初手にオノマトカードが一枚あるだけで次のターンの動きが確立されていることに気付きました。シスターのみの蘇生でヘッドを使用した場合、デッキの中のヘッドを切らすのはもったいないと感じたので枚数を増やしました。
また、通常のゲーム展開においても結局どこかでヘッドをサーチするので引いても嬉しいカードであるはずです。このあたりを踏まえるとヘッドが1枚である必要性があまりありません。当時は底なしを積んだ罠デッキでオノマトを対策するのが主流であったため罠デッキに対しても有効です。
しかしまだ6エクシーズに寄せるという頭が無かったため、ライノセバスを不採用としていました。バウンサーの評価がそれほど低くなかったというのもありますが、オノマトは4エクシーズで戦うものという先入観が自分の中にまだあり、エクストラの枠を2枠割くことに抵抗があったからです。誤算としてはライノセバスは自分の予想を遥かに越えて強かったことです。

この構築はベスト8で敗れますが、ヘッド複数への手応えは感じ、流行ってほしくなかったためそれ以降使わないことにしました。


7/6 G1X 82nd使用デッキ 1落ち

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オノマトに勝てるデッキを探したかったので罠不知火を試すことにしました。テンプレが全然わからなかったのでとりあえず強そうな罠をいっぱい入れてみました。
結果は一落ちで結論から言うとこの構築は非常に弱かったです。

7/8 KTC No.68 使用デッキ 3落ち

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前回のG1Xで概ね改善点が見つかったのでリストを大幅に変更しました。
まずわかったのは現在の不知火は罠地獄というスキルに大きく依存しているということです。パワーが低いので罠地獄が獲得するアドバンテージ込みで辛うじて各環境デッキと渡り合えています。したがって3~4ターン目にはスムーズに罠地獄の起動を目指す必要があります。
そのため発動タイミングを選ぶ罠を可能な限り減らしました。また炎神があった昔と違い、前面のモンスターのステータスが低いため、つり天井や分断を強く打てるところまで持っていくことが難しいという点もデッキから抜いた理由です。

7/9 WSSC 使用デッキ 4位

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罠不知火の主な負け筋の一つに初手に罠が1枚しか引けず負けるゲームがあります。これは「サイクロンor聖槍1枚で負ける」「罠地獄の起動にもたつく」という2つの要因からフルモンの次に避けたい事故です。

であれば牛頭鬼などモンスターを減らして初手の罠の比率が多めになるように構築すべきですが、モンスターを減らすともう1方の問題が浮上します。
対オノマトにおいて攻め手の細さが原因で負けるゲームがでてきました。

不知火の6シンクロはどれも守備力が低いため、陰者が絡まない妖刀射出は月の書1枚で攻め手を失い一気に不利になります。
となると牛頭鬼を増やし陰者が絡む確率を上げるべきですが、前述したフルモンを避けたい問題との板挟みになってしまいますし、堕ち武者と武部以外の初動は月の書1枚で妖刀へのアクセスを妨害されてしまい後手の弱さがどうしても目立ちます。

この大会の結果自体は4位で終えますが、対戦の内容を踏まえ

・上手いオノマトには普通に負ける
・上振れたサンドラには罠じゃどうにもならない

という2つの課題にも直面することになりました。
対オノマトに期待して調整していた罠不知火でしたが、オノマトサンドラの2トップに負けてしまうのであれば意味がないので1週間足らずで捨てる決意をしました。

小狼の気まぐれ(CCS対象大会) 使用デッキ 準優勝

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この頃にはオノマトのテンプレが完全に定まり始めていて、オノマトが一強であることは疑いようがありませんでした。パワーだけならサンダードラゴンが唯一オノマトに並ぶことができると感じたのでこちらも練習を始めました。現在のサンダードラゴンはレベルコピーと援軍レヴィオニアを使用していたころと比べると非常に高いプレイ難度を要求されますが、いざとなれば引きで全てを粉砕できる門戸の広さも特徴です。

突き詰めるとサンダードラゴンも答えであったことはこの頃のシンヤさんシュウヘイさん両名の高いアベレージが示しています。しかし100回ミスしても勝てるハンドがきたかと思えば、何もできずに負けるハンドがきたり、オノマトと比べると当然引きムラが目立ちます。環境的には優位であるため弱初動でも十分に誤魔化せる範囲ではありますが、セプスロ堕天使のころと同じように、「サンダードラゴンの誰かは勝つかもしれないが自分とは限らない」そういう覚悟をする必要があると感じました。

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様々なデッキを調整したものの、オノマトに安定して勝てるデッキを見つけることができなかったのでオノマトから逃げないことを決めました。
KCGT本戦の形式はスイスドローBO1という本当にありえない形式ですが、デュエルリンクスにはスキルという素晴らしいシステムが存在します。
ここには運は絡みませんし、KONAMIは信用できませんがスキルだけは信用できます。(決勝はスキルすら信用できませんでしたが)
見てる側は面白くないかもしれませんが、BO1という本当にありえない形式でオノマトが増えるのは仕方のないことです。文句はKONAMIに言いましょう。

KCGT本戦 使用デッキ

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こちらは本戦で使用したリストです。今見てみると直したい点が多くあります。

当日の試合結果は以下になります。

オノマト〇
オノマト〇
オノマト×
オノマト×
オノマト〇
ハーピィ〇

4ラウンド目で2敗に落ちたプレイヤーがオポネントで上がれるビジョンが見えなかったので、5・6ラウンド目はヤケクソになりサンダードラゴンを使用しました。

自分の失敗は2つあります。

①オノマトミラーの流行の変化に乗り遅れていたこと
②自分の理解度の低さから6軸のオノマトを過小評価していたこと

この2つです。

この頃にはオノマトのバック干渉はミラーを意識してサイクロンから禁じられた聖槍に移行しており、聖槍に対する意識が構築でもプレイでも足りていませんでした。聖槍にした結果サイクロンが必要な対面を踏んでしまい負けた知り合いも居るし、当日のマッチングに左右される部分もあるのでサイクロンも必ずしも間違いではないのですが、ここの認識を正しくできていなかった点が全体に悪い影響を及ぼしたものと考えます。

実力不足が引き起こした2敗だったので納得の敗北でしたが、結果的にオポネントが高かったのは単純に運が良かったです。


本戦終了後、霊獣を使用し始めました。運よくオポネントが高かったので万が一繰り上がりが起きた際に、決勝トーナメントのルール上必ずtier3にあたるデッキを使用する必要があるからです。G1XSUNDAYでは闇遊戯(サンダードラゴン)+リシド(霊獣)でオノマトを狙い撃ちにする構成で臨みました。

G1X SUNDAY 使用デッキ 準優勝

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霊獣に関しては、トリガーさんが高いアベレージを出していたため、本戦前にも周りで少し話題に挙がっていました。感触は上々で罠地獄を用いるデッキの中では最も強いデッキだと言えると思います。

前面のモンスターが高い耐久性を備えているため、他の罠地獄デッキと比べて、スキルをアドバンテージの獲得ではなくデッキ切れ狙いに使用しやすいです。状況や対面によっては攻める必要性がないゲーム展開を作りやすく、一切リスクを負わない立ち回りが可能で、アペライオの特性から不知火のような罠デッキ同士のマッチアップにおいても優位に立てるのも強みです。

しかしハーピィが環境に再び現れ始めた結果、一気に立ち位置を悪くしたと感じました。またオノマトに対しても、トレミスを重視した立ち回りが一般化してしまった点も評価を落とす原因になってしまいました。

オノマトに正しい立ち回りを取られた場合、多くのデッキは安定感の差を押し付けられることになります。例えば霊獣対オノマトであれば先攻トレミスに対して長老カンナでやっとゲームになり、妥協点のウィンダも機能し辛く、当然ウィンダすらなければ敗北は必至です。オノマトは1~4ターン目までの動きの再現性が高いデッキなのでムラがあるデッキは常に高い要求値を突きつけられることになります。
オノマトの凄いところは、一見不利相性と言われていた対面に対しても採用札や立ち回りの変更で克服していったことです。サイドボードが本来存在しないこのゲームは、ある程度デッキ間の相性で流行り廃りが生まれるものですが、オノマト自身が各デッキに対応することでメタを回し続けていました。これは非常に恐ろしいことです。この辺りの変遷をしっかり解説できる人間が公式で配信していれば観戦する側ももう少し面白く見ることができたかもしれません。(当然そんなことができる人間はtから始まるあの人しか居ないわけですが、何故今年は呼ばれなかったのでしょうか)

というわけで霊獣を捨てて6軸のオノマトを練習しました。その結果理解したのは本戦時の自分のオノマトに対する理解度はあまりにも低かったということです。

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7/23 ウーロン杯 使用 準優勝
7/26TRC #3 使用 優勝
7/27 月曜から夜ふかし杯 第74夜 使用 優勝

もしやり直せるなら間違いなくBobbyさんの構築を完コピしたこの型で臨むでしょう。

シスター⇨バンチョー⇨ヘッド連打の理想の流れに、オノマトピアやドワーフはドドドドローがなければ自然にゲームに絡むことができません。これが引きムラを生む原因になります。

自分が4エクシーズ及びオノマトピアを抜かずにいたのは、ワンキルデッキ気分が抜けていなかったからというのもありますが、スキルを使用しきった際にバンチョ―もトップの受けとして換算できる点を評価したのが理由の一つです。しかしこの点もトレミスを重視した立ち回りを徹底することにより常に後続を抱えながら戦えるので解決します。

これまでのオノマトというのは、相手モンスターの打点に関わらずデッドリーデッドリーで無理矢理盤面をこじ空けてワンキルを行ってきました。しかしデッキのオノマトカードを減らしエクストラを6エクシーズが占めていくにつれ、4エクシーズの「消費が大きい」「打点不足」「ロングゲームに向いていない」という3点が目立ち始めます。
極端な話、シスターが絡んでいないレベル4のみのヘッド展開では、相手の場にジェムナイト・パールが2体並んでいるだけで盤面を処理しきることができません。
であればヘッドのバリューを最大限に引き出したい2~4ターン先のことを考えると、スキルをドドドドローのために使用するよりもシスターを優先して場に送り出していく必要があります。

この辺りを理解してくると6軸のオノマトは非常に面白くなってきます。メインのモンスターもエクストラのモンスターもとにかくハイスペックなので、間違いなく歴代最強のデッキの一角に名を連ねたと感じます。


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あらすじ
ライノセバスが死んだ

オノマトに追加で規制がきました。ライノセバスまで潰したのは予想外でしたが、覚悟していたよりも規制が緩かったので引き続きオノマトを中心に調整していくことを決めました。6軸のオノマトに対しての理解度もかなり上がってきていたタイミングだったので少々名残惜しさもありましたが仕方ないです。

新リミットの案として、まず救魔の標に注目しました。気を付けないと一瞬でまいにちランクマの刑なので慎重に検討しましたが、没になりました。カード自体の問題とデッキ自体の問題があり、6軸のオノマトのリペアとしては目に余る部分が多かったです。

まず当然のことながらオノマトカードではないので事故の原因になります。
前期でもたまにあったヘッド✖︎3のようなハンドが初動になりません。更に6エクシーズに繋がるカードがかなり減っているので初動の安定感が落ちています。
もう一つよくないと思う点として、2枚目以降のヘッドの供給先が墓地からのサルベージしかないため、なんらかの手段で妨害をもらった際ガガガヘッドを放置されると一気に攻め手が鈍ります。考えている限り恐らくここが最も致命的で使用を避けた理由です。加えて、デッキの中に1枚しかないガガガシスターに攻め手の大部分を依存してしまうと、例えばDDクロウやカオスベトレイヤーのような通常用いられていないカードで大きく想定が狂ってしまう可能性があります。

次に注目したのがコアベージです。思いつきだったので試運転がてらコアベージを使用し、G1Xを優勝しました。そしてこれが今回のKCGTにおける自分の最大最悪の失敗です。補欠での参加が確定してなかったとはいえ、(予選1位のプレイヤーの国籍の関係上)概ね繰り上がりが予想できた状態で情報の価値を吟味しなかったのはアホでしかありません。

オノマトがサンダードラゴンや霊獣を苦手として理由として、雷獣龍やウィンダなどの処理が難しかった点があります。まずコアベージはこの点を解決してくれます。4エクシーズを主軸にしたオノマトの問題点は、上述した通り中速で戦う方が強い現在のオノマトとデッドリーシンの特徴が噛み合っていないことです。6エクシーズと比べると4エクシーズには維持する価値のあるモンスターが少ないからです。
デッドリーシンは盤面をこじ開けることができるものの、アドバンテージを獲得する効果ではないのでライフを飛ばし切れない展開では強みが出せず、また誘発などでキルに失敗した時にもリスクが付き纏います。そこでコアベージを入れることで継続的に盤面に触れるようになり、オノマトのバックのパワーが上がると考えました。

使用例としては、サンダードラゴン相手はコアベージ+ローチ+月の書orカナディアで構えることでレヴィオニアを抑えつつローチの処理にきた雷獣やトレミスをバウンスし続けマウントを取るゲームを目指します。これをアルティメットコアベージプランといいます。
このようにコアベージは今までのオノマトの問題点の多くを解決してくれるカードです。逆にコアベージが入っていないとサンダードラゴンなど一部のデッキに勝つ事は難しかったと思います。


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・G1X 84th 優勝
・三勇祭 優勝
・G1X 86th 優勝
・G1X 87th 優勝
・MNC-Weekly -Championship-優勝

結局最初に使った構築から一切変えずに多くの大会に参加しました。変えるところや試したいカードが特に思いつかなかったからです。

決勝ステージのルールは3デッキでプールを共有するいわゆる東海ルールですが、個人的にはこのルールって特殊レギュレーションでしかなくて世界大会のルールに本当にふさわしいものなのかと思ったりはします。まあこのゲームの公式な遊び方にサイド制なんてものはないですし、ルールはルールなので仕方ないです。

まず月の書という強すぎる汎用が存在する現在、少なくとも1デッキはハンデを背負う可能性が高く、それがデッキ選択に大きく影響します。オノマトを外すことが自殺行為である以上、「ガイア・サイバードラゴン・リゾネーター・ハーピィ」この辺りのデッキは妥協構築で持ち込むか使用を諦めるしかなかったと思います。

まず大前提として、パワーが抜けているのはオノマトとサンダードラゴンの2つでしょう。あくまで自分の主観的な評価ですが、環境デッキの評価は以下のようになると感じました。

TierGOD オノマト
Tier1 サンダードラゴン
Tier2
Tier3 ガイア トラミッド ハーピィ TG

大前提として、オノマトとサンダードラゴンを素通りさせない必要があります。その上でこの2つに著しく勝率が悪いデッキはどんどん候補から省いていきました。例えばガイアのようなオノマトがかなりきついデッキは33%の確率で負けが確定するリスキーな選択肢であるといえます。

ファーストデッキ

これは間違いなくオノマトです。
例えばオノマトには勝てるデッキが奇跡的にできたとして、オノマトに当たるかどうかは1/3なのでメタる側に回るのはそもそもリスキーです。

優勝者がオノマトを使っていないことで結果ありきでわかったように語る人間には絶対に勘違いしてほしくないのですがオノマトより優先すべきデッキとオノマトに安定して勝ち越せるデッキがあるなら既にそのデッキは注目されているし環境に食い込んでいるはずです。しかし残念ながら、そんなものはありませんでした。

恐らくほとんどのプレイヤーはオノマト+あわよくばオノマトに勝てるデッキ2つを持ち込んでくることになると考えました。

セカンドデッキ

この部分はサンダードラゴンの使用を早い段階で決めました。

これは単純にパワーが上から抜けている2つで、しかも汎用カードやエクストラをどのデッキとも食い合わないというのが一番大きいです。
それに加えてセカンドデッキにあたる選択肢というのは、実は意外と多くありません。3つのデッキで無理に汎用を共有しあうと全てのデッキが弱くなってしまうので、どうしてもサンダードラゴンのように汎用カードをなるべく持っていかない選択肢を一つは取る必要があります。
恐らくほとんどのプレイヤーは「サンダードラゴン」「トラミッド」「月光」 のあたりから選択したのではないかなと思います。

サードデッキ

これに関しては最後まで悩みました。

サードデッキに頭を抱えた要因として、どのデッキにも下記のいずれかの問題点があるからです。

①バウンサーがきついが、月の書を割り振れない
②事故のリスクが高い
③事故のリスクは低いがオノマトかサンドラのどちらか或いはその両方に勝てない
④サードデッキ間での相性の問題

オノマト以外を見せるためのルールが、かえってバウンサーのパワーを上げてしまっていると感じます。

基本的にはサードデッキにあたるデッキは使えば使うほどリスクになると感じたため、なるべくサンダードラゴンとオノマトで勝負をつけるのが自分の中では理想でした。

候補1 ウィッチクラフト

個人的にはかなり評価が高いデッキですが、事故率と自身の練度の低さから見送りました。
まずこのデッキは事故りやすさに加えて、事故ったときにぴくりともできない事故の質の悪さも目立ちます。サンダードラゴンという問題児の使用を既に決めている以上、事故×2でカードをプレイすることすらなく退場することはなるべく避けたいところです。

もう一つの問題点は自身の練度です。
ウィッチクラフトは繊細なデッキなので、1つのしょうもないミスが響いて負けることが多々あります。
加えてGTルールの都合上、オノマトやサンドラ以外のあまり経験がないマッチアップが起こる可能性が高いです。そうなってくると知識不足からミスを引き起こす可能性が高く、かなり使い込んでいるプレイヤーでないと持ち込みは難しいデッキであると感じました。

候補2 トラミッド

オノマト・サンダードラゴン・トラミッドは3種ともフルパワーで持ち込むことが可能な数少ない組み合わせの内の1つです。トラミッドだけはハーピィの代わりに使用しても良かったかなと思っています。

良い点としては、2トップであるサンダードラゴンに対して最も有利で、不利対面も上振れてしまえば貫通できるところです。トラミッド側が押し付ける有利部分は相手視点どうにもならないことが多いですが、トラミッド側が押し付けられる不利な部分はしっかり回ればなんとかなったりすることも多いです。また、様々な地雷デッキに対しても耐性を持つため、想定していないデッキが飛び出してきたとしてもなんとかしやすいです。

逆に良くない点を挙げると、このデッキも巻き返すことが不可能なレベルの事故を引き起こすところです。個人的にはバランスの方が好きですが、ダンサーフォートレスのみのような動けてもどうにもならない弱初動は、よほどの有利対面以外は事故とさほど変わらないです。

不安に感じていたのは恐らく人気になるであろうハーピィに対して非常に相性が悪い点です。不利相性を貫通できるとは言ったものの、ハーピィだけは要求値が高すぎてどうにもならないことも多いです。

候補3 ガイア

オノマトが辛い以上使用はリスキーであると上述したものの、最後まで候補として調整していたデッキの一つです。理由としては、初動の安定感があり、トラミッドほどではないもののサンダードラゴンに対して有利であるのと、トラミッドやハーピィなどの人気がありそうなサードデッキに対しても微有利以上を取れていると感じたからです。

しかし調整を進めていくにつれ、フィールド魔法に大きく依存しているという根本のギミックの欠陥がある以上、有利マッチに対してもサイクロンなどで想定外の事態を引き起こしやすく、基本的にデッキトップのカードでゲームを組み立てていく鮫方式のデッキなのでプレイヤーに与えられる選択肢が少ないという点が気になり始めました。

極め付けには月の書をガイアに割り振ることができない点がよくありません。単純にバウンサーに対する解答がほしいのもありますが、デモンズチェーン避けや打点の回復など、ガイアにおいて月の書というカードが果たす役割は非常に多いです。

必然的に月の書の代わりに聖杯を割り振ることになる都合上、サンダードラゴンは通常の構築よりも少しだけ取りやすくなります。しかしガイアをサンダードラゴンに当てにいくことは非常にリスクの伴う行為でもあります。

これはどういうことかというと、相手のサンダードラゴンが飛びだしてきやすいタイミングはオノマトが出てくると読んだタイミングであるはずで、裏を返せば相手のオノマトが素直に飛び出してきやすいタイミングでもあります。
もしサンダードラゴンに当て勝ちすることを狙う場合、最悪オノマトまで対応できるトラミッドの方が優位です。であればガイアの役割はサンダードラゴンを処理することではなく、オノマトがどのタイミングで出てくるか様子を見つつハーピィかトラミッドを狙い撃つために使うべきだと感じました。

候補4 ハーピィ

最終的にハーピィを使用しましたが、やはり月の書の有無はデッキパワーにかなり影響しています。

また引きムラが激しく、オノマトと違って罠を引かなければ盤面を形成できないため、セルフバランスが求められます。ハーピィが環境トップだった時代はプレインコート一枚でお茶を濁せたので、シェアが多い方が手札の要求値が下がる稀有な例かもしれません。

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最終的に使用したリストはこちらです。結局出す機会がなかったので完成度は如何ほどかはわかりません。

月の書と聖杯の大きな差は、攻撃を止めれない点です。
ハーピィは召喚権が渋滞しがちなデッキなので、ネストが引けていないと手札にチャネラーが1億枚あっても相手の妨害1枚でそのターンの攻め手が止まってしまいます。当然ネストが引けているならそれに越したことはありませんが、引けていない場合を考えるとタイムラグを誤魔化すための妨害は必要になります。

薄型にするにあたって、月の書不採用の上でサインがないとなるとデッキパワーが足りていないと感じる部分もありましたが、結局薄型にすることにしました。
当然チャネラーが引けているならデッキが厚いほうが強いですが、序盤の事故が取り返しのつかないケースになりやすいです。サインも非常に強力なカードですが、使用するにあたって相性の良い罠を入れると、手札コストになれるカードを引けていなかったり羽休めが打てない弱初動だったりと、手札コストが緩やかに自分の首を絞めていくことも多くあまり好きではありません。

薄型はレディ1や万華鏡を引きやすいのに対して厚型であれば素引きの確率は抑えられるものの、引いてしまった場合はチャネラーとネストが引きやすい分薄型の方が強初動に変えやすい利点もあるので一概にどちらが上とは言い切れません。

かといってデッキ枚数をどんどん削るのがいいかというとそんなことはなく、フルモンやレディ1や万華鏡が被り、羽休めでこれらのカードが返ってくる事故等々を引き起こすので、あくまで体感ですが、23枚か24枚程度がベストだと考えています。


当日の話を少しだけすると、相手の構成が「オノマト・サンダードラゴン・ハーピィ」が見えていて、明確に有利を取れる対面がお互いにないのでミラーを覚悟するか微不利側のデッキで勝つ必要があります。

オノマトVSサンダードラゴンはしっかり回ってしまえばサンダードラゴンが勝ちますが、どちら側の視点もプレイングにかなり左右される非常に難しい対面であり、サンダードラゴン側の事故率込みで五分~微不利程度だと考えています。
今回の相手の編成でハーピィはどの対面を取るにしてもあまりにも運が絡みすぎるので、ここをあてにはしたくはなく、サンダードラゴンをオノマトで気合で取る→サンダードラゴンでオノマトを取るのがベストであると考えました。

ゲームの内容自体はできる範囲のことをやりきったので悔いはありませんが持ち込みに至るまでの過程やデッキ選択には多くの反省点があります。

今回の自分の失敗として思うのは、本戦も決勝ステージもあまり人と意見交換をしなかったことです。
この時期になるといつもそうなのですが、自分に一切関わりが無い特殊レギュレーションの調整を手伝ってもらいつつ、情報の秘匿もお願いできるような都合の良い調整相手というのはなかなかいないものです。
例えばうんのはレベルの高い調整相手にはなりますが、少々お喋りが過ぎます。ヘイローズに関しては本戦の出場者が9人も居る以上隠蔽のしあいは仕方ありませんが決勝ステージはもう少し誰かに意見を聞いても良かったかなと思います。勿論、応援してくれた人や数少ない相談に乗ってくれた人には十分に感謝しています。

カードゲームに限った話ではありませんが一人でできることには限界があるので来年は友達を増やすことを目標にしていきます。


以下は当日の運営に対する感想です。
同意書などを一応読み込んだ上で問題なさそうな点と表に出た部分を抜粋します。

一言で言うなら最悪でした。良いところはブラマジとえなこのコスプレぐらいで、僕はブラマジもらえてないのでコスプレぐらいしか褒められるところがないです。
自分の中で最悪だった大会ランキングトップ3は「炎天下の中空調無い廃墟(テナント?)に誘導されたCS」「不戦勝のポップが出たのに何故か不戦敗扱いになってたKCGT2020本戦」ですが、間違いなくランクインしたと思います。

対戦が始まらないエラーはもはやいつものことだったので(それ自体もおかしな話ですが)どうせ今回も時間通りに始まらないだろうとは思っていたのですが予想以上のバグの連打+後手後手の運営に面食らってしまいました。

僕は幸運にもシードを獲得できていたので直接的なバグの被害は被っていないのですが、当事者以外はラウンドの開始が遅れた事実のみ伝えてほったらかしですしなかなか凄かったです。
僕は他の参加者と連絡を取っていたので概ね何が起きているのか知ることができましたが、例えば他の海外勢の参加者なんかはわけもわからず5時間以上待たされていたことでしょう。

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それとこれはNegative1選手も書いていましたが、再開の目安の時間帯が全くわからないこと、これがなかなか辛かったです。10分20分単位で細かく時間を伸ばし続けるので、始まるはずがないとわかっていても念の為対戦画面に張り付いておかねばならず神経が削られました。

そして全体的にレスポンスが遅すぎる点。
簡単な質問ですら返答に5分前後かかり、トラブルの当事者に対してもとにかくレスポンスが遅い。
これは憶測ですが人手が足りない+その場で判断できない人間による伝言ゲームみたいなことになってるのかなと思いました。

目標としていた舞台の1つではありますが、運営の低いモチベーションを直に感じ取り非常にがっかりです。
今後に関してですが、今すぐきっぱりリンクスやめるとかは絶対無理ですけど距離感は考えつつ終わりを見据えて遊ぼうかなと思ってます。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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