子連れ留学3ヶ月経った雑感
私のコロンビア教育大学院も娘の保育園も、一昨日からThanksgiving Holidayに突入し5連休です。気付けば1学期も残り実質2週間。各クラスの最終課題(ペーパー×4、グループプレゼンテーション×2)が終われば、4 semester(2年留学予定)の内の1つが終わることとなります。一瞬です。
書きたいネタが色々溜まっていますが、今回は一つのトピックを深掘りするよりも、まずもってコロンビア教育大学院/専攻プログラムはどんなところ/内容なのか、子連れ留学の日々の実態は、そして渡米3ヶ月経って今思うこと、そんなところから書いてみようと思います。
大人の成長を考える Adult Learning & Leadershipプログラム
はじめにコロンビア教育大学院の概要です。正式名称はTeachers College, Columbia University(TC)で、元は慈善家のGrace Dodgeという女性が、貧しい移民女性に料理、縫製、衛生管理などの実用的な技術を教えるために学校を建てたのが始まりでした。その後、コロンビア大学と提携するようになり、今では同大学の一部という位置付けとなっています。正式な創業年は1887年で、教育大学院としてはハーバード(1879年)に次ぎ、最も長い歴史を誇ります。生徒数は約5300人(内、アメリカ人7割、留学生3割)。教育学、心理学、健康、リーダーシップの4つの主要分野に焦点を当てており、全部で100以上のプログラムが用意されています。その中での私の専攻プログラムは、リーダーシップの柱の下にある、「Adult Learning & Leadership」(成人教育学&リーダーシップ)です。
TC HPのプログラム説明には以下記載があります。
シンプルに言えば、
①大人がどう学び、成長・発達するかを理解することで、
②適切な学習介入をデザイン・実践し、
③社会や企業内での個人の成長・発達を支援する、
そんな「成人支援プロフェッショナルを育成するためのプログラム」です。
プログラムでは、例えばAndragogy(成人学習理論:成人がどのように学び、成長するかを研究する学問領域)や成人発達理論(成人以降の心理的、社会的、認知的な発達に焦点)等、成人学習領域に関わる理論を学んだ上で、自分の仕事や組織においてどう理論を実践していくのか、ひたすら自ら問い続け(内省)、答えを出していく、そんなことをしています。
学生のバックグランドは多様で、大学・大学院の先生/関係者から私のような人材コンサル/コーチ、HR関係者、中には弁護士やNPO経営者までいます。年齢も20代後半から70代までとばらつきありますが、平均年齢で言うと30代後半くらいでしょうか。ある程度社会人経験を積んだユニークな人たちが世界中から集まってきている印象です。
子連れ留学の日常
最初の1学期目は以下3つのクラスを履修しています。
毎日学校で忙しく授業を受けていると思われがちなのですが、上記の通り、実は対面で授業を受けるのは週1、多くて2回程度です。これはこちらに来るまで実情が掴みにくかったので、渡米後こんなものか!と驚きました。
とはいえ、では時間的に余裕かといえば全くそうではなく、事前課題リーディング(百数十頁/週)、オンラインポータル上でのクラスメイトとのディスカッション、リフレクションレポートの作成・提出、グループワークと割と盛りだくさんで、また、教育大学院のCoaching Clubという学生団体のリーダーシップチームにも入っており(週一の打ち合わせ、イベント企画、Campus内外へのプロボノコーチングの実施)、真面目に全てやっていると、平日の余白がいとも簡単に埋まってしまいます。
今は3歳の娘が保育園に行っている9:00-15:00が私のゴールデンタイムで、平日日中はTCの図書館or自宅(TC裏にある学生寮)で課題をこなし、15:00以降は夫と日替わり交代で娘を公園に連れて行って遊び、彼女就寝後の21時以降に残りの作業をする、そんな毎日を送っています。ちなみに、精神的に追い詰められずに楽しく大学院生活を送れているのは、こちらに来てから買い出し含め3食+娘のお弁当作りを担当、また育児にもフル参加してくれている夫のサポートがあってこそであり、感謝感謝です・・・。
3ヶ月経っての感想
そんな3ヶ月を過ごしてみて、今感じていることトップ3です。
自由×自律的な学びは楽しい!
留学は究極のEmbodied Learning(体を使った学び)?
勉強だけじゃなくてもっと遊ばなくては(キャンパス外での体験)!
2−3点目はまた別の機会できっと触れることとして・・・1点目の「自由×自律的な学びは楽しい!」にフォーカスします。大人になって大学院に行くことになるなんて、「勉強」が楽しいと思うなんて、昔の自分なら全く想像もしませんでした。というのも小学校から大学まで、お恥ずかしながら本当の意味で勉強に取り組んだことがなく、いつも良い成績を取るためだけに試験前に勉強して、試験が終わったら全て忘れる、そんな受動的な学び方しかしてこなかったからです。ではなぜ今楽しいと思えるのか、それは①自分が学びたいことを学んでいること(自己理解、純粋な好奇心・探究心に基づく学習)、②その探求を支えてくれる環境がTCで用意されていること、この2点だと感じています。
TCの環境面で行くと、3クラス受講した中でのこのプログラムの特徴を一言で表現すると、Self-directed learning(自己主導型学習)です。学習者が自ら学習の目的を定め、問いを立て、学習計画を作成し、外部リソースを活用しながら自らの答えを導き出す、そんな自律的な学びが推奨されていますし、クラスでも、それを織り込んだデザイン設計がされています。あなたが学びたいことは何か、どう探求できるか(TCはどうサポートできるか)、学んだ知識をあなたのコンテキストにどう活かせるのか、それをひたすら問われ、内省させられ、表現させられます。プログラム設計者である大学院/教授にとっての正解ではなく、常に主語が「あなた」(学習者)であり、Learner-Centered > Teacher-centeredが徹底されていること、これが素晴らしいなと感じています。外部から学ぶべき内容、学び方、評価のされ方を押し付けられるのではなく、内発的なモチベーションに従って自分が学びたいことを自由にそして自律的に学べる環境、そして好奇心をくすぐる刺激溢れる学びが1学期でたくさんあったこと、それが「自由×自律的な学びは楽しい!」に繋がっています。
来週には次学期のコース登録が始まります。次はどんな学び、出会いがあるのか楽しみですが、きっとその前に、1学期に学んだこと、体験したこと、感じたことをNoteでアウトプットしたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。