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音の力 8 ~ロマンスカーの通過音~
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前回は夜汽車の音の話で終わっていましたね。
ここから2回に分けて鉄音を特集します。
NHKのラジオ番組で鉄音・音旅、出発進行というのがありますが、あれなかなか楽しい番組です。
さて、その最初は、小田急ロマンスカーのジョイント通過音・・・と聞いてははあと思った方は鉄分過多です。
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小田急ロマンスカー(以下ロマンスカー)といえば新宿と箱根の間を走るいわゆる私鉄有料特急の草分け、高速性を追求する技術として連接構造が採用されたのです。
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これが音にどう結びつくのか、順を追って説明していきます。
まず連接車というと最近は横浜市内でも走っているバスを思い浮かべる方が多いでしょう。
そうあの電車版です。
というと、ちょっと待って電車はもともと連結されているんじゃないのと思うかもしれませんが、その連結方法が違うのです。
普通は各客車に2個台車が付いていて、その客車間を連結器でつなぎます。それに対してロマンスカーでは客車の連結部に台車を置くのです。
客車の箱部分が台車と台車の間に来る感じです。
これのなにがいいかというと専門的なところは専門誌に譲るとして、とにかく高速を出しやすいということです。
なにしろ初代ロマンスカーは当時の国鉄線路でも速度試験に使われ、その後新幹線が登場したくらいですから。
やっと音の話ができそうです。
で、そういうわけで普通の電車より台車が少ないので、ジョイント通過音が独特なんです。
普通はダダダダン、ダダダダンのところ、ダダン、ダダンとなります。
ですから小田急電車は快速電車かロマンスカーかは目をつぶっていても通過音を聞けばわかりました。
ここで蛇足ではありますが、最後の文章だけ過去形なのは意味がありまして、連接構造を持ったロマンスカー(白いロマンスカー)が昨年引退し、
今走っているロマンスカーはすべて連接構造ではないということなのです。
消えていく日常というものが音の世界にもあるんですね。
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