夢の日記15

推しがテレビを見ている。昔なつかし奥行きの分厚いテレビだ。テレビにはどこかの屋上が写っていて、真ん中にスーツでサングラスのおっさんが立っている。
「謝罪のしかたを教えてください」
おっさんは謝罪のしかたを知りたがっている。画面の外の私たちに語りかけている。
「このおっさんは無限ポメラニアンだから、謝罪のしかたを知りたがっているけど、最終的には分裂するから大丈夫だよ」
たぶん謝罪のしかたを教えてあげなくてよい理由を、推しが説明してくれる(わからない)。
その瞬間、おっさんが分裂した。分身ではない。まるでおっさんを構成する分子のような、小さい球の山に変わり果てたのだ。ビーズクッションの中身のビーズの山みたいな。

ビーズの山がテレビの画面に大写しになり、サラサラとビーズが崩れる。その中からハンカチ一枚出てくる。真っ白なそのハンカチには、21世紀〇年のトモダチマークがプリントされていた。

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