マーケティングを見直す。
オリンピックで歓喜して、お花見で仲間たちと楽しみ、桜の舞う卒業式を迎えるはずだった。
長期に渡る自粛での経済の影響は、顧客の維持が困難になり、経費に対する効率が急激に下がった産業が多い。
顧客数が激減している産業は、単なるマーケティングの見直しではなく、事業自体をどう存続させるかにすべてのリソースを投下しなければならない場合もある。
また直接的な影響がなくても、事業計画を変更することが必要になる産業も多いはず。
このような状況では、単に立ち止まるだけでなく、テイクアウトなど一時的な売り上げをつくることは目先として大切だが、あらゆる状況を想定したシナリオとシミュレーションを繰り返し、実効性のある仕組みをつくることが求められる。
例えば実店舗を持つブランド牛を提供する焼肉店からこんな新規事業の相談をいただいている。
扱っているブランド牛を同じく使用している飲食店を募集してサイトを立ち上げ、デリバリーサービスを始める。
そのデリバリーサービスのファンを増やし、次に「このお肉美味しかった」と思った顧客に対して自社が扱うブランド牛のネット販売事業を始め、デリバリーサービスのファンから利益率の高い自社商品販売のサービスへつなげていく。
これも「飲食店との繋がりがある」「美味しい肉を扱っている」という焼肉店のリソースを考えた新規事業のひとつだと思う。
計画変更でネガティブな面だけに囚われず、現実的な解決策に取り組むことが大切。そしてどんな状況であっても「顧客視点」で考えることは変わらない。
しかし、単に顧客の声を聴くのではなく、このような緊急事態で、顧客の真の欲求やニーズに応えるということが重要。成功する事業は、顧客の行動や意識の変化に伴い、新しい可能性を引き出す努力と知恵を使っている。