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不妊治療中の夫の気持ち
先日ふと気になって、夫に不妊治療をしていた当時の気持ちを聞いてみました。私が辛かった思いなどはよく夫に言っていましたが、夫からあまり聞いたことがなかったような?と思いまして。
私:「あのさぁ、不妊治療の時さぁ、どう思ってた?」
夫:「何が?」
私:「不妊治療さぁ、辛かった?」
夫:「別に、俺は辛くはなかったよ。」
私:「本当?辛くなかったんだ。(そう言えば昔もそう言ってたような…。)」
夫:「でも、普通に治療続けてたらある日いきなり○○(私の名)が泣き出してさ。『もう採卵やだぁぁ~!!もう無理、辛い~!』って。おぉ、不妊治療そんなに辛かったんだ。辛いと言っても、俺、どんだけ辛いのかわかってなかったからさ。わかった!じゃ、やめよう。って感じだよ。」
と言っていました。
伝えているから伝わっていると思っていても、どの程度辛いのかを人に正確に理解させるのは難しいことですね。主観的なことですし。
それに、私は辛くても表情に出さない(自分では出してるつもりだが出てない)し、話すときも結構理性的なので、どれほど辛かったかがダイレクトに夫に伝わっていなかったのだと思います。
辛さが顔に出ていなくても、何日もの自己注射や採卵は、痛みに敏感な私には確実に地獄でした。
それでも耐えて頑張っていたのに一向に報われないことに、ついに心が折れた時だったと思います。
狂ったように泣いた気がします。ホルモンをいじっていたせいもあったはずです。
それでついに夫は、これはただ事ではないと気付いたそうです。
また、自分では忘れていましたが、当時私はクリニックに対する不信感も言っていたそうです。
「全然妊娠しないなぁ。ちゃんと受精卵お腹に入れたのかなぁ。あんなに小さいんだもん、床に落としちゃったんじゃない?本当はお腹に入ってないんじゃない?だって、入れましたって言われても確かめようがないし。」
って言ってたよと、夫に言われて私も思い出しました。
不妊治療は自分で確かめられないのが、結構もやもやした原因の一つです。
夫はこうも言っていました。
「専門のクリニックに行った時に受けた最初の説明会で、『確実に妊娠できるわけではありません』『原因がわからないこともありますので、質問に答えられないことがあります』『私たちの指示に従ってください』って言われたじゃん。あれってフェアじゃないよね。」
確かにそうだよなぁ。
専門家を標榜しながら、ブラックボックスが多すぎやしないかい?
不明な部分が多いことも、不妊治療でのストレスを増大させる原因だったように思います。
それが今の科学の限界ならしょうがないですけど。
どこをどう直せばいいのか、どう頑張れば結果が出るのかも分からない。そういう宙ぶらりんな状態が精神的に良くなかったですね。
そういうわけで、夫に当時の気持ちを聞いてみたら、とてもアッケラカンとしたものでした。
そして、忘れていた当時の記憶がよみがえりました。
当時は辛すぎてお札を貼って密閉封印したいと思っていた記憶は、私の人生の思い出BOXに大切に保管されています。出し入れ自由です。
その時の辛かった自分も今の自分の一部になっています。
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