これからも

松の散歩道

頻繁に出会うおじいさんがいる

私は仕事の行き帰り
車の中からおじぎをする

車を降りたとき
言葉を交わした事が１回だけある
ここに越してきたのが８年前
そのくらいの時期だと思う

どちらかと言えば無愛想なおじいさん
覚えてるか分からないけど

「触ってもいいですか？」

それからいつも

車の中からおじぎしていた
見ていたか分からないけど

１か月ぶりくらいに
おじいさんに会った

おじいさんは
ただ淡々と歩いてた

おじいさんの隣に
いつもいつも一緒にいた
ハッシュパピーが居なかった

次の時も
また次の時も

ひとり淡々と歩いてる

私は車の中から
深く深くおじぎをした

おじいさんは見てなかったけど

これからも歩いて下さい
あいさつをさせて下さいと
思った

車の中で泣けてきた