テレワークを続けますか?
2024年11月07日(木)のNACK5『Good Luck! Morning!』内「エコノモーニング」では、こんなお話をしました。
グッドラックモーニングではこんど、文化祭をやるそうですね。先週末、私のいる武蔵大学でも学園祭がありまして、私もゼミの学生たちと一緒に参加しました。
今回は学生たちが、ゼミとして学園祭に参加したい、クロッフルという韓国スイーツを販売したいというので、いいよ、やってみよう、せっかくやるからには口コミで話題になるようなものにしよう、ということでGoサインを出しました。クロッフルというのは、クロワッサンの生地をワッフルメーカーで焼いていろいろなソースやトッピングで飾るというものですね。これがなかなか美味しいということで想像以上に人気を集めまして、予想を大幅に上回る売り上げがありました。大成功だったと思います。
私自身も土曜・日曜の午前中は店頭に立って販売をお手伝いしてたんですが、「番組、聞いてますよ」と声をかけてくださるお客さんもいらして、
これがとても嬉しかったです。これが言いたくて、本題とは関係ないお話をさせていただきました(笑)
さて、今日は文化祭ともアメリカ大統領選挙とも関係なく、「テレワークを続けますか?」という話題でお話をしたいと思います。
オフィスではなく自宅などからネットにつないで仕事をするテレワーク・リモートワークという働き方は、働き方改革の流れや、新型コロナウイルス感染症が広がる中で私達の社会にだいぶ浸透しましたね私は今でも、大学の授業を家から動画で行うことがありますし、私が参加している政府の会議は今もほとんどオンラインです。
しかし、コロナの収束とともに、企業の多くがテレワークを見直し、オフィス勤務への回帰を進めています。たとえばアメリカでは、テスラやOpenAIといった先端的なテクノロジーを扱う企業でも出社を増やす方向で動いています。昔ながらの企業だけではない、というのが興味深いところですよね。
日本でも、アマゾンジャパンが来年1月から「原則週5日出社」を社員に求めるのだそうです。また、メルカリも、週2日の出社を推奨するという取り組みを始めました。このように企業は、対面での社員コミュニケーションを重視しているようですね。企業が出社を増やしていることで、実際に東京都心のオフィスの需要も復活してきているそうですし、満員電車も完全にコロナ前の状況にほとんど戻ってしまいましたね。満員電車は、私は本当に残念です。
企業が出社に回帰している背景には、対面によるコミュニケーションのメリットが再評価されている点があります。「リアルでの会議や打ち合わせは、リモートでは得られない場の一体感がある」ですとか、「言葉以外の体の動きや態度などでも相手の気持がわかるので、意思疎通が円滑になる」などと考えられています。
コロナ禍では全員がリモート参加する会議が一般的でしたが、最近では「全員がリアルで参加する会議」が増えており、対面でのコミュニケーションがもたらす価値が再発見されているようですね。
しかし、以前このコーナーでお話をしましたように石破政権は、東京一極集中を是正し、地方の活性化を図るために地方創生の取り組みを強化しようとしています。その方向性の中では、地方に移住してテレワークで東京の仕事をするような働き方や、短期的に観光地に滞在してバケーションを楽しみながら仕事をする「ワーケーション」といった取り組みも含まれていると思われます。企業が出社に回帰しているというこの動きは、石破政権が目指したい地方創生2.0の方向と逆行してしまう可能性があるわけですね。
都心部にますます人が集まり、地方に拠点を置くことへのインセンティブが薄れると、人材の地方分散は進みません。こうした状況に対し、政府は都市と地方のバランスをどのように調整するかが問われていくでしょう。
で、良い答えを探したい一部の企業では、対面とリモートを効果的に組み合わせる「ハイブリッドワーク」の導入が増えています。たとえば富士フイルムでは、週1〜2日程度の出社を基準とし、
業務内容に応じて在宅勤務と出社を使い分ける柔軟な働き方を推進しているそうです。個人作業には在宅勤務が適している一方、新入社員の研修やチームビルディングには対面が有効だということですね。また、地方拠点と本社の間で定期的に対面での交流を図る、リモートでの会議でも一体感が感じられるような工夫を凝らすなど、企業は業務の性質に応じて働き方を工夫し、生産性の向上と社員の満足度向上を図っているようです。
対面中心のコミュニケーションは、会社への帰属意識を高める可能性はあると思いますが、生産性を高めるかどうかは場合によるでしょう。つまり、完全な出社主義とリモートワークのどちらか一方に偏るのではなく、柔軟に組み合わせることで、地方でも都心でも働きやすい環境を整えることが重要ですね。
出社の目的や意義を社員に共有することも重要です。目的が明確であれば、出社する意義が社員に伝わり、結果として生産性や満足度の向上につながります。企業はただ出社を求めるだけでなく、なぜ出社が必要なのか、どのような場面で対面の効果が高まるのかを明示することが求められますね。
まとめますと、企業の出社回帰と地方創生という二つの流れの間で、社会全体としてどのような働き方が理想的であるかを模索する時期に来ていると言えます。地方創生とオフィス回帰の動きが、
メリットが最大化するところで調和するように、
柔軟に新しい働き方を作っていきたいですね。
以上、「毎日出勤したいですか?」というお話でした。