【MSGEX】13th Album「EXtended 2014-2024」 Recording Notes & Behind The Scenes -Part2-1/3-

1.はじめに

こんばんは!MSGEXのGAKUです!

ただいまこの原稿を執筆しているのが5/1(火)午前3時w 

本日は13th Album「EXtended 2014-2024」の楽曲解説-前半戦-ということで、早速内容に入っていきたいと思います♪

13th Album「EXtended 2014-2024」ジャケット画像


2.楽曲解説-前半戦の1-

Tr.01 NEW WAVE -remaster-

1曲目のこちら、楽曲自体はもともと1st Album「MSGEX」に収録されてて、リリース自体は2014年元旦でしたが、制作自体は2008年初頭に行っており、実に16年前の楽曲ですね💦

ちなみにジャケットイラストは現在と同様、公私共々お世話になっております漫画家 葉月京先生に書き下ろしていただきました!サウンドを基にイメージして制作いただいたオリジナルキャラクター「RICA」ですが、命名は京さんのお子様です!この時はまだ多少幼さも残る表情でしたが、10年経過して新譜のジャケットでは大分お姉さんになりました✨

1st Album「MSGEX」ジャケット画像

この曲に関してのみ、1stに参加いただいたHELLCHILDのギタリスト、鈴木英一郎さんと僕の2人だけでデータのやり取りをしながらアレンジを詰めていきました。

が、送られてくるデータが到底ギターで制作されたとは思えないアンビエント音、フレットのタップノイズやピッキングノイズをエフェクト加工したSE音など、僕の想像を遥かに超えた音色が満載!✨空間系へのアプローチなど

この方は本当にDeath Metalのギタリストなのか!?

と思わせられるあまりの表現の豊かさに、当日制作に使用していたMacBookでProToolsの画面を見ながら良い意味で唸らされていました!!

ちなみにこの曲で僕が作った音、ドラムとベースを除くと、フィルタ開閉するコードシーケンス、そしてパッド音、実はこの2種しか入ってません!全体をチョップして切り刻んだり等、ちょいちょい加工や編集は入れたりしてますけども、打ち込みとしては極々シンプルです。

僕自身が「MSGEX」という名の下に、それまでとは異なる新しいスタイルの作品を作りたいと考えていたところ、そしてそこにギターという楽器の可能性をまざまざと見せつけられた素晴らしい体験を踏まえて、タイトル「NEW WAVE」は楽曲の完成時に直観で即決しました!

ちなみにMSGEX10周年記念イベント開催告知動画で流れている音源とタイトルは同じですが、中身は全くの別物です。

新譜では告知動画からの流れで、ここ1、2年の動画制作を全て手掛けていただいている鱈谷さんに、冒頭のキーボードの入力音、実行音などを追加していただきました♪

また今回の制作にあたっては、この曲に限らず全ての既存楽曲において一から再ミックスするアプローチを試しています。

その上で、この曲に関しては当初の2Mixを活かしつつ、今回アルバム全般において大活躍したoeksound社のプラグイン「bloom」を用いて低域、高域のメリハリを調整、瑞々しさなどを付加して、”16年前"を感じさせない「今の音」にブラッシュアップできたんじゃないかと個人的には思っているのですが、リスナーの皆さまとしてはどう感じられますでしょうか???


Tr.02 EXtended feat.U-RASIA & REAL-PAVILION ALL STARS

新譜のリードトラックにして、今回やりたかったことをモリモリに詰め込んだ楽曲です!鱈谷さんに制作いただいたフルMVはこちら!✨

昨年1月、10周年ライブイベントの開催を決断した時点で、既にエンディングで出演者の皆さんと一緒にステージ上でワイワイ楽しく演奏しているシーンが浮かんでいました!これまで僕が目にしてきた、好きなアーティストさんたちの様子ですね!✨

当初はミディアムあるいはバラードにする構想もありましたが(周囲からの評価はわかりませんが、バラードは得意分野だと自分としては思ってます)、最後はしんみりするよりも盛り上がって終わりたいな~と思い、その構想は闇に葬り去りましたw

そして今回、活動10周年を記念する楽曲において、あえて新しいチャレンジをしたいと考えました!それが初の「コライト」、メロディの共作です!

ただ、ここはクリエイター個々人の個性や拘りが最も反映されるところであり、ややもすればコラボ相手とのエゴとエゴのぶつかり合いに至り、最悪の場合は喧嘩別れになってしまう可能性すら…!?💦

ということで、今回コライトの相談をさせていただいたのが、これまで「PAVILION」シリーズの中で

薄紅 2022 feat.月乃 & Yuu Ito(U-RASIA)
White Light -version 2023- feat.咲良ゆの with Yuu Ito(U-RASIA)

等、既にアレンジを共作させていただいたことのあったU-RASIA 伊藤由宇さん!

幸いご快諾いただくことができ、そこからの流れで作詞には

My Style, My Story feat.まるもこ & Ryohei Haduki(U-RASIA)
曖昧コーディネーター feat.ことの with Ryohei Haduki(U-RASIA)

でコラボさせていただいてたU-RASIA 葉月リョウヘイさんにご参加いただけることに!昨年夏には、U-RASIAとMSGEXでのコラボ制作が決定しました!

制作については、下記の流れで進めていきました。

【10周年ライブイベントテーマソング(仮) 制作スケジュール】
2023/11 ワンコーラスデモ制作(がく)
2023/12 メロディ固め(がく・由宇さん)、ワンコーラスアレンジ制作(由宇さん)、歌詞打合せ(がく・リョウヘイさん)
2024/01 ボーカル収録用フル尺アレンジ制作(由宇さん)、歌詞制作(リョウヘイさん)
2024/02 ボーカル収録(#りあぱび オールスターズの皆さま)
2024/03 フル尺アレンジ最終版完成(由宇さん)、コーラス収録(がく)、編集(がく・9Tailしっぽさん)、ミックス(がく・佐藤健太さん)
2024/04 編集(がく)、ミックス&マスタリング(がく・佐藤健太さん)

出典:Discord

細かく書き始めるとこの曲だけで1万字(!?)を超えてしまいそうなのでさらっと触れますが、11月中にまずはイントロから1番サビ終わりまでのメロディおよびラフアレンジを含むワンコーラスデモを僕が制作しました。

それを基に、12月中に由宇さんとの間でメロディの修正、追加などを検討いただき、データ往復の過程で僕も修正、編集を加えさせていただきつつメロディが確定。その過程でワンコーラスアレンジについても方向性が決定!

ちなみにこのあたりの時期が、ある意味では一番バチバチしてたかもしれません!決して揉めてる訳ではなかったですが、お互いに相手が制作したメロディに遠慮なく手を入れて改変し合う感じでやり取りをしており、個人的には凄く刺激的で楽しかったです!

自分の想像を超える創造を目の当たりにできることが、他のクリエイターさんとのコラボ制作の醍醐味だと僕は思っています!

ただこの当時、由宇さん、あるいはそのやり取りをDiscord上で目の当たりにしていたリョウヘイさんやギュラさんがどう感じていたかは、いずれ機会があれば伺ってみたいところですね…w

更に細かい点でいうと、サビ前転調部のキメ1小節については、アレンジの過程で一時期消したことがありますが、ギュラさんからの

「キメ、有ってもいいんじゃないすか?」

の一言で復活した経緯があります。その点では、ギュラさんにもアレンジに関わっていただきました!✨

並行して12月下旬にはリョウヘイさんに打合せの機会をいただき、お酒や食事を嗜みながら、MSGEXの10年間の活動であったこと、考えたこと、あるいはそれ以前も含めた僕の音楽活動でのエピソードなどをお伝えしました。

ちなみに歌詞の詳細については、連動企画として5/3(金)にリョウヘイさんのnoteでもライナーノーツが公開予定ですので、ぜひそちらも併せてご参照ください!!!


そして年が明けた1~2月は、フル尺アレンジやボーカル収録をいただいている間に僕は他の楽曲制作や依頼案件対応を進めていました。

なおこの間、当初はライブに向けたメッセージ程度のご参加予定だったまるもこさんが、VR映像で出演していただけることが急遽決定、既に2月後半と〆切が押し迫った中、早々に収録いただけて大変ありがたかったです!✨
これで総勢10名の「REAL-PAVILION ALL STARS」が出揃いました!!

そして2月終盤に届き始めたボーカルトラック…計33トラック!?
これはさすがに一人では手に負えないぞ!?

ということで、当時ボカデュオの制作を一緒に進めていた9Tailしっぽさんのご支援を得て、ボーカルトラックの編集を進めていきました!

また、3月後半には最寄り駅から数駅、渋谷の手前にある某スタジオでコーラス収録を行いました!学生時代からお世話になってる系列店さん✨

普段は自分で考えたメロディということもあり、事前にコーラスアレンジはあえて考えず収録に臨み、セッション感覚で思いついたフレーズを採用することで収録を楽しみつつ、収録自体も上下2パート×2(LR)=4トラック、計30分から長くても1時間程度で終えるのが通常です。

が、今回はやはり由宇さんが作ったラインにコーラスをつけるというところ、またサビのキーが高いものの曲調的にロック、メタル的な張り上げる歌唱ではDigital J-Popには合わず #りあぱび おーるすたーずの皆さんの歌を邪魔しかねない、というところから予想外に手こずりました💦

これまで「promiss」や「See You Again」でしか使ったことのない裏声によるコーラスも必要に応じて導入しつつ、計8トラックのコーラス収録に3時間かかりました💦これも単純に4パート×2(LR)とかではなく、パートに寄っては例えばサビで同一ラインを裏声で4本×2(LR)重ねるなど、計33本のボーカルトラックの迫力に負けることなくしっかり地固め、下支えをするため、知恵熱を発するくらいには頭を使ってがんばりましたw

素直に確認用にシンセをレンタルすればよかったという話もあるのですが、自分としてはセッティングの合間に収録に対する集中力が途切れるのが嫌で、頭の中だったり時には歌詞の裏に五線譜を書いたりしてハーモニーが成立しているか確認しました。結果、頭がオーバーヒートしましたwww

まあでもこれも含めて新しいチャレンジということで、勉強になりました!
というか、事前にコーラスアレンジを準備して収録に臨もう!っていう…w

最後に、歌詞について一点だけどうしても触れておきたいエピソードがあるため、以下記します。すみません、めっさ長いです🙇

幸せのカタチ

これ、実はM3-2021秋頒布の8th Album「CHRONICLE Vol.V」にめらみぽっぷさんによる歌唱で初収録され、その後「PAVILION」シリーズにおいて由宇さんや9Tailしっぽさんによるリミックス、月乃さん&月斗さんによるセルフカバーも発表されている

La Forme du Bonheur

という楽曲のタイトルの日本語訳となります。現題はフランス語です。エヴァの影響ですw

これまでにもTwitter、Xなどで触れていますが、2020~2021年は〇ロナ禍でスタジオでのバンドレコーディングが事実上不可となり、かつ僕の職場からは大勢が集まる音楽、スポーツ他イベントへの参加厳禁の通達が出され、M3にも2020春の現地参加をキャンセルして以降、オンライン限定の参加が続きました。

このため、半ば苦し紛れに完全に一人でTM NETWORK、B’z(初期)、access等の影響を受けた'90年代デジタルポップス(現在言われている”Digital J-Pop”よりも更に時代を遡った源流、とでも言いましょうか)の制作を始めた頃の楽曲を取り上げて7th Album「CHRONICLE Vol.Ⅳ」を制作したり、「CHRONICLE Vol.Ⅴ」では〇ロナ禍を逆手に取った逆転の発想でオンラインセッションを通した楽曲制作などにもチャレンジしたりしましたが、大好きな音楽をやればやるほど逆に孤独感に苛まれる、という悪循環が日に日に酷くなっていく時期でした。

そんな中、「CHRONICLE Vol.Ⅳ」に至っては、毎回100枚単位でCDをお手に取っていただけるようになった今でこそ笑い話にできますが、初のオンライン参加のみとなった影響もあり、頒布枚数が過去最低を記録。かつ継続委託予定が誤って返送されてきたCDが郵便事故に遭いプラケースが全数ひび割れて届くなど。。。

時期的なタイミングもあったかと思いますが、前後の作品と比べても特段クオリティが下がった訳ではないこのアルバムがあまりに不遇なため、よかったらXFDだけでも構いませんので愛でてやってくださいませ🙇

このような流れを受け、「CHRONICLE Vol.Ⅴ」の頒布後、2022年春に一部新録曲を含むベストアルバムを発表してMSGEXの活動終了を、2021年当初に一旦決心しました。
(今回の新譜の中にも、上記ベストアルバムに収録予定で2021年当時制作に取り掛かっていた楽曲が、2曲含まれています。詳細はまた後程。)

このため、「La Forme du Bonheur」は当時MSGEX最後のオリジナル曲とする前提で、長年の盟友であり、かつエヴァオタ同士としてかつて旧劇場版も一緒に観に行ったM.S.G.のSHIORIに数年振りに直接会い、作詞の依頼について打合せを行いました。

この年はちょうど春に「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が公開されたこともあり、エヴァの完結と共にMSGEXも終わるか、くらいに思い、SHIORIとの会話の中でも、最後だから悔いなくやりたい放題やっちゃおうということで、真正面から「エヴァ」をテーマにした楽曲を制作することにしました。

そして、同じく最後だからこそまだやっていないことをやってみようと思い、初めて参加したのがすし~さんのあぷらじっ!「M3-2021秋同人サークル応援放送」!

こちらの回でこの曲をご紹介いただいたところ、すし~さんから非常に暖かいコメントを放送の中でいただけて、当時の僕としては本当に心から救われる思いでした…✨

そしてオンラインで淡々と終了したM3-2021秋の数日後、由宇さんや邪王さん、Sakamiyaさんといった同人Digital J-Popクリエイターの方々が偶然にもこの曲をRT、引用RTなどで取り上げてくださったことをきっかけに、YouTube XFDの再生回数が急激に上がり、BOOTHにも新譜旧譜を問わずかつてない注文数が連日届くなど、全く予想しなかった事態が突如訪れました。
同時に、SNSが持つ拡散力の凄まじさを実感しました…!

これらの体験が無ければ、MSGEXは2年前に確実に終わっていました。

上記で触れさせていただいた皆さまには、本当に勇気づけられました。
冗談抜きに感謝してもし尽せない思いで、今も一杯です。
(思いが強過ぎるあまり、気持ち悪い表現になってたらすみません🙇💦)

という話(長っ…w)を打合せの中で事前にリョウヘイさんにもお伝えしていたこともあり、「幸せのカタチ」という言葉をサビの中に含めていただけたことに僕はいたく感動し、下記メッセージをリョウヘイさんにお送りしました!✨

2024/01:11 00:18 がく
歌詞の中の「幸せのカタチ」、もしかして「La Forme du Bonheur」の日本語訳から持ってこられてますでしょうか?

出典:Discord

すると直後に返信が。

2024/01/11 00:19 リョウヘイさん
まっっっっったくの偶然ですがそういうことにしておいてください…笑

出典:Discord

…オレの感動と涙と鳥肌を返してくれぇぇぇぇぇぇぇーっ!!!!!!!(笑)

3.おわりに

という訳で、まさかの楽曲解説2曲分だけで第1回と同様7,000字近くまでいってしまった第2回、これにて終了とさせていただきます!www

…これはさすがに明日「前半戦の2」を公開しないとバランスが取れなさそうなので、今回は「前半戦の1」「第2-1回」ということにさせてくださいませ🙇

という訳で、MSGEXのGAKUでしたー!!

PS. 新譜の委託販売でもお世話になっておりますメロンブックス様で、5月の店内BGMとして「EXtended feat.U-RASIA & REAL-PAVILION ALL STARS」が流れています!店舗にお立ち寄りの際はぜひともお聴きください!

https://x.gd/EzTgz


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